8月10日(土)、聖書キリスト教会・東京教会にてパワーリフティング公式大会である『江古田X-TREMEベンチプレス選手権大会』が開催され、足立智哉 (あだち・ともや / 21)さんが 男子105kgで3位入賞を果たした。
足立さんは今大会の最年少出場者。現在は大学3年生で、通常であれば23歳以下のジュニアカテゴリーに分類されるなか、猛者の揃う一般カテゴリーで戦い抜いた。さらに驚くべきことは、その競技歴。本格的に競技をはじめてわずか3カ月であるというのだ。
「元々、YouTubeで日本トップのパワーリフターである牛山恭太さんが出演している『パワーチューブ』トップベンチプレス選手である鈴木佑輔さんが運営する『鈴木佑輔のベンチプレス101』が好きでよく視聴をしていたんです。はじめは1人の視聴者として見ているだけだったのですが、次第に自分もチャレンジしてみたいという気持ちに変化してきて。トレーニング自体は高校時代に取り組んでいたラグビーの影響もあり、重いものを持つことへの楽しさは感じていたので、思い切って挑戦することを決意しました」
今大会が初出場ながら、155kgという記録を残した足立さん。十分すぎる結果のように感じるが「悔しい」と肩を落とす。
「7月にはテスト期間があったので思うように練習ができず、準備不足となってしまいました。それでも、学業との両立を図るための工夫は自分なりに行ってきたつもりです。トレーニングの時間はなるべく短く、効率的に取り組む意識を常に持っていました。また、練習メニューはトップベンチプレス選手である長谷川直輝さんのYouTubeチャンネルを参考に、足上げベンンチプレスで自力をつけてきました」
3カ月という短い期間で大きく成長を遂げた足立さん。本格的に競技を始めたからこそ気づけた『環境の大切さ』を語ってくれた。
「以前は全国にチェーン展開されている24時間ジムでトレーニングを行っていたのですが、そのようなジムだと利用時間にどうしても制限があって。みんなで使うためのルールなので良いことではあるのですが、1回あたりの利用時間が限られている分、1セットごとの休憩時間を短くする必要があったのです。そうすると疲労が抜けきらず、怪我のリスクが怖くて。肘の怪我をした経験もあるので、長く競技を続けるためにもしっかりと休息の取れる練習環境が大切なのだと感じました。今は多くのパワーリフティング選手が利用するジムで集中してトレーニングに打ち込んでいます」
伸び代だらけの21歳ベンチプレッサーの今後の成長から目が離せない。
文・撮影:池田光咲