ヨガ

日本人の睡眠は短すぎ!アーユルヴェーダで分かるタイプ別の疲労緩和術

近年、食事や運動による健康法だけでなく、「休養」の重要性も注目されているが、それでも日本人の平均睡眠時間は6.56時間と、調査した13の国の中で最下位となっている(レスメド 世界睡眠調査2025より)。休養の必要性を感じていても、「毎日忙しくてなかなか休めない」そんな人に試してほしいのがアーユルヴェーダの体質別ケアだ。

体質で変わる睡眠タイプ

人によって「短時間でも元気な人」と「長く寝ないとツライ人」がいるのは、体質の違いにある。体質によってエネルギーの消費量や回復方法が違うのだ。何を食べるかより、どうやって食べるか、どのくらい長く寝るかより深く寝るか、アーユルヴェーダでは「質」を重要視する。アーユルヴェーダを活かせば、小さな意識の積み重ねで心と身体に元気を取り戻すことができる。

アーユルヴェーダとは?アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは約5000年前にインドで生まれた伝統医学。宇宙を構成する5つの元素(地、水、火、風、空)が人間の身体や心にも影響を与え、これらのバランスを整えることで健康を維持できると考える。
5つの元素
空 空間、無限の可能性
風 動きを生み出す力
火 変換の力
水 流動性持つ変化の力
土 土台を築く働きを持つ

ドーシャ(体質)
5つの元素の組み合わせによって、ヴァータ、ピッタ、カパと3つのタイプに分けたもの。環境などによってどれが乱れやすいか、不調が出やすいのかを表す。肉体だけでなく、思考や性格の傾向もドーシャによって左右される。
ヴァータ=風・空
ピッタ=火・水
カパ=土・水
※ドーシャ:増えやすいもの(サンスクリット語)

あなたの今の体質はどのタイプ?

※生まれ持った本来の体質ではなく、「今」の体質

 ヴァータ(風) → 神経が敏感で眠りが浅い。睡眠時間も短くなりやすい。

 ピッタ(火) → 活動的で短い睡眠でも大丈夫だが、ストレスが多いと寝つきが悪くなる。

 カパ(水) → 眠りが深く長めの睡眠が必要。寝すぎると身体が重くなりやすい。

▶︎生まれつきの体質 チェックシート

▶︎3つの体質の特徴

朝・昼・夜/体質別リラックス習慣

朝|太陽とともに活動を始める

忙しい朝こそ、深呼吸。ゆっくり吐いて、ゆっくり吸う。これだけでも心が落ち着く(ヴァータ体質)。

朝にイライラしやすい人は、軽いストレッチや瞑想で心を落ち着かせる(ピッタ体質)。

朝、なかなか起きられないときは、カーテンを開けて日光を浴びてみる。体内時計が整うと、スムーズに動き出せる(カパ体質)。

昼|エネルギーを整える休憩法

休憩:朝にエネルギーを使いすぎて午後に疲れてしまう人は、5分でも良いので瞑想したり、ぼーっとタイムを作ってみよう(ヴァータ体質)。

食事:10時〜14時は消化力が高まる時間(ピッタの時間)。空腹で一気に食べすぎたり、脂っこいものを食べすぎないように注意して(ピッタ体質)。

運動:デスクワークの人やのんびりな朝を過ごした人は、ストレッチや軽い散歩を(カパ体質)。

夜|身体を緩めてぐっすり眠る準備

温かい飲み物を飲む:白湯やハーブティーで副交感神経を働かせる。(※カパは飲みすぎ注意!)

マッサージ:疲れた部分を優しくマッサージする。セサミオイル、太白ごま油は身体を温めて筋肉の張りを和らげる(ヴァータ体質に)。ココナッツオイルは、身体を冷やし炎症を鎮める(ピッタ体質に)。ブラフミーオイルはストレスの緩和や不眠の改善におすすめ(ヴァータ、ピッタ体質)

瞑想:夜は腹式呼吸を行う。ゆっくりとじっくり心を落ち着かせるように。

カパ体質の人は基本的に寝るのが得意。むしろ寝すぎることで逆にだるさが残り、起きるのが苦手なので朝と昼の行動がとても大事。

まとめ|睡眠の質を変えれば、毎日がもっと快適に!

私自身、朝の過ごし方が一日の中で特に重要だと実感している。スッキリ起きられなかった日は、動きがノロノロとなかなか物事も進みにくいが、スッキリ起きられる習慣を身につけると、1日の流れ、1週間の流れ、1カ月、1年......と物事の流れがスムーズに進み、身体の変化も変わってくる。自分の体質に合った癒しの方法を見つけるには、実際に試してみるしかないが、すべて完璧にしようとするのではなく、「これならできそう!」と思うものをまずは一つ、試してみよう。

執筆:松本実奈美(まつもと・みなみ)

元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了

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