筋トレ

誰でもできる!健康を守りたいあなたのための「ゆる筋トレ」のすすめ【前田修平のまいにちセルフケア連載】

はじめに

「筋トレ」と聞いて、どんなイメージが浮かぶだろうか。
筋肉隆々のボディビルダーや、ジムで重いバーベルを持ち上げるストイックな人たち。ちょっと近寄りがたくて、自分には関係ないと思う人も多いかもしれない。
しかし今、厚生労働省が推奨するガイドラインにおいても、「筋トレ」は生活習慣病や死亡リスクを下げる手段として、すべての成人・高齢者に推奨されている。世は一億総筋トレの時代とっても決して過言ではないのだ。

「自分にできるだろうか?」
そう感じる人こそ、多くの悩みや痛みに向き合ってきたセルフケアの専門家として、“ゆる筋トレ”を提案したい。誰でも今日から始められる方法である。 まずは小さな一歩を踏み出してみよう。

なぜ今、ゆる筋トレなのか 

メリットを先に知らないと取り組めないという気持ちもあるだろう。その気持ちもわからなくはない。

厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」という資料を公開している。この資料によると、週に2〜3日の筋トレ(自重やダンベルを使った軽度のものでも可)と1日6,000歩〜8,000歩のウォーキングを継続が推奨されている。

運動習慣のない方なら「1日あたり10分」の身体活動を増やすことで、生活習慣病発症や死亡リスクが約3%低下すると推測されている。また、運動量と生活習慣病発症や死亡リスクとの間にも同様の関係がみられ、条件を満たす場合、生活習慣病発症や死亡のリスクが約10%低いことが示されている。

「1日10分のゆる筋トレ」なら、自分にもできる気がしないだろうか?

日本人は筋トレ不足

笹川スポーツ財団の資料によると、国内の20歳以上の男女を対象にした調査では「年に1回以上筋トレをしたことがある」という人は1,629万人とのこと。筋トレ実施率は、コロナ禍に一時増加したものの、直近ではまた減少傾向にある。

「筋トレ=特別な運動」といった誤解や、「しんどそう」「器具が必要そう」といった心理的ハードルが原因と考えられる。 しかし筋トレには、身体ひとつだけでおこなえるシンプルな方法も多数存在する。それが「ゆる筋トレ」だ。
運動の強度や回数も、自分の筋力や体力に合わせて調整が可能なのが良いところ。 重要なのは、「ゆるくでOK」「週に2〜3回でOK」という気軽さだ。

今日からできる!初心者向け“ゆる筋トレ”メニュー

以下に、誰でも始められ、全身をまんべんなく鍛えられるシンプルな筋トレメニューを紹介する。 基本は週2〜3回、自分のペースで続けること。疲れたら5回でも可。回数より“継続”が重要になるので心に留めておこう。

【動画】一緒にチャレンジ!初心者の方にオススメの全身筋トレ【7種目】

ハーフスクワット(大腿四頭筋)

ポイント:つま先と膝の向きをそろえて、90度を目安に曲げる。



② 膝付きプッシュアップ(大胸筋・上腕三頭筋・三角筋)

ポイント:胸を張って、肘を90度を目安に曲げる。

 

ハーフクランチ(腹直筋・腹斜筋など)

ポイント:両手が膝に触れる程度に身体を起こす。

 

④ヒップリフト(大殿筋・ハムストリングス)

ポイント:おしりから肩までを一直線になるように持ち上げる。

 

 ⑤バックエクステンション(脊柱起立筋)

ポイント:腰を反らせ過ぎないように気をつける。

 

筋トレは週2〜3日の頻度で十分な効果をもたらす。
誰にとっても運動のやりすぎは逆効果となる場合もあるので、十分に休息日も儲けることも重要な要素なのだ。休むのもトレーニングのうちに入ると考えれば罪悪感も少なくなるだろう。もちろん、 途中で疲れたら中断しても問題はない。「今日は2種目だけ」だったとしても立派なトレーニングなのだ。
大切なのは、自分にとって“ちょうどよい負荷”で無理なく継続すること。これがゆる筋トレのポイントになる。

続けるコツは「できた」という小さな実感

筋トレは、効果が目に見えやすい運動である。
スクワットを1週間続けるだけで、「階段の昇り降りが楽になった」「つまずかなくなった」といった変化を感じる人も多い。
この「できた」「変化を感じた」という小さな成功体験が、モチベーションの源となる。

家族や仲間と一緒に行う、スマホで動画を撮って成長を確認するなど、楽しむ工夫も重要だ。赤ちゃんが少しずつ大きくなるように、習慣化には「ベビーステップ」という小さな一歩を褒め称えることが継続の糧になるはずだ。

おわりに ━━筋トレ、いつやるの?今でしょ

ゆる筋トレには、器具もジムも必要ない。自宅のリビングや寝室で始められる手軽な運動なだ。 年齢や体力に関係なく、誰でも少しずつ前に進むことができる。 つまり「自分の身体を自分の力で育てる」ことなのだ。子供のころとは違い、大人になると手取り足取り全てを教えてもらいながら成長していくのは、なかなか難しくなる。情報はたくさん溢れて、テクノロジーが進歩しているが、残念ながら「見ているだけで筋肉がつくもの」はまだ存在しない。「知っている」と「できる」の間には大きな隔たりがある。

私はセルフケアの専門家として、あえてこの時代に声を大にして伝えたい。

「筋トレ、いつやるの?今でしょ。」

著者:前田 修平(まえだ・しゅうへい)
NASM-PES、はり師・きゅう師。ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル『前田のまいにちセルフケア by GronG』を運営。登録者は29万人以上(※2025年2月時点)。科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝えている。

【参考資料】
健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023【厚生労働省】
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/workout.html

Web構成:中村聡美

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