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米フィットネス誌が「炭水化物は無理に制限するのではなく使いこなせ!」と提唱する理由

糖質制限ダイエットのブームによって、炭水化物=悪者といったイメージを抱く人も少なくない。しかし、炭水化物は私たちが生きていく上で欠かせない主要な栄養素の1つであり、日々の生活や運動のエネルギー源だ。重要なのは、炭水化物を単に極端に制限することではなく、上手に管理して適切な量を摂取する術を身に付けることだ。

そこで、本稿では米フィットネス誌がまとめた「炭水化物を使いこなす」ヒントをわかりやすく解説する。

(IRONMAN2026年8月号「from IRONMAN USA」より転載)

個人差を理解する

 

多くのアスリートは減量期において、まず炭水化物の摂取量を制限する。カロリー制限の一環としては自然な判断だが、この極端な炭水化物の制限こそが、「減量の苦しさ」や「減量の失敗」を招く大きな原因の一つになっていることが多い。また、同じ指導者、同じメニューで減量食を開始しても炭水化物を「摂取しても問題ない人」と「摂取するとコンディションを崩しやすい人」がおり、代謝には個人差がある。

このように、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の中で、炭水化物の摂取量は個人によって最も変動が大きく、調整の幅が広いということは、減量を始める際に理解しておきたいポイントだ。炭水化物の摂取量は遺伝的要因、運動におけるエネルギー系のタイプ、体格、運動環境(気温や湿度など)によるエネルギー消費量の変化など多くの要素に左右されているのだ。

さらに、筋量によっても筋中に貯蔵できるグリコーゲンの量は異なるし、インスリンの感受性も影響してくる。これらの個人差による炭水化物の摂取量を決める要因は、総合すると「代謝」であると言えるのである。

 

代謝は加齢とともに低下する

一般的に、ヒトの代謝率は加齢とともに低下する。これは、1日に消費するカロリー量と、身体が消費できるカロリー量が、年を重ねるごとに低下していくからだ。若い頃と同じカロリー量、炭水化物量を取り続ければ、多くの場合、中高年になるにつれて肥満になるのは、自然の摂理なのである。

では、加齢とともに炭水化物や摂取カロリーを減らす必要があるかと言うと、必ずしもそうとは言い切れない。ここで重要になってくるのは運動と食事内容について長期計画を立て、忠実にそれをこなしていくことだ。

そうすることで、歳を重ねても高い代謝率を維持しながら身体づくりに励むことも可能だ。つまり、しっかり戦略を立てて炭水化物を処理できる身体をつくることで、太りにくい体質を維持することができ、同時に回復の早いコンディションを再構築することができるのだ。

一般的に、ヒトの代謝率は加齢とともに低下する。これは、1日に消費するカロリー量と、身体が消費できるカロリー量が、年を重ねるごとに低下していくからだ。若い頃と同じカロリー量、炭水化物量を取り続ければ、多くの場合、中高年になるにつれて肥満になるのは、自然の摂理なのである。

では、加齢とともに炭水化物や摂取カロリーを減らす必要があるかと言うと、必ずしもそうとは言い切れない。ここで重要になってくるのは運動と食事内容について長期計画を立て、忠実にそれをこなしていくことだ。そうすることで、歳を重ねても高い代謝率を維持しながら身体づくりに励むことも可能だ。

つまり、しっかり戦略を立てて炭水化物を処理できる身体をつくることで、太りにくい体質を維持することができ、同時に回復の早いコンディションを再構築することができるのだ。

 

成功と失敗を分けるのは「調整の精度」

ここで性別、年齢、生活環境、トレーニング歴が全く異なる 2 人の話を紹介しよう。

 

失敗例

個人データ:筋量もあるが体脂肪が多く、全体的な見た目はぽっちゃりとした典型的な内胚葉型(筋肉も皮下脂肪もつきやすいタイプ)の男性。
実行されたプラン:炭水化物の総摂取量を1日175g から開始し、徐々に減らしていくという計画。
結果:減量計画の開始時点で代謝機能が低下しており、タンパク質と脂質の量は管理されてはいたが、炭水化物とは異なり摂取量を徐々に減らすことはなかった。このケースでは、スタート時の炭水化物量に対して、脂質などの他栄養素も含めた総カロリーが過剰であったため、結果的に体重を増やすことになってしまった。

成功例

個人データ:コーチの指導の下で2年以上にわたってトレーニングを継続してきた女性。
実行されたプラン:絞れたコンディションをつくるために摂取カロリーを一度大幅に落として一度絞り切る。その後、炭水化物量を増やしながら代謝を維持しながらコンディションをつくる。
結果:コンテスト出場に向けた減量の後、彼女は大会終了に向けて時間をかけて摂取カロリーと炭水化物の量を緩やかに増やしていったため、代謝率が減量開始時より高まり、体脂肪を減らしながら筋量を増やしていくことができる体質を得たのだ。そして最終的に、1日250gまで炭水化物の摂取量を増やしながら、オフシーズンでも安定したコンディションを維持することができるようになった。コンテスト期のベースライン時も、炭水化物摂取量が125gを下回ることはなかった。つまり、高い代謝率を保てる身体がつくられたということになる。

 

調整は少しずつが鉄則

どうして女性のケースでは理想的な代謝率を長期的に得ることができたのに、男性は失敗したのか。もちろん、遺伝的な要因ではないし、性別、年齢、生活環境によるものでもないだろう。理由は、細部まで考慮された計画がその人の体質改善に役立ったからだと思われる。

綿密な計画を立てたところで、体質改善などできるはずがないと思う人もいるだろう。あるいは、体質改善をしても、自然の摂理を変えることなどできないと最初から諦めてしまう人もいるはずだ。

しかし、そんなことはない。例えば、ひとたび減量を行って体脂肪を減らしたら、そこからは毎週5~15gずつ炭水化物を増やし、コンディションがどう変わっていくかをモニターしていく。もし、体脂肪の増加が顕著に見られるなら、炭水化物の増量分を減らして再度コンディションをモニターしてみる。

また、有酸素運動の実施時間を減らしていくことも有用な手段だろう。隔週で有酸素運動の時間を5~10分ずつ減らしていき、コンディションをチェックしながら進めていく。このように実施と観察を繰り返しながら、炭水化物の上限を見極めていくのだ。

 

編集注

リバースダイエットとは?

本文の成功例で紹介されているアプローチは、近年フィットネス界で注目されている「リバース・ダイエット(Reverse Dieting)」と呼ばれる手法で、長期間の減量によって省エネモード(代謝低下)になった身体に対し、毎週5~15gといった極小量の炭水化物を段階的に足していくことで、脂肪の蓄積を最小限に抑えながら、代謝機能だけを元の高い水準へと「リブート(再起動)」させる戦略的な食事管理法である。

 

炭水化物を使いこなせる身体をつくる

炭水化物を「食べられる人」と「太る人」の差は、正確に言うと「代謝の柔軟性(メタボリック・フレキシビリティ)」の差である。これは以下のようなポイントを押さえることで、後天的に伸ばすことができる能力だ。

 

ポイント

・筋量を増やす:筋肉はグリコーゲンの貯蔵庫であり、バルク(筋量)が大きければ大きいほど、より多くの炭水化物を処理することができる。
・高強度トレーニングの実施:強度の高い運動は、糖の取り込み能力の向上に役立つ。
・段階的な炭水化物の増量:減量後、ゆっくりと段階的に炭水化物の摂取量を増やしていくことで、摂取した炭水化物の処理が追いつかずに体脂肪として貯蔵される状態を回避し、炭水化物処理に適応した身体を再構築することができる。
・活動量を維持する:活動量を維持する:1日の活動量が低下しがちなコンテストや競技の終了後も、できるだけ意識して活動量を維持することで、身体は常にエネルギーを燃焼し、代謝の高い状態を維持することができる。

 

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佐藤奈々子選手
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