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快眠したいなら朝が勝負!睡眠を味方につける“体内時計リセット”超簡単ルール

熟睡する女性

トレーニング、食事と同じくらい大切な要素である睡眠。人生の3分の1は眠りだともいわれています。一方で、現代は不眠に悩まされている人も少なくありません。今回は、桑原弘樹氏が睡眠を味方につける方法を伝授します。

※Woman's SHAPE&Sports vol.27に掲載された「桑原流・ボディメイキングの鉄則~睡眠を理解してボディメイクに役立てる~」をWEB用に編集したものです。

体内時計を意識し、朝のルーティンを作ろう

安眠する女性のイラスト

当たり前の話ではありますが睡眠は非常に身近なもので、人生の1/3を占めるといわれています。一方で、不眠に悩む人も少なくありません。悩み事があると眠れなくなるなど、睡眠をうまく味方にできないとストレスになってしまいます。ここで一度睡眠を見直し、最終的にはボディメイクに役立てるところまでつなげてみたいと思います。

まず考えたいのは体内時計。サーカディアンリズム(概日リズム)とは、おおよそ一日のリズムのことです。1日は皆平等に24時間ですが、体内時計は「おおよそ」24時間になっているので、これを上手に調整できるか否かで、睡眠の質の差が現れてきます。

時計遺伝子は、大きく分けるとBmal1(ビーマルワン)、クロック、パー、クライという4つのタンパク質で構成されています。Bmal1は体内に脂肪を溜める因子で、これが分泌されはじめる夜9時以降に食べると太るとはよくいわれていることです。おおよそ24時間のリズムの流れとしてはBmal1とクロックがまず発動します。次にこの2つによってパーとクライを作り出します。しかしパーとクライは、先の2つを抑制する力を持っているため、パーとクライが増えてくると、Bmal1とクロックが減りはじめます。すると元々作り出してくれてた二つが減るために、今度はパーとクライが減ってくる。パーとクライが減ると再びBmal1とクロックが増え始めるという流れです。これがだいたい24時間のサイクルで回っている「サーカディアンリズム」です。よって、この4つのタンパク質が増減するサイクルを上手に24時間に合わせていくのがポイントです。

体内時計のイラスト

では、どうしたらうまく合うのでしょうか。体内時計には大きく2つあって、ひとつは脳内にある主時計。視交叉上核(しこうさじょうかく)という視神経が交差しているところに、体内時計の主時計があります。まずは、朝に光を浴びてこれをリセットします。朝起きたらカーテンを開けて、網膜から光の情報を視交叉上核に伝えると、体内時計が一度リセットされるのです。そのため、逆に夜寝るときに部屋を明るくしておくのはよくありません。

もうひとつの体内時計は、全身にある末梢時計。これは体内のいろいろなところでバラバラに動いており、主に食事でリセットされます。朝ごはんの重要性はここにもあるのです。朝ごはんは一日のエネルギー源であり、体内時計をリセットする大切な役割もあるのです。つまり朝日を浴び、朝食を食べることで、すべての体内時計がリセットされていくので、こうした朝のルーティンをもつことは重要です。こうすることで、夜ちゃんと眠たくなります。

海外に行くと時差ぼけがあるのは当然の現象ですが、自分のなかでも徐々に時差を作ってしまっているので、普通にしていると昼間に眠たくなったり、寝る時間が遅くなってしまったりします。体内時計のリセットをルーティン化してあげると睡眠の質がよくなり、毎日うまく眠れます。

桑原弘樹
Kuwabara hiroki

桑原弘樹さん

1961年4月6日生まれ愛知県出身。立教大学卒業後、江崎グリコに入社。スポーツサプリメント事業を立ち上げ、スポーツフーズ営業部長などを歴任し、現在はアドバイザー。桑原塾を主宰し、100人以上のトップアスリートのコンディショニング指導も行っている。

取材・構成=飯塚さき Illustration=JUNKO(小泉純子)

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