群馬県の赤岩山・光恩寺で行われた「千代田町インドフェスタ」。大人気のカレーや大道芸、インド雑貨などで境内は大賑わい。



一方、ろうそくの香りが漂う静かな本堂では、インドヨガ講師・Honokaさんによる「整えるヨガ」と「ラージャヨガ」が開かれた。
インドヨガとは?
レッスンの始まりに、Honokaさんはインドヨガについて語った。
「インドのヨガでは、心とどう向き合うかがとても大切だと師匠から教わりました。自分の心の声と本来の自分は別のものとして捉え、その違いを自分で感じ取れるようになることを大事にしています。ヨガをすることで少しずつ身体の奥で輝いている本来の自分”魂の存在”を感じられるようになります」
Honokaさんの話す「心の声」というのは、いつも頭の中で話している、決めつけている評価や比較からくる感情で、波が立つ海面に揺られている。しかし、「本来の自分」は深い海の底にいて、静かにそれらをただ見つめているのである。
ラージャヨガ(王のヨガ)
「ラージャヨガ」は、数あるヨガの中でも最も古い歴史を持ち、本来の「自分」とのつながり整えることを目的とした、本質的で深い伝統的古典インドヨガ。 アーサナの他に呼吸法やマントラ、瞑想を中心に実践される。 はじめに静かに目を閉じ、今の呼吸の質(息の深さや心地よさ)を観察する。
「ゆっくりと目を閉じて、今日この瞬間の身体へ、そっと意識を向けていきましょう」
Honokaさんの声に導かれ、「AUM(オウム)」のマントラが静かに本堂に響いた。5000年以上も前から伝わる「A・U・M」という3つの音は、宇宙の始まり、維持、終わり、すべての循環を表す。その響きは身体の奥深く、細胞の一つひとつに届くように広がっていった。
腹式呼吸でアトピーを治した
「私たちは普段、肺を使った“胸式呼吸”が中心になっています。 反対に、体をゆるめたいときには自然と“腹式呼吸”へ切り替わります。
しかし、現代は情報化が進み、微細な変化を受け取りやすくなっているため、心のスイッチを切り替えにくくなっているとも考えられます。 心と呼吸はつながっているので、意識的に腹式呼吸をすることで、身体と心の健康を保つことができます」
もともとアトピー肌だったというHonokaさん。インドヨガを続けていったら治ったと話していた。
“本当のヨガ”に触れて
平和を願う、祈りの言葉で締めくくられた。 ヨガはただの運動ではない。 体を通して心をほどき、内側で眠っている本来の自分を見つめる時間。 Honokaさんの心のこもった言葉や所作一つひとつには意味があり、その思いがしっかりと丁寧に伝わってきて、クラスが終わったあとには心の余白、柔らかさ、軽さ、そういったものを感じられた。“本当のヨガ”に触れたい人にこそ、体験してほしい。
インドヨガ講師・Honokaさん
instagram:@hono_yoga
学生時代に出会ったインドヨガに深く感銘を受け、現在も学びを重ねながら実践と指導を行っている。 ヨガの叡智から得た気づきや魅力を、自身の経験を通して発信している。
全米ヨガアライアンス RYT500取得
ヨガマスターティーチャー(インド政府認定校RYT500)
執筆:松本実奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了















