パワーリフティング フィットネス

11歳女子小学生がパワーリフティングに挑戦! 初めてのデッドリフトで40kg挙げる未来モンスター

何かを始めるのに遅すぎることもなければ、逆に「早すぎる」こともない。そう教えてくれた一人の女の子がいた。

【写真】山本美彩希ちゃんの力強いスクワット・ベンチプレス・デッドリフト

1月19日(日)、兵庫県明石で開催された、女性限定のパワーリフティングイベント『第4回ストロングガールズ』に出場していた山本美彩希(やまもと・みさき/11)ちゃんだ。現在小学5年生の美彩希ちゃんがパワーリフティングに興味を持つようになったきっかけは、父の勝三(かつみ)さんにあった。

勝三さんは典型的な肥満体型で、健康診断に引っかかったことからダイエットで筋トレを開始。その後パワーリフティングにハマり、大会にも出場するようになった。部屋の一角にパワーラックやプレートを置き、プチホームジムを設置。そこでデッドリフトを練習する父の姿を見て、美彩希ちゃんも「やってみたい」とチャレンジしたのが始まりだった。

バレーボールやドッジボールなどスポーツが大好きだという美彩希ちゃんだが、バーベルを持つのはそのときが初めて。怪我だけはしないようにデッドリフトのフォームを勝三さんが伝えて実際にやってみると、なんと40kgを持ち上げたという。

当時のことを「楽しかった!」とニコニコしながら振り返る美彩希ちゃんの横で、「まさか11歳の娘が初めてのデッドリフトで40kg挙げるなんて……(笑)」と勝三さん。「ストロングガールズのことを娘に言ってみたら『出たい!』と。慌ててベンチプレスとスクワットのやり方を教えて、すぐに練習を開始しました」。

美彩希ちゃんは小学校のバレーボールチームにも所属しているため、バレーがない火曜・金曜・土曜の週に3日、それぞれ1時間程度ひたすらBIG3を練習。練習期間は1カ月程度だがメキメキと伸び、練習を始めて数週間ほどで、デッドリフトもスクワットも50kg近く挙げられるようになった。

スクワット・ベンチプレス・デッドリフトで合計100kgを挙げることを目標にし、迎えた大会当日。自身で花の絵を描き、パーツでデコレーションした美彩希ちゃんお気に入りのシューズと共にステージへ。最年少の出場者だったことから、司会も「11歳でパワーリフティングに挑戦!将来有望です!」と紹介アナウンスが流れる。

全ての試技を終え、スクワット45kg、ベンチプレス17kg、デッドリフト45kgのトータル重量107kgを達成。目標より7kgオーバーしてのフィニッシュとなった。「お母さんがご褒美を買ってくれる」とうれしそうな反面、「得意のデッドリフト55kgができなかったのが悔しい……」と声を漏らす。

勝三さんも「50kgは家での練習で挙げていたんですが、55kgは今まで持ったことのないチャレンジ重量でした。持ち上げるまではできたけど、最後肩がきちんと返っていれば(※)」と少し悔しそうな声。

(※パワーリフティング競技において、デッドリフトは持ち上げた後のフィニッシュポジションで胸を張っておかなければならない。このことを「肩を返す」と表現する)

山本美彩希さん

これからの目標について尋ねると、美彩希ちゃんは少し恥ずかしそうに、しかし真っすぐに「メダルが欲しい」と教えてくれた。パワーリフティングの公式大会でメダルを獲得できるのは、満14歳から挑戦できる『サブジュニア』カテゴリーだ。数年後の未来モンスターが待ち遠しい。

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取材・文:小笠拡子 撮影:岡 暁

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