ゴルフスイングにも効果的!重心移動を鍛えるトレーニング

体の機能を高めるトレーニングで大切なことの一つが「重心移動」です。運動器障害のために移動機能が低下した「ロコモティブシンドローム」という言葉ができたように、人間の機能としての「移動」は高齢化社会の影響もあり、注目されています。

文:井上大輔 <NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会>

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●横方向への切り返し動作を鍛える。

体の機能を高めるトレーニングで大切なことの一つが「重心移動」です。人間や動物は昔から食べ物を探したり、敵を追いかけたり逃げたり、このような状況で「移動」を行ってきました。車が発展してきた現代社会においても、必要な機能であると思います。運動器障害のために移動機能が低下した「ロコモティブシンドローム」という言葉ができたように、人間の機能としての「移動」は高齢化社会の影響もあり、注目されています。しかしジムでマシンを使うトレーニングのほとんどは重心移動を伴わないのが現状なのに、スポーツや日常の動作では、ほとんど重心移動が伴います。機能的な体を得るためには、重心移動のための筋力やテクニックは必要不可欠だと言えるのではないでしょうか?

重心移動を伴うエクササイズは、スポーツ選手が行うアジリティドリルという、運動場や体育館などのフィールドで行うイメージが多いかもしれませんが、ジムの中で行うことも可能です。ジムの中でよく見かける重心移動のエクササイズは「フロントランジ」です(写真1 −1)。

前方向への減速動作であるフロントランジ

ランジはアジリティの要素である「加速」「減速」「方向転換」の中でも「減速(ブレーキ)」動作に近くなります。減速動作は、筋肉が伸びながら張力を発揮する「エキセントリック筋活動」になります。これは力を抜かないようにゆっくりダンベルなどの重りを下ろすという筋トレの基本のテクニックになります。簡単に言うと、筋トレはブレーキをかけるトレーニングであるとも言えます。

今回紹介するラテラルランジは横方向へのブレーキ動作から地面を押して再加速していく「横方向への切り返し動作」のエクササイズです。この動きは、サッカーや野球のみならず、ゴルフのスイングでも重心移動をともなう限り必要な動きであると言えます。
また、ラテラルランジは内転筋をはじめ股関節周りの多くの筋肉に刺激を与えることができます。ラテラルランジをマスターしたなら、フィットネスクラブにある内転筋、中殿筋を鍛えるアブダクター、アダクターマシンと同じような効果を自宅でも得ることが可能です。それでは、ラテラルランジの行い方について解説していきましょう。

●ラテラルランジの効用

・横方向への切り返し動作の強化
・体幹の安定性の向上
・内転筋をはじめ下半身の筋肉の強化

●ラテラルランジの行い方

ラテラルランジのスタートポジション

ダンベルを片手に持ち、立ちます(写真2 −1)。そこから足を真横に踏み出し、深くしゃがみこみます。そのときつま先が前を向くように行います(写真2−2)。

ラテラルランジのフィニッシュポジション

膝が内に入った好ましくないフォーム

股関節の動きに問題がある場合、つま先が外側を向いて、膝が内に入ってしまう傾向にあるので気をつけてください(写真2−3)。

●リグレッション(原点回帰)とプログレッション(エクササイズの発展)
◎ラテラルスクワットのリグレッション

①テラルスクワット(写真3−1)

ラテラルスクワット(リグレッション)

踏み込み動作を行わず、両足が地面についたまま行うスクワットです。重量を用いる場合、ダンベルを肩の上に乗せて行うと重心ラインに重りが乗ることになるので、実際の人間の軸に乗せることが可能です。

◎ラテラルスクワットのプログレッション

①テラルバウンド(写真3 −2)(写真3 −3)

ラテラルバウンドのスタートポジション(プログレッション)

ラテラルバウンドのフィニッシュポジション

バウンディングとは、左右交互の足でのジャンプのことを言います。着地時に体重と重力の衝撃を吸収し、地面反力を利用して横方向にジャンプし、それを10回ほど繰り返します。

●まとめ

人間をはじめ、動物は移動する生き物です。移動ができなくなると餌が取れなくて死んでしまいます。筋力トレーニングでつけた筋肉を移動のために使っていくことが、スポーツだけでなく健康に長生きするための秘訣であると言っても過言ではないのです。

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井上 大輔(いのうえ・だいすけ)
兵庫県神戸市出身。滋慶学園大阪ハイテクノロジー専門学校スポーツ科学科トレーニング理論実習講師/整体&パーソナルトレーニングジムを経営(兵庫県明石市)/ NSCACSCS/NPO 法人JFTA 理事長/17歳よりトレーニング開始。大学卒業後、スポーツクラブに就職、スポーツコンサルティング事業にかかわる。同時に操整体トレーナー学院学長松下邦義氏に師事、操整体について学ぶ。/2006年NBBF 全日本選手権 第6位。
NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会 TEL:078-707-3111

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