世界的に競技人口を増やしているフィットネスレース「HYROX(ハイロックス)」。1kmランと8種目のファンクショナルムーブメントを交互に繰り返す競技として、日本でも急速に人気を拡大している。
そのHYROX界で、日本トップクラスの女性選手たちが集まる場所として存在感を高めているのが、東京・世田谷にある『クロスフィット世田谷』だ。
同ジムには、世界大会を狙う選手たちや日本代表キャプテン経験者がコーチとして在籍。今回は、その中でもHYROXで国内トップレベルの実績を持つ3人の女性コーチに話を聞いた。
フルマラソン2時間45分07秒の実績を持つランニングコーチの森田光希さん、HYROX大阪で総合2位を記録した前川早紀さん。そしてHYROX日本代表キャプテンを務めた佐藤美智子さんだ。
【動画】クロスフィット世田谷でトレーニングする森田光希さん、前川早紀さん、佐藤美智子さん
「世界の表彰台を狙う」 HYROX女子トップ選手が指導
前川さんは、HYROX大阪のWomen’s Pro Singleで1時間6分24秒を記録。エイジ1位、オーバーオール2位という国内トップクラスの実績を持つ。
「6月にはストックホルムで世界選手権があります。来シーズンは世界の表彰台を狙っています」」

前川早紀さん
HYROXは単純なタイム勝負だけでなく、年間ポイントによって世界ランキングや出場権が決まるシステム。世界トップを目指すには、多くの大会へ出場し続ける必要があるという。
一方、佐藤さんは2023年に日本人初となるHYROX PROカテゴリー総合入賞を達成。さらに2024年、2025年には日本代表チームキャプテンとして、アジア大会での国別対抗リレーにおいて2年連続準優勝へチームを導いた。
「日本代表選手を選出する立場としても活動していました」
アジア勢や他国について聞くと、佐藤さんはこう語る。
「韓国、オーストラリア、ニュージーランドは本当に強いです。世界レベルになると、ヨーロッパ勢の強さをすごく感じます」

佐藤美智子さん
さらに森田さんも、HYROX大阪Open Singleで1時間7分12秒を記録。エイジ1位、日本人1位、オーバーオール3位という実績を残している。

森田光希さん
そんな世界基準を知る選手たちが、日常的に指導を行っているのがクロスフィット世田谷の大きな特徴だ。
「ランニングとCrossFitの融合」 初心者でも挑戦できる環境

クロスフィット世田谷ではHYROX種目が本番器具で体験できる
クロスフィット世田谷では、クロスフィットとHYROXを軸にしたプログラムを展開している。
「クロスフィットは、走る・飛ぶ・持ち上げるなどの様々な日常動作をベースにした全身運動を、短時間高強度で行うトレーニングです」
バーベル、鉄棒、ジムナスティックなどを組み合わせ、日常動作に近い動きを鍛えるのが特徴。一般的な24時間ジムのように個人で黙々とトレーニングするのではなく、コーチ1人に対して10〜12人ほどで行うグループ形式だという。
「現在では、多くのクラスがキャンセル待ちになってしまっています」
さらに特徴的なのが、ランニングクラスの存在だ。
「ランニングクラスには、フォーム重視のクラスもありますし、競技力向上向けもあります」
ランニング専門クラスを展開するクロスフィットジムは珍しく、HYROX競技との相性の良さから人気を集めている。営業時間は朝6時から夜21時半まで。特に早朝クラスが人気だという。
「クロスフィット文化って、“朝運動して良い1日を始めよう”という考え方が強いんです」
会員層は30〜40代が中心。男女比は女性4割超ほどで、最近はHYROX人気の高まりを受け、20代女性の体験参加も増えているという。
「SNSを見て、“自分も挑戦したい”という流れですね」
また、会員の目的も“痩せたい”だけではない。
「実際にアンケートを取ったら、筋力アップ目的が圧倒的に多かったです。競技力向上目的は3割くらいでした」
「健康的に、かっこよく痩せられる」 女性人気が高まる理由

クロスフィット世田谷はかわいい虎のロゴが目印。クロスフィットやHYROXの敷居の高いイメージを変えるために誰でも気軽に参加できるようにという思いが込められているという
女性がHYROXやクロスフィットに取り組むメリットについて聞くと、森田さんは自身の変化を交えながらこう語る。
「健康的に、かっこよく痩せられることですね。私はもともとマラソンだけだったんですけど、この1年で筋トレを取り入れたことで筋肉量が増えて、太りにくくなりました。今は見た目もはっきりとメリハリのついた身体に変わりました」
クロスフィット世田谷では、“激しい”“敷居が高い”というイメージを和らげるため、一人ひとりに合わせて負荷を調整する“スケーリング”を重視している。
「ジムに通ったことがない方でも取り組みやすいプログラムにしています」
ロゴデザインも、いわゆる“いかついジム”の印象を避けるため、親しみやすさを意識しているという。
また、会員の身体的変化も特徴的だ。
「高強度運動なので、心肺機能だけでなく筋持久力や瞬発力も鍛えられます。血流や循環が良くなって、若く見られる会員さんが本当に多いです」
「マラソンだけではなく、ファンクショナルトレーニングとの融合がすごく大事なんです」
HYROX人気の拡大とともに、競技志向だけではなく、“人生を豊かにするフィットネス”として支持を広げるクロスフィット世田谷。世界を目指すトップ選手たちの存在は、多くの初心者にとっても新たな挑戦の入口になっている。
取材・文:FITNESS LOVE編集部 写真提供:クロスフィット世田谷










