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朝倉未来の正体。“100の質問から見えてきた朝倉未来の素顔とは?”[ロングインタビュー再録]

「年収3千万以上で欲望は頭打ち」たしかにそうだなと思う

──小さい頃から「いつ死んでもいい」と思っていた。その理由は「生きていることがつまらなかった」と。
朝倉 それは、やっぱり今まで言ってきたような「不満」ですよね、世の中に対する。押し付けみたいな、洗脳みたいな。勉強ができる人が偉くて、いい高校、大学に行くのが正しい、優良企業に就職するのが正しい、みたいな。「それは違うでしょ」と思っていたけど、大人はみんな「いや、そうでしょ」とか「そんなことも分からないのか」と。そういうこと全てに不満が募っていって、「これはつまらないな」と。
──こんな風に生きてもくそ面白くもねえよと。
朝倉 はい。親とかも「もっと勉強やれ」とかいろいろ言ってるけど、「いや、俺もっと稼げると思うけどな、あなたたちより」と思ってました、ずっと。頭悪いなって。
──20歳の時には1億円稼ぐ方法を考えていたそうですね。
朝倉 そう、色々あると思うんですよね。よく「格闘家になってなかったら」と聞かれるけど、なってなくても絶対に何かで成功していた自信があると答えますけどね。よく格闘家は「極道になっていたかもしれません」とか言ってますけど、俺は絶対、何かで成功していただろうなと思いますね。
──1億円を稼ぐ方法として、当時はどんなアイデアがあったんですか。
朝倉 トレーダーもなりたかったですね。才能あると思うんです、たぶん。分析力やあまり動じないところは合っていると思う。今、格闘技とYouTubeを全部リセットしたとしても、また稼げる自信はありますけど。自分の人生における手札、強みを使ってやっていけば。
──かといって「お金はいくら稼いでも安心できない」とも答えていますよね。
朝倉 安心できないというよりは、満足しないだけですね。年収3千万を超えると、それ以上どれだけ稼いでも一緒みたいな話を聞いたことがあって。僕が実際にその立場になった時に、たしかにそうだなというか。今、別に欲しい物がないんですよ。
──年収3千万円から先は欲望が頭打ちになるということ?
朝倉 そうそう、実際欲がないんですよ、今。本当に欲しいものがなくて。
──それも質問の答えにありましたね。「今、自分の成長や進化を阻む一番の誘惑は?」との質問に「満足感」と。
朝倉 今、こだわってるのは「食」ぐらい。いい物だけ食べていたい、みたいな。今は減量でそれもできないですけど(笑)。だから、どれだけ稼ぐとかじゃなく、どれだけ好きなことを続けられるかのほうが大切だと思うので、好きなことをやっててお金が入ってくればいいかなと思ってますね。
──世界的にFIRE(Financial Independ ence Retire Early)ムーブメントというのが話題になりつつあります。経済的にできるだけ早く自立して、早期リタイアしたらあとは自由に、好きなことをやって
生きようという生き方というか稼ぎ方というか。それも共感できる?
朝倉 僕の場合は違いますけどね。その稼ぐ行為、過程自体を楽しんでる。早く貯めて後から楽しむんじゃなくて、今を楽しんでる。楽しいことをやってたら勝手に(お金が)入ってくるって感じですかね。
──ただ、格闘技に関しては「30歳まで」という発言もされていますし、YouTubeにしても稼げる期間は限定はされているかもしれない。今やっていることの「期限」は、常に頭に置いている?
朝倉 たしかに、期限は考えてますね。格闘技もYouTubeももって2、3年だろうな、みたいな。格闘技に関しては、やめられなくなりそうだから、あえて区切っているという部分はある。やめられない感じでダラダラはやりたくないんですよ。けっこう格闘技も10年くらい頑張ってやってきたし、格闘技だけしかやれることがないってわけじゃないんで。他のことにもいろいろ挑戦していきたいなと。でも、続けていきますけどね、間違いなく。試合には出なくなるとしても、鍛えていたいし、試合がない時の練習は楽しいんで。
──たしかに、「一番楽しい」と答えていましたね。でも、「30歳まで」と公言しながらも、ファンがついてくるというのは面白いです。「燃え尽きるまで頑張ります」という選手のほうが応援しやすいのに。
朝倉 まあ、僕は素直なんで。全てにおいて。そのキャラクターのせいじゃないですか。「燃え尽きるまで頑張ります」なんて、嘘になるから絶対に言えないし、30でやめるという言葉に対して「それじゃノレない」というなら、応援しなくていいよっていう感じです、こっちからしたら。そういう性格なので。別に勝手にしてくれって感じですね。仕事は人生の中で重きを置くもの好きじゃないことをやるのは考えられない。
──2月のRIZIN参戦にあたって「今年は格闘技に懸ける」という発言もしています。
朝倉 「今年は2試合」と言っていたんですけど、いきなり2月、4月と出ないといけなくなった。そうなると、自分がオフになる期間が少ないじゃないですか。それはもったいないんで、練習したままの流れでもうちょっと行っちゃおうかなという感じです。
──「30歳まで」と期限を切っていることも、格闘技を集中してやる理由になっているんですか。
朝倉 いや、それは逆で、30歳までにやめるということは、また違う何か次のことに挑戦しないといけない。そういう自分への注意喚起というか。「次のことを始めないと、何もなくなっちゃうよ」と自分を追い込むためというか。

──公言することで、自分のケツを叩くじゃないけど。
朝倉 そうです、いつもそうです。
──「挑戦」という言葉が出ましたが、「今は挑戦しない人が多い」というような発言もしていますね。
朝倉 否定的な人が多いでしょ、このご時世。挑戦することに対してもそうだし、挑戦している人に対しても小馬鹿にするみたいな流れがあるじゃないですか。でも、そういう人たちには何も残っていなくて、結局挑戦した人だけ残るんですよね。成功すればですけど。僕は陰で頑張っている人を馬鹿にして、自分は何も残っていないという、そういうダサい生き方はしたくないんで、だから挑戦したいという感じですけど。
──言われてみれば、成功している人も失敗している人も、「挑戦者」という土俵には上がっている。
朝倉 そう、でもそこにすら上がってない人が多いんですよ、このご時世。
──それはSNSの反応などで感じることですか。
朝倉 いや現実で見てもそうですね。たとえば僕がYouTubeを始めようと思った時も、半数くらいの人が「遅くない?」とか「今からトップに入り込むなんて無理じゃない」みたいな人が多かった。あと、昔仲が良かった友だちと今たまにつるんでも、やっぱり満足してたりするんですよね。今の仕事は好きじゃないけど、休日に酒が飲めるし、これしかないからとか決めつけてるんですけど、「そんなことはないと思うけどな」みたいな。やめたらもっと違う世界があるけど見ようとしないみたいな、リスクを負わない人は多いですよね。
──「ギャラ交渉のコツは?」という質問に「自分が必要な存在になる」と答えていましたが、やっぱりたいていの人は今いる世界で必要とされていると思うと離れられないですよね。
朝倉 でも従業員という位置で必ずしもやらないといけないわけでもないし、自分が起業してもいいと思うし、方法はいろいろあると思うんですけどね。何だろう。真面目な人が多いんですよね。僕からしたらこの世の中。僕の方が好きなことをやってサボってるって感じ。みんな凄いなって思います。やっぱり仕事って人生の3分の1、1日8時間くらいはするじゃないですか。人生の中で重きを置くものに対して、自分が好きじゃないことをやることが、僕には考えられなかったし、今も考えられないんですよね。

人生を好転させる未来流思考とRIZINへのアドバイス

──もうすぐ初の著書が出版されますが、本の中でも今まで伺ったような生き方を語っているんですか。
朝倉 そうですね。僕はよくメンタルが強いと言われるんですけど、全然そんなことはなくて。けっこう臆病というか慎重なので、みんなもできるんですよという考え方、メンタリティについて色々書いています。僕が決して特別なわけではなく、誰でもこういう考え方をしていれば人生はいい方向へ行きますよという。
──答えの一部でもいいんですが、どういう考え方をすればいいのでしょうか。
朝倉 ちょっとした話で言えば、僕は待ち合わせで相手が遅刻してきても、全く怒ったりしないんです。イライラする人は多いけど、僕は空いている時間に調べ物ができるとか、本を読めるとか。思考がポジティブなんですよね。そういう思考にするだけでも人生が違ってくるという。そういうことです、答えは。
──その考えは昔から?
朝倉 いや、昔はイライラすることもあったんですけど、そういう考え方にしてから、いろんなことがいい方向へ変わっていったんで、そういう思考に変えていったんです。だから誰でも全然変われるよって。
──朝倉選手の思考回路を知るという意味でも興味深いですね。では、最後に格闘技について今、考えていること、やっていきたいことなどについても教えていただければと。
朝倉 そうですね。僕自身、格闘技は素晴らしいと思っているので、もっといろんな人に見てもらいたいというのがあります。会場でも見てもらいたいし、熱狂してもらいたいし、視聴率もどんどん上げて。せっかく僕が格闘技をやってるんで、凄いことをやっている人なんだと思われたいですよね。サッカー選手でもワールドカップに出ていたら凄い人だと思うじゃないですか。実際それに近い感じだと思うし、やっていることはさらに激しいというか、キツいことをやっているとも思ってるので、そんな風に格闘家に対する世間の評価を変えたいなと思います。
──その意味でも今年は重要な1年になりそうですか。

朝倉 1年のくくりではないですけど、今のまま試合でも結果を出しつつYouTubeとかもやっていきたい。今やっていることが正解だと思うんで、このままより広い層に届いていきたいです。
──今、特に届いていない層はどこでしょうね。
朝倉 女性とかは少ないなあと思いますね。だからジャニーズにオファー出したほうがいいと思います、榊原(信行CEO)さんは。女性ファンをもっと格闘技に入れないと。でも、格闘技が好きな女の人はいい女だと思いますけどね、僕は。
──それはなぜですか。
朝倉 男から好かれる男を好きになる女って、けっこう見えてる人だなと思いますね。でも、男が嫌いな男を好きになる女が多いじゃないですか。モテる人ってけっこう自分で言っていくタイプなんです。「俺は昔喧嘩が強かった」とか。でも、あまり自分のことを語らないみたいな男のほうが、男から見たらカッコイイと思うんですけど。そういう男が好きな女の人がもっと増えてほしい。格闘家はけっこう男に好かれるというか。実力の世界なんで。PRIDEの時代は女性が半分くらい占めていたみたいだし。
──たしかに、PRIDEファンの女子は多かったですね。
朝倉 社会的背景もあるらしいですね。一時期、草食系が好きっていう流れがあったじゃないですか。化粧する男がいいとか。でも、また強い男がカッコイイみたいなブームが来てほしいですよね。
──朝倉選手の場合、男が惚れる男ですけど、かといって男臭いわけじゃない。ロマンチストだし。そこも新しい気がしますね。
朝倉 なんか僕がモテたいみたいな流れになってますけど(笑)。そうじゃないですから。YouTubeをやってて気づいたんですけど、女性のほうが細かく見るんですよね。動画も飛ばさずにしっかり見る。しかもちゃんと広めてくれるし、女性のファンを取り込むことで、より広がるんじゃないかな。そもそも世の中も女性を基準に動いてるところがあって、お店でも「女性無料」とか多いですよね。女性が来るから男性も来るという流れを格闘技も作ればいいと思いますね。
──KIDさんや魔裟斗さんの時代は、それこそ女性のほうが多いんじゃないかというくらいで。
朝倉 そうですよね。女性がカッコイイと思ったら、世間的にも格闘技を始めるかもしれないし、「強いほうがいいんだ」とか。いい流れが来ると思うんで、とにかく女性ファンを増やすということを目標にやれば、またブームが来るんじゃないかと思うんですけど。
──インタビューの最後が「女性ファン獲得」で終わるとは…。
朝倉 いいんじゃないですか。これRIZINへのアドバイスです(笑)。

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