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ステージに立った瞬間に差がつく!ボディコンテスト初心者必見!マッスルゲート審査員長が教える"身体の魅力を120%引き出す"ポージング&練習法ガイド

身体の仕上がりはもちろん、ポージングの美しさが大会での評価を大きく左右します。なぜ、あの選手のポージングは特別に見えるのか?審査員が大勢の選手の中から「上手い」と見抜くポイントはどこにあるのか。マッスルゲートの審査員長を務め、JBBF女子フィジーク選手時代にもベストアーティスティック賞を何度も受賞するなど、ポージングに定評のある大澤直子さんにその極意と上手くなるためのコンディショニングを伺いました。

[初出:Woman'sSHAPE vol.30]

取材・文:Womanʼs SHAPE編集部 撮影:田中郁衣、北岡一浩(大会写真) Web構成:中村聡美

ステージに入った時点で分かる!
ポージングの上手さは立ち姿にあり

━━大会に出場するにあたって、どのくらいポージングが大事なのでしょうか?

大澤 ポージングができていないと、身体の仕上がりがどんなに良くても評価が落ちることはあります。たとえば、身体の仕上がりがいいのにポージングが美しくない人と、身体がまあまあ良くてポージングがすごく上手な人がいたら、身体の仕上がりの差にもよりますが、おそらく後者の人が上位になる可能性が高いです。女子のカテゴリーは特に、仕上がりの差がわずかなときは、ポージングのきれいさで差がつきます。だから、最低限できるようになった方がいいですね。

2023年のJBBF日本女子フィジーク選手権大会。(撮影:中島康介)

━━勝敗が決まるほど重要なんですね。たくさんの選手が並ぶなか、どういったところを重視して審査しているのでしょうか?

大澤 まず立ち姿ですね。ちゃんときれいに立っている人は、やはり全てが良いです。360度、どの角度から見ても軸をしっかり取ってまっすぐ立てているか。大会のステージに出てきて、足を一歩出して歩いた姿を見ただけで、なんとなくその選手が上手いかどうかが分かります。実際にポーズを取ったところを見ると、「やっぱりきれい」と感じることが多いですね。

━━ステージに出た瞬間から分かるんですね。上手い人と上手くない人の差はどこに現れるのでしょうか?

大澤 軸が取れているか取れていないかと、足でしっかり立てているか。それで変わってきます。上手な選手が並んでいたとしても、そこで差は出ています。優勝する選手は、やはりまっすぐ立っていて、肩の位置や肩甲骨の位置、足のスタンスなど、良いポジションを取れています。そして、自分の骨格と体型に合ったポーズをちゃんと理解して行なっているか、というのも重要です。「あの人のポーズがかっこいいから、自分もやってみよう」という人もいると思います。ただ、それが果たして自分に合っているかどうか。背丈や骨格、筋肉の形も違うので、ある程度真似はできても、最終的には自分に合ったポーズがちゃんと取れていないと、そこで差が出てしまいます。だから、自分を客観的に見られる人の方が、上手にポーズが取れていると思います。
例えば、ポージングセミナーなどで他の選手たちと並んで練習しているのに、自分ばかり見ている人は、あまり上手にならない傾向があります。せっかく並んで練習しているのなら、自分と他の人を比較して、「どこが違うのかな」と考えられる人はだんだん上手にできるようになりますよ。

2024年ゴールドジムジャパンカップの予選審査

━━複数人で行なうグループレッスンの良さですね。

大澤 そうなんです!もちろんマンツーマンでポーズを習うのも良いですが、ポージングセミナーとかに1回、2回は出ておいてください、というアドバイスはよくします。大勢で立つ練習ですね。セミナーに行くタイミングが合わないという方でも、ゴールドジムでは小沼(敏雄)さんのポージングアカデミーが週に何回か開催されています。男子や別のカテゴリーの方とでも良いので一緒に並んで隣に誰かがいる状態で練習するだけでも、全然違います。

家での自主錬!その注意点とおすすめ練習法

━━複数人で練習することの良さはたくさんありますね。一人で練習するときのおすすめ練習方法も知りたいです。

大澤 一人で練習する際、家で練習する方もいると思いますが、注意が必要です。家はスタジオなどのようにそんなに広くないので、自分と鏡との距離が近くなりますよね。そうすると、自分しか見えなくなるので、余白が見えなくなるんです。

━━余白が必要なんですね!

大澤 そう、余白が必要なんです。例えば、習字って白い紙に字を書くじゃないですか。それも余白が重要で、上手な人は白と黒のバランスがうまいんです。バランスがいいと、字自体はそんなに上手でなくてもきれいに見えるのと一緒で、ポーズもアウトラインをきれいに出せば、美しく見えます。ポーズをとったときの足幅や空間のとり方は距離が近いと見られない。だから、スタジオで練習する場合も、鏡で身体と余白が見える場所に離れて練習することをおすすめします。家で練習する場合はアウトラインと余白が見えるように、動画を撮って後でチェックするのが良いでしょう。これは、絵画にも通づるところがあって、美大の先生が言っていましたが、ずらっと並べて遠目から見て絵を評価していたと。マッスルゲートでも全体が見えるように、なるべく遠目から見たいと思っていて。会場によって審査員席が近くなってしまう場合は、1列外したところから審査するようにしています。

━━ステージに立ったときに、どこを見たらいいか分からないという声も聞きます。目線で気をつけることはありますか?

大澤 審査員の方か、その後ろ辺りを見るのがいいですね。ずっと見ていなくても、たまに会場の遠くを見て一度仕切り直すなどが自然にできるといいです。あとは、無理に端の方から審査員の方を見なくてもいいんです。ポージングをとりやすいように、自分の前あたりで見やすいところを見るのがいいと思います。

━━審査員から見て、選手は気づいていない、もったいないと思うことはありますか?

大澤 例えば、バックポーズでお尻を強調したいからといって上半身まで前傾しすぎていること。これはフロントポーズに関しても共通ですね。あと、過度なプレアクション。シンプルの方がきれいに見えます。

2024年ゴールドジムジャパンカップの予選審査

━━身体を良く見せようと思って気づかないうちにやってしまいそうですね……。初めて大会に出場する人に向けて、これはやった方がいい、ということはありますか?

大澤 大会前ギリギリまで第三者に見てもらった方がいいです。トレーナーさんに限らず、家族や友達でもいいですね。その助言が参考になったりするので。あと、コスチュームを着用してのポージング練習は必ず、大会前に何度か行ないましょう。たまに大会前のコスチュームチェックで初めて着たという方もいるので……。レギンスカテゴリーに出場する方も自分が大会で着るトップスとレギンスを決めていたら、それを何回か着て練習しましょう。普段のトレーニングウェアなどでポーズを取ったときとまた見え方が変わってきますからね。

━━最後に、大会出場を目指す方にアドバイスをお願いします!

大澤 そうですね、これから初めて大会に挑戦する人に限らず、今大会に出ている人もですが、いろんなステージを見てほしいです。自分と同じカテゴリーじゃなくても、選手がどんなポージングをしてるのか役に立ちます。私は女子フィジーク選手でしたが、ビキニフィットネスなどの自分とは違うカテゴリーを見ることで、ポージングのプレアクションや足の運びとかも勉強になりましたね。大会はYouTubeなどでも見られますが、生のステージを見てほしいです。
あとは、ステージングでは表現が必要になってくるので、ボディビルに近いようなスポーツでもいいですし、舞台やダンス、ミュージカルなどの演劇やライブを見に行くと良いですよ。感性の豊かさも養えますし、お客さんを巻き込んで一緒に楽しめるパフォーマンスを自分がステージでできるように学ぶことができます。笑顔や見せ方、衣装の色なども参考になりますし、ステージライトの色に注目することで、人物の見え方も知ることができます。ボディコンテストだけに偏らず、こういったものも気分転換を兼ねて楽しんでいただきたいですね。

周りと差を付ける!
ポージングが上達する
トレーニング&コンディショニング

ポージングで大切な立ち姿。しっかり軸を取ってできるように必要なトレーニングとコンディショニングをご紹介!ポージングだけでなく、日々の生活やトレーニングにも活かされるでしょう。

おおさわ・なおこ
ゴールドジムスタジオインストラクター兼スタジオディレクター。1996年からボディビルを始め、2005年東京選手権優勝、2015、2016年日本女子フィジーク選手権2位、2016年北京アジア大会優勝、世界選手権大会7 位、2017年アーノルドクラシックコロンバス8位、2023年日本女子フィジーク選手権大会4位、ベストアーティスティック賞と、数々の好成績を収める。マッスルゲート審査員長。

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