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6.13RIZIN直前!井上直樹×志朗クロストーク バンタム級もうひとりの優勝候補と国内トップレベルのテクニシャン

──アドバイスはMMAを意識した打撃になりますか?
志朗 そこは意識しないでそのままのアドバイスになりますね。UFCの選手は普通にボクシングのジムに行き、ボクシングの練習をしていますよね。だからうちでも、キックではこういう技がありますと教えています。
──こちらで教わったことをソニックスクワッドに持ち帰って試すこともありますか?
井上 そうですね。スパーで使える技を使っています。周りは特に何も言わないのですが、自分の中で納得できているものがあり、成長も感じています。コロナが収束したらアメリカに戻って、自分のジムのセラ・ロンゴ・ファイトチームの練習でよくスパーをするアルジャメイン・スターリング(=現UFC世界バンタム級王者)を相手に今の自分がどこまで通用するのかを試してみたいですね。日本に来る前と今の自分は全然違うので、同じ相手とやることで成長も感じられるじゃないですか。
──志朗選手もコロナが収まれば、主戦場としていたタイに戻って修行を続けたいと思いますか?
志朗 どうなんでしょうね。今の日本の格闘技業界は流れがいいので流れに身を任せます(笑)。那須川天心と武尊がやったらどうなるか。それをやってこのまま格闘技は人気を保てるのか、一気に人気が落ちるのか、状況を見て考えます。
──ちなみに今、志朗選手はRISEに参戦中でムエタイとはかけ離れたルールになりますが、タイで試合をしたいと思うことはありますか?
志朗 やはりタイでやっていくにはそのルールに戻すためにも修正の時間がかかりますよね。首相撲なんて今は週に1回もやっていませんから。
──えっ!? 小さい頃からタイを主戦場にしてきたあの志朗選手が首相撲から離れていると!?
志朗 そうですね(笑)。その変わり、パンチの練習をするためにボクシングジムに行くようにしています。

井上直樹×志朗

──MMAでも使えるムエタイの崩しの技術とかを学ぼうと、お互いに組んでの練習はします?
志朗 僕ら二人とも打撃中心の練習の方がいいかなと思っているので、そこもやっていないです。
井上 組みはソニックスクワッドでやっているので、僕自身もここでは打撃メインでやりたいです。
──井上選手はRIZINバンタム級トーナメント出場が決まり、一回戦で石渡伸太郎選手との対戦が決まりました。抽選会ではその石渡選手、扇久保博正選手、倉本一真選手の3選手の対戦枠が選べる中で、なぜ石渡選手を選んだのでしょう。
井上 全然楽な相手じゃないですし、舐めてはいないですけど、本当に強い選手とやっていきたいと思っていました。
志朗 あのメンバーの中で一番強いのは石渡選手ということですか?
井上 一番強いというよりもやりたくない相手ですね。今回が一回戦のみで、次の大会で準決勝、決勝戦の2試合あるので、完全な状態で先にやっておきたいと思い、石渡選手を選ばさせていただきました。
──お姉さんの魅津希選手からは石渡戦に向けて具体的なアドバイスはありました?
井上 RIZIN初戦で対戦したトレント・ガーダム選手が石渡選手と同じサウスポーだったので「対サウスポーに関して苦手な部分が出ているから、ちゃんと映像を見返した方がいいよ」とは言われたのでそこを修正しています。
──志朗選手は対戦相手の分析もしますか?
志朗 僕は石渡選手と堀口(恭司)選手との試合映像は見ました。出場メンバーを見ても全然、井上君が優勝できると思いますよ。一回戦で朝倉海選手との試合が見たかったですね。全然、行けると思うので。井上君の打撃のレベルは飛び抜けています。
──朝倉選手といえば、前戦で堀口恭司選手のカーフックが致命傷となりKO負けでした。カーフキック対策もされているのでしょうか。
志朗 MMAの選手はみんな足が内側に向いているからカーフを効かされやすいんです。自分が教えているのは、カーフが来る前に足を上げてカットしたり、これが来る前にどうすべきかを考えています。みんな流行に乗って何も考えないでカーフを出してますよね。効かせられるかもしれませんが、その分相手との距離が近くなるのでパンチをもらうリスクが上がります。
井上 自分はUFC2戦目の時(2018年6月23日)に、堀口選手と同じATTのマット・シュネル選手にカーフでやられて、その試合後から結構対策しているので、誰がやってきても問題ないと思います。
──あと、パンチに定評のある朝倉選手の打撃をどう見ます?
志朗 効かせるパンチを打っていて、以前よりもだいぶ距離が近くなってきている印象があります。あのメンバーの中では井上君は身長も高いし、リーチもあるので中に入れさせなきゃ圧勝できるかもしれないし、中に入られても組みが強い。両方の武器があるので問題はありません。
──井上選手は、試合では寝技に自信があることでいつ組まれてもいいように打撃を出されているのでしょうか。
井上 いつ組まれてもいいようにスパーでは常にそういう形になるので、試合でもそういう形になるんだと思います。志朗さんとやってきて打撃の面はちょっとずつ自信が付いてきました。でも勝負事なので何があるかはわかりませんが、全然打撃でも組みでも僕は自信があります。自分がどこまで行けるのか、自分が一番楽しみです。
──バンタム級では朝倉選手と並んで井上選手は優勝候補と言われてますが、ご自身でもその意識はありますか?
井上 僕はまだ四天王の一人と呼ばれている元谷(友貴)選手に勝ったぐらいなので、まだこれからじゃないですか。僕はRIZINの舞台では1R一本勝ちが続いていて、まだ僕の戦いの全てを見せていない分、僕自身でも楽しみな部分はあります。
志朗 RIZINバンタム級トーナメント開催前にこういうことは失礼ですが、トーナメントで優勝してもらってUFCにまた行ってもらいたいですね。向こうでもやっていける可能性はあると僕は思っているので、日本だけで留まってもらいたくないです。
井上 日本で敵がいなくなってしまえば、やはり強い選手が集まるところに行かないと意味がないと思うので、みんな目指すのは当然の流れだと思います。

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