生涯フィットネスという考え方がある。日本でも単に長生きするだけでなく、健康な状態で長生きをするという「健康寿命」をいかに伸ばしていくかということの重要性が語られることも増えた。そして、健康であることは身体の健康だけでなく、心の健康も重要となる。「生きがい」も心の健康を保つ上で重要なファクターだ。
ボディビル競技を実践してきたものが、高齢者になっていく中で70歳でもステージに立つという目標をもって生きることも価値のあることだろう。そこで、本記事では「食材選びで競技人生はもっと伸びる」をコンセプトに米フィットネス誌が伝えるエイジングにも向き合った食材選びについて詳しく解説する。
(IRONMAN2026年1月号「from IRONMAN USA」より転載)
人生100年時代、どう生きる?

日々のトレーニングや食事が身体をつくるのは事実だが、その適応反応には個人差がある。たとえ同じ条件で鍛え上げたとしても、同じ結果が得られるとは限らない。だからこそ、ナチュラルで頂点を目指す選手は自分に厳しい。
さて、これを読んでいるあなたが望むのは下の3つのうち、どれだろうか。
理想の生き方は?
1.「短命でも最高の身体を手に入れる」
2.「寝たきりでもとにかく長生きする」
3.「やりたいことをしながら元気に長生きする」
どれが正解ということではない。若い世代の中には、究極の身体を追求し、過酷な減量や薬物使用を行う人がいるかもしれない。だが、大半の目標は異なるはずだ。65歳や75歳でも「年齢より若い身体」と言われたいだろう。そしてそれは実現可能だ。
これは科学的にも裏付けられている。研究によれば、筋肉量、握力、インスリン感受性は長寿の直接的な予測因子であり、健康な高齢者のデータは一般層より明らかに「若い」。特に、「筋肉こそが長寿の臓器である」と呼ばれている。
ナチュラルアスリートお勧めの食材、栄養素
【ロイシン豊富なタンパク質食材】

筋肥大が目的ならば、ロイシンの含有量が多いタンパク質を優先しよう。例えば、卵、牛肉、鶏肉、ホエイなどはロイシンが豊富だ。4~6時間おきに食事を取り、1回あたり30~40gのタンパク質を確保する。
また、就寝前にカゼインプロテインを摂取すれば、睡眠中の血中アミノ酸濃度を維持し、カタボリックを防ぐことができる。
【オメガ3とポリフェノールを確保できる食材】

高強度トレーニングは筋肉を傷つけ、炎症を引き起こす。炎症を放置すれば、関節や腱、靭帯の損傷リスクを高め、筋肥大を阻害するのみならず、老化をも早めてしまう。
抗炎症と回復の促進に有効なのが、脂の乗ったサーモン、亜麻仁油、ブルーベリー、EVオリーブオイル、クルクミン、サワーチェリーだ。これらの食材は炎症指標であるC 反応性タンパク質を低下させ、脳の健康やインスリン感受性を改善する。
【燃料となる炭水化物】

減量の際は、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることが一般的だ。しかし、減量期の食事は疲労回復を遅らせ、ホルモンバランスを崩し、甲状腺機能を低下させて代謝機能に悪影響が出るリスクが高まる。
特にナチュラルアスリートの場合、摂取カロリーを減らすことだけに注力せず、食事の質やタイミングに細心の注意を払うべきだ。
【ミネラルと睡眠】

体内ホルモンの管理は、身体づくりに大きく影響する。テストステロン、成長ホルモン、インスリンなどの筋肉を作る反応を促すアナボリックホルモンの他、代謝に関わる甲状腺ホルモンや、筋分解を招くコルチゾールなども食事の影響を受ける。
特に亜鉛、マグネシウム、セレン、ビタミンB群はその効果が実証されているため、欠かさず摂取したい。加えて、1日7~9時間の良質な睡眠を確保することで疲労回復も促そう。
【70歳でも勝負できる身体を目指そう】
70歳になっても現役のボディビルダーやフィジークアスリートとして活躍したいなら、「テストステロン値の維持」、「血糖値の安定」を意識することが非常に重要だ。これらが機能していれば、関節に痛みを抱えることなくトレーニングを続けられるはずだ。
腸内環境の正常化や、細胞内のミトコンドリアの機能低下を防ぐことも長期的に役立つ。
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