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男だって尻トレ!❷【“カッコいい”殿筋の作り方】椎名拓也が伝授する「体操選手のつもり筋トレ」

競技者だけでなく一般トレーニーにも必要な男の尻トレについて、日本トップクラスにデカいお尻を持つ3人の実践例を紹介する【男だって尻トレ!】シリーズ。2人目は、椎名拓也選手。
椎名選手の特徴は大殿筋の筋腹の長さ。聞けば尻を作り上げた種目は2つだけだったが、その中には椎名ワールドが垣間見えた。

取材・文:小笠拡子 写真:舟橋 賢 大会写真:中島康介

デカい殿筋の秘密はマストの2種目のみ

――縦にデカいお尻をされていますが、お尻種目は2つだけだとか。

椎名 はい、数あるうちの代表2種目というわけではなく、ブルガリアンスクワットとアウターサイ、この2種目でデカくしてきました。トレーニングを始めた高校生のころにケーブルのキックバックやヒップスラストを試してみたのですが、個人的にデカくなる感覚を得られず……。このマスト2種目に辿り着きました。

――尻トレの種目はどの日に組み込まれていますか?

椎名 今まで四頭とハムで分けていたんですが、このオフシーズンから脚を1日でまとめました。お尻の種目は脚トレの最後にしています。脚の種目をいろいろやって、ブルガリアンスクワットからのアウターサイで締める、という組み方です。1日にまとめて、全体的にボリュームを落としているので体力はもちます。脚の日のトレーニング時間は4時間ぐらいですかね。

――4時間……。脚トレの終盤種目なので、それぞれ軽い重量で行っているのでしょうか。

椎名 ブルガリアンスクワットはダンベルを50㎏・50㎏で持って行いますし、アウターサイはフルスタックです。アウターサイはマシンのメーカー的にフルスタックでも軽いんですよ(笑)。だから、動かなくなるまでしないと。中殿筋のマッスルコントロールで動作するように心がけながら限界まで行うので、1セットの中で姿勢も変わってきます。初めはやや前傾気味で前に手をついた状態で、そして最後の方はシートに身体を預けた状態でやって、とにかく中殿筋が動かなくなるまで追い込みます。

――ダンベルでのブルガリアンスクワットは、トレーニング当初から行っているのですか?

椎名 いえ、ずっとスミスマシンで100㎏~120㎏の設定でやってきました。スミスは自分でバランスを取らなくてもいい利点がありますが、体幹が抜けちゃって、うまくフォームがハマらなくて。一方ダンベルは自分でバランスを取る必要があるので、体幹まで力が入ってやりやすく感じたので、シフトチェンジしました。とりあえず片手50㎏のダンベルで始めようと思ったら1回しか挙がらなかったので、その回数を伸ばしていくことに注力し、今では5回ぐらいできるようになりました。本当は軽い重量からセットを始めて、重さを上げていく方がいいと思うのですが、自分の気持ち的にいきなり持ちたい!と思って軽くアップしたらすぐ50㎏持っちゃいますね(笑)。

ダンベルブルガリアンは体操競技である

――ブルガリアンスクワットで意識していることとは?

椎名 体操選手になった気持ちで挑んでいます。

――……その心は?

椎名 自分にとってブルガリアンは「いかにブレずに、美しく最後まで終われるか」という体操競技だと捉えていて。ダンベルを持ち、片足を浮かせる時点から審査が始まっています。前重心にならないよう、膝はほぼ動かさず股関節の動作メインで一番下までしゃがんでいきます。お尻でしっかり重さを受け止めて上げる、を繰り返し最後は自重で動かなくなるまでやる。そこから片足を床に下ろし、両足をそろえてきれいに着地できるかどうかがミソで、崩れ落ちたり倒れこんだりしちゃうと「自分の審査基準的にNG」ですね。

――最後まで美しく動作をするため、椎名選手が気をつけていることはなんでしょう。

椎名 呼吸を整えてからセットに入らなければ軸が定まらなくて、グラグラと不安定になってしまうので、心の波を落ち着かせてから動作に入るようにしています。ブレてしまうと、最後の着地が美しくできませんから。

――続いて、お尻を鍛えることの良さについて伺いたいです。

椎名 一般の方がお尻を鍛えることのメリットは、やはり見た目が良くなること。横から見たときにボリュームがあったらカッコいいと思います。競技者の視点だと、お尻に筋量があるとクッションになるので、減量中のバイクも痛くありませんし、お尻周りが絞りやすくなったような気はします。あとは、自分が好きなビキニポーズも映えますしね(笑)。高校生時代から駅の階段は全部お尻で上がっていたので、日常でお尻が鍛えられていた背景もあるかもしれません。また、当初はお尻を突き出して持ち上げるフォームでフルボトムのスクワットをしていたのも大きく成長した要因の一つかも。

――いわゆる美尻を作るフォームですね。椎名選手が憧れるお尻はありますか?

椎名 鈴木雅さんのお尻がすごく好きです。バックポーズで最初に目が行くぐらいデカい。そんなお尻に憧れて、昔からスタンスやセット数、レップ数などは変わっていませんが、いつも以上に頑張って追い込むようになり、最近はこれまで以上にデカくしたい!という気持ちが燃えています。

カッコいいお尻を作るポイント解説
ブレないフォームで重さを受け止める

優先度①ブルガリアンスクワット(ダンベル)

お尻だけに効かせるため、前に重心が乗らないように注意。セットに入る前に呼吸のリズムを整え、一番下までしゃがんでお尻で負荷を受け止めて上がる。この動作中の呼吸は、酸素が循環しているぐらいの意識で。


 

優先度②アウターサイ

開脚動作というよりも、中殿筋のマッスルコントロールだけで動作を行う。そのため、最初と最後で姿勢は前傾になったり、シートに身体を預けたりと変化。ちなみに大会初出場の翌年、当時の会長に「欲しい」とお願いして買ってもらった思い出のマシン。


しいな・たくや
1999年生まれの25歳。千葉県出身で身長172cm、体重はオン79㎏、オフ88㎏。スポーツGYMドリーム代表兼筋肉界の貴公子。2024年の戦績/JBBF日本クラス別選手権大会ボディビル75㎏以下級3位

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