パワーリフティング フィットネス

還暦リフターから最年少11歳まで! 最強女子が集結する『ストロングガールズ』が熱い!

日本の女性よ、強く美しくあれ!
女性限定のパワーリフティングイベント“ストロングガールズ”

兵庫県・明石市で開催された『第4回ストロングガールズストレングスフェスティバル』。11歳から61歳まで、“強い”女性が大集結!
ステージまでのランウェイを笑顔で歩く彼女たちの姿は、まるで一人ひとりが主役だった。「トレーニング=ダイエット」の概念を取っ払ってくれる舞台に密着した。
[初出:Woman'sSHAPE vol.29]

【写真】強く美しく!ストロングガールズの様子

トレーニング≠ダイエット
これまでの常識を覆したい

河西 私たちの活動コンセプトは「トレーニング=ダイエットの概念を覆す」。私はパワーリフティングの競技者である前に1人の人間として、トレーニングから教わったことがたくさんあります。その中の一つに、「トレーニングって見た目を良くするためだけにあるものじゃない」というのがあって。楽しい人生を送るためにやろう、強くなりたいからやろう、といった自己成長のためのトレーニングだと捉えています。

野村 今大会における私自身のテーマが「みんなが輝く主人公」でした。私が目指しているのは、腕や脚が太い女性も美しいという、一つの美のジャンルを確立すること。日本ではまだまだ太い・デカいことが嫌厭されがちですが、そういった固定概念を取っ払う足がかりとして今大会をつくり上げてきたんです。
試技のとき以外でもスポットライトが当たるように、選手の控え席から舞台まで、レッドカーペットを敷いたランウェイを用意しました。出場選手たちが自信を持って歩けるように、と願いを込めて。

チャレンジした姿が美しい!会場内のスタッフや観客、選手全員で喜びを分かち合う

河西 一般的にパワーリフティングは男性スポーツという認知が強く、パワーをしている女性は少ないです。安心して大会に参加してもらえるよう、女性限定という条件にしました。

野村 こうすることで女性同士のコミュニティーが築きやすいです。一人で孤独にトレーニングしがちですが、大会を通して繋がりと仲間ができるのも女性限定ならではですね。

自己ベストとの戦い。試技中の真剣な眼差しが光る

全日本人女性がバーベルを持つ世界へ

野村 私は日本人女性みんなにパワーリフターになって欲しいんです。パワーリフティングには2種類の楽しみ方があると思っていて、一つは競技者としての道。そしてもう一つは趣味として楽しむ道。どちらも私にとってはパワーリフターです。
特に後者の道では、自分ができると思っていなかった重いものを持ち上げられる喜びを知り、それが自信につながっていくはず。そこに年齢は関係なく、パワーを通して心も身体も健康になってもらいたい。だから女性こそバーベルを手に取ってほしいと思っています。

河西 女性の中にはパワーリフティングに対して「ムキムキになっちゃうんじゃないか」とか「怖い世界なんじゃないか」と思われる方もいるでしょう。でも私はこの大会を〝新しい自分を発見できる場〞だと思っています。挑戦したこと、自分の壁を乗り越える経験は、ほかの日常生活にも良い影響を及ぼしてくれるように感じますね。

野村 過去の自分を超えているっていうだけで本当にすごいことなんです。誰かと比べるのではなく、自分のベストを尽くす。それを思いっきり楽しめるのがストロングガールズの最大の魅力だと考えています。

野村優/のむら・ゆう
2000年生まれ。パワーリフティングとはまったく関係のない業界でフルタイムの会社員として働く。日本記録を23個持ち、BIG3トータル500kgを記録する日本で一番強い女の子。河西さんから見た野村さんは「ちょっと天然なパワフルのむちゃん」

河西香南/かさい・かなん
1996年生まれ。『株式会社バーベルラジオ』を設立し、横須賀でジムを運営。会社のブランドとしてストロングガールズを開催するほか、パワーリフティングの実況を担当したり、選手の育成なども行う。野村さんから見た河西さんは「とにかく明るい河西」

ストロングなガールズたちのオフショット

出場メンバーが教えてくれた
大会へのトレーニングストーリー

「トータル350kgを記録」藤原彩香さん(29)

もともとBIG3を主軸にトレーニングを行ってきましたが、今大会への挑戦に向けて高重量・低回数でのトレーニングの割合が増加。さらに、身体の連動性を意識して挙上するようになりました。

「最年少!キュートで強い女の子」山本美彩希ちゃん(11)

パワーリフティングをしているお父さんのデッドリフト練習を見て「私も挙げてみたい」とやってみたら楽しくて。週に3回、BIG3をひたすら練習しました。いつか公式戦でメダルを獲りたいです!

「今大会のMVP」森由美さん(55)

47歳から筋トレを始め、YouTubeでBIG3の存在を知ってパワーリフティングの世界に。今は週5でBIG3をメインにしつつ補助種目も行っています。年齢も考慮し、まずは怪我をしない!のがテーマです。

「会社員&YouTuber」おしりちゃん(28)

トレーニング歴はあれどBIG3は初めてです。スクワット以外、最初はバーベルのみからのスタートでした。重量を伸ばすためのトレーニングは新しい刺激となって、自分に自信も持たせてくれました。

「還暦超えのパワーリフター」野口万里さん(61)

BIG3との出会いはダイエット指導でした。やればやるだけ記録が伸び、公式大会・国際大会にも挑戦。トレーニングは週4日、オンラインでコーチングを受けています。

「拒食症を乗り越えパワーを楽しむ」速石真帆さん(26)

20代前半に拒食症になってしまったのですが、筋トレに出合って少しずつ「食べても大丈夫」と思える心になってきました。体幹を鍛えるための自重トレから始めて、今では週5~6でトレーニングしています。

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取材・文:小笠拡子 撮影:岡暁 Web構成:中村聡美

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佐藤奈々子選手
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