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20歳過ぎたら減少。疲労回復に効く栄養素【呼吸で細胞を元気に③】

どこか調子が悪いなと感じたとき、たくさん栄養素を摂ってみたり、いろんなコンディショニング法を試してみたりしますが、根本をたどっていくと、意外にも呼吸という要素に問題があるという話をしました。(『呼吸で細胞を元気に①』)そして『呼吸で細胞を元気に②』(関連記事添付)では、呼吸力を上げる=赤血球の質を上げる栄養素についてサプリメントマスターの桑原先生が教えてくれました。今回は、そういった栄養素に加えて、さらにパフォーマンスを上げるためにプラスアルファでするべきことについて解説します。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

赤血球の質を上げる+αですべきこと

電子伝達系を元気にする

『呼吸で細胞を元気に①』でお話ししたように、呼吸によって届けられた酸素が電子伝達系で電子と反応してエネルギーが作られます。つまり、酸素が運ばれる先の電子伝達系を元気にすることが、パフォーマンスアップに繋がります。これには、還元型のコエンザイムQ10が効果的です。コエンザイムQ10という名称は女性には馴染みがあるかもしれませんが、コエンザイムQ10は簡単に言うと、電子伝達系というエネルギーを作り出す最終工程での電子運び役です。コエンザイムQ10が足りていれば、十分に電子を運ぶことができるのですが、足りていないと電子が運ばれにくくなってしまいます。

コエンザイムQ10を含む食べ物は?

本来、コエンザイムQ10は身体の中で作る成分で、逆に外から摂ることが難しい栄養素でもあります。コエンザイムQ10がたくさん含まれる食べ物として、イワシがあるのですが、そのイワシでも100gあたりで5㎎程度しか入っていません。ちなみにコエンザイムQ10は、毎日100㎎摂るといいと言われているので、食事だけで100㎎摂ることは現実的ではありません。

エネルギーを作り出す能力は20歳過ぎから落ちる

それだけ外部で摂ることが難しい栄養素だからこそ体内で作られるようにできているのですが、コエンザイムQ10を作り出す合成能力は、20歳過ぎから落ちると言われています。つまり、エネルギーを作り出す能力は20歳を過ぎたら下降するもので、それは私たちにとって大きなハードルとなるのです。
さらに詳しく分類すると、コエンザイムQ10には酸化型と還元型の2種類があります。体内では還元型として使われるので、酸化型のコエンザイムQ10は一度体内で還元型に変わらなければいけません。しかし残念ながら酸化型を還元型に変える能力も年齢と共に衰えていき、また酸化型が還元型に変わるときに活性酸素が生まれるというデメリットもあります。年齢的に疲れを感じるような場合や、ランナーのように大量に酸素を使う人は還元型のコエンザイムQ10がオススメです。

日頃からトレーニングに励んでいる方も、まずは呼吸力を意識してみてください。呼吸力が上がると、今まで以上にエネルギーを作ることができます。すなわち今までと同じ運動量でも疲労が残らなくなり、さらに意識を高く持てば今まで以上にトレーニングの量を増やすことも可能です。私たちの身体は、60兆個の細胞からできていて、突き詰めていけばその一つひとつをいかに活性化させていけるか、という話にも繋がります。それが呼吸なのかもしれません。


文 Woman’sSHAPE編集部

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佐藤奈々子選手
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