冬はどうしても身体を崩しやすい季節。さらにコロナ禍ということで、体調の変化にも敏感に。冬本番を迎える前に、免疫力を落とさないためにはどうすればいいか?これをさまざまな側面から桑原先生に解説してもらいました。免疫力アップの秘訣を3回に分けてお届け! 第1回、第2回で、免疫力を上げるには、まずは運動と睡眠を見直すこと、そして三大栄養素のバランスを考えて、偏食をしないことが大切だと分かりました。さらにその上で具体的な免疫力アップにつながる栄養素を積極的に摂ることを意識しておくことが大切だとお伝えしましたが、栄養素とは別の観点から免疫力アップを考えた場合、腸内環境を整えることが重要です。今回は「腸内環境を整える栄養素」について解説していきます。
腸内環境を整える栄養素
食べ物の栄養素はそのほとんどが小腸から吸収されて体内に取り込まれます。従って腸内環境が悪い人は、食べたものの吸収効率が落ちてしまうのです。また食べたものだけでなく、細菌も小腸から体内に入ってきます。腸内環境が悪く、特に小腸に元気がないということは、栄養の吸収効率が落ちるだけでなく、細菌などが侵入しやすくなることでもあります。
私たちは簡単に細菌が体内に侵入しないように、身体のさまざまな箇所で予防線を張っています。その代表が扁桃腺やリンパ節なのですが、腸にもパイエル板という呼ばれる大きなリンパ節が存在します。このパイエル板を元気にするものが善玉菌の代表でもある乳酸菌なのです。例えば、ヨーグルトなどで乳酸菌を摂ることは腸内環境を整えて、パイエル板を元気にすることでもあり、ひいては、免疫力を上げることに繋がります。
また、乳酸菌以外でも発酵食品は腸に良い影響を及ぼすので、乳酸菌とともに意識して摂ると良いでしょう。先ほど名前を挙げた納豆は大豆イソフラボンが含まれる上に発酵食品でもあるので、食事メニューに納豆をワンパック追加追加してみてはいかがでしょうか。
グルタミン
小腸が唯一エネルギーにできるのが、グルタミンです。つまり、グルタミンが不足するということは、小腸のエネルギーが不足するということでもあります。グルタミンは一般的に多くのタンパク質の食材に含まれていて、体内でも合成して作ることができるものです。しかしグルタミンは消費される量も多いので、食事や体内の合成だけで足りない場合はサプリメントという形で補うのが良いでしょう。
体内で免疫力をつかさどるものは「白血球」
白血球の中で、リンパ球のB細胞というものが菌への抗体を作る役割を担っています。そしてこのB細胞の約8割は腸管に集結しています。このことからも、腸がいかに免疫力と密接に関係しているものかが分かってもらえるでしょう。
腸内環境を整えて腸の動きを良くすること。これが免疫力を上げることに直結しています。
取材/文 Woman’sSHAPE編集部 イラスト 小泉純子
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