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米フィットネス誌が解説! バルクアップと疲労管理に役立つプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)とは

タンパク質は体内でアミノ酸に分解され吸収される。そのタンパク質を分解するプロセスにおいて重要な役割を果たしているのがプロテアーゼという分解酵素だ。

そこで本記事では、米フィットネス誌で紹介されたプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の基礎知識と、海外で注目されている関連トピックの動向についてわかりやすく解説する。

(IRONMAN2026年7月号「from IRONMAN USA」より転載)

 

プロテアーゼとは

疲労回復の効率を高めるとされるサプリメントにはさまざまなものが市場に出回っているが、今回紹介したいのはプロテアーゼだ。

プロテアーゼは、タンパク質を分解する酵素の総称で、タンパク質を構成するアミノ酸同士をつなぐ「ペプチド結合」を切断する働きを持つ。胃の中で働くペプシン、膵臓で分泌される膵液に含まれ、小腸へと分泌されて働くトリプシンやキモトリプシンなどは、その代表格である。

また、プロテアーゼは生体内において不要になったタンパク質を分解したり、異常タンパク質を除去したりする役割もあり、細胞内の品質を管理している。そのため、食事やサプリメントなどから経口摂取するプロテアーゼも、日々の健康維持をサポートする成分として注目されている。

さらに、血液凝固、免疫反応、ホルモン活性、細胞死(アポトーシス)などにも体内のプロテアーゼは作用しているといわれている。加えて、タンパク質を分解するだけでなく、炎症反応のコントロールに関わっている可能性があるとされ、この働きが運動後のコンディショニングサポートにもつながると考えられている。

タンパク質を分解する酵素であるプロテアーゼ

プロテアーゼは、すでに私たちの生活領域で広く活用されている。例えば、サプリメント成分として知られるブロメライン(パイナップル由来)やパパイン(パパイヤ由来)もプロテアーゼだ。また、プロテアーゼの一つであるブロメラインなどの植物由来酵素には、医療現場で研究や活用がされてきたという歴史もあるのだ。

 

筋ダメージの回復効果

過去に行われた実験を一つ紹介しておきたい。

実験期間:21日間
グループ分け:「セルロースのプラセボを摂取する群」と「プロテアーゼのサプリメントを1日5.83g摂取する群」に分けられた。
実験方法と考察:被験者の筋力評価にはバイオデックス装置(スポーツ医学やリハビリ現場で用いられる高精度な等速性筋力評価運動装置)が用いられ、大腿四頭筋のアイソキネティック(等速性)伸展と屈曲動作によって筋力が精密に測定された。
その後、被験者は45分間の下り坂ランニングを実施した。下り坂ランニングは、エキセントリック収縮(伸張性収縮:トレーニング愛好者が俗に言う「ネガティブ」の動き)をもたらす動作であり、とても高強度な刺激を対象筋にもたらすことが知られている。これを45分も行えば、対象筋である大腿四頭筋の筋線維は傷つき、遅発性筋肉痛(DOMS)が引き起こされる。
実験結果:実験の結果、プロテアーゼサプリメントを摂取したグループは、下り坂ランニング後の筋出力低下が穏やかであったというデータが観察された。研究者らは、プロテアーゼを補給することで白血球の活動と炎症反応のマネジメントがサポートされ、エキセントリック収縮後の一時的な筋力低下に好影響を与えた可能性が示唆されたのではないかと分析している。
この実験結果から、運動による筋ダメージ後の回復過程において、プロテアーゼがコンディショニングに有益に働く可能性があることがうかがえる。

サプリメントの活用方法

基本的には製品ラベルの指示に従うべきで、持病を持つ人などは医師のアドバイスを聞いてから摂取すべきだが、ブロメラインやパパイン酵素を含むサプリメントを利用するなら、一般的には数週間の継続摂取が推奨されている。前述した実験においても、21日間の摂取期間が設けられていたように、少なくとも3週間は続けて取るようにした方がいいだろう。

また、プロテアーゼサプリメントを、ワークアウト後のプロテインシェイクと組み合わせれば、プロテイン(タンパク質)の効率的な補給や、運動後のリカバリー・コンディショニングをサポートする効果を期待できる。これらのことは、効率的な身体づくりや日々のトレーニングパフォーマンスの維持に欠かせない要素でもある。

 

適切な回復管理に役立つプロテアーゼサプリメント

筋肥大は、刺激と回復の繰り返しによって起こる適応現象だ。ボディビルダーが行うトレーニングは、筋肉を刺激してダメージを与え疲労をもたらすものだが、そのダメージを修復し、疲労を回復させることで筋肉はより強くなり、より太く発達することができる。つまり、筋肉のダメージに伴って起こる炎症は決して有害なものではないのだ。

ただし、この炎症が過度に長引けば、次回のワークアウトの質を低下させる要因になるのは間違いない。

植物由来のプロテアーゼは熱に弱い性質を持つため、加熱調理された食事よりもサプリメントでの補給が効率的だ。プロテアーゼの補給によって運動後のコンディショニングを適切に整え、日々のパフォーマンス低下を穏やかにすることができれば、トレーニング量や頻度を維持しやすくなる。そして、それが結果的に、筋肉のタンパク質合成に有利な環境を整え、継続的な筋発達を支えてくれるはずだ。

重要なことは、炎症を完全に抑え込むことではなく、過剰な反応をコントロールすること。適切な回復管理こそが、長期的な筋肥大を実現する鍵となるのである。

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