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元社会人アメフト選手が筋肉と体格を活かして挑む大きな舞台とは

2020年、一人の元社会人アメフト選手がボディメイク競技の一つ『メンズフィジーク』にて大会デビューした。その名は春田崇博。初戦は減量から取り組んで挑んだこともあり、結果は良いものではなかったが、そこで負けず嫌いな性格に闘志が燃え、昨年は数々の大会で結果を出したのだった。身長181㎝の大きな体格を持つ春田はいかにして、今の身体を作るに至り、大会実績を積むことができたのだろうか。その道筋を取材した。

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「家族に誇れるなにかを持ちたいと思ったことが競技を始めた理由」

私は大学時代からアメフトを始めたのですが、入部するにあたり身体大きくしなければいけませんでした。そのときが本格的にトレーニングを始めるきっかけでした。当時は、大阪の京橋にある『パワーハウスジム』で、トレーナーさんから教えていただいたメニューで取り組んでいました。また、当時から分割法を用いて行うようにして、胸・上腕三頭筋、背中・肩、脚というルーティーンで、種目は基本3セットずつ行い1日2部位で6種目くらいのメニューを組んでいたと思います。
アメフト部に入部しトレーニンをやり始め、身体の変化は大きかったです。トレーニングはもちろん、食いトレで1日6食くらい食べろと言われたことが影響しています。トレーニングノートと並行して食事ノートも当時はありました。そういうトレーニングと食事を始めてから2カ月を過ぎたころには体重が20kgくらい増加していたんです。こういうこともあり、トレーニングと食事の重要性を理解していきました。体重が20㎏増えて、中には脂肪の増加も含まれていますが、扱える重量は大きく伸ばすことができましたし、筋肉のサイズも大きくなったと実感しています。
2016年まで、社会人アメフトチームで選手としてプレイしていました。その後引退して5年くらい経ったときに、現在所属している『横浜マリントレーニングジム』の谷澤一矢会長にボディメイク競技に誘われて、20年に初めて大会に出場しました。アメフト選手を引退後もトレーニングにはある程度取り組んでいましたが、最初は減量から取り組んだのもあり、そのときの結果は良いものではありませんでした。「負けて悔しい」という気持ちが湧いてきて、何をどうしたら良いのかというのを調べて、分割法なども変化させていきました。
私の最近のこだわりは、人体模型の筋線維の構造を見て、どのように筋線維が走っているのかを確認することです。それを参考に、部位ごとにトレーニングで筋肉の動く方向を合わせながら動作を行うことです。普段は、家にパワーラックとダンベルを買ったので、それを使ってトレーニングを行っています。しかし、行える種目は限られるので、工夫して種目ごとに動作しなければ様々な箇所には効かないので、工夫することがクセになっていきました。なので、少ない機材でもトレーニングができるようになっています。
私が、なぜボディビル競技を行っているかというと、家族に誇れるなにかを持ちたいと思ったことが理由です。長男が3歳になってものごごろが付いたときに、「お父さんすごいね」と言ってもらえることや、少し前に生まれた長女も大きくなったときに、「うちのお父さんは日本一なんだよ!」と、言ってもらえるような、憧れられる存在になりたいと思いました。そして、その成果を出すものがボディビルとなったんです。また、鍛えていくと自分の身体どうなっていくのかというところに興味があり、何かの大会で結果が出て振り返ったときに、「あれだけやったからな」と感じます。
今年の目標は、特にクラシックフィジークに力を入れて取り組みたいと考えています。メンズフィジークは賛否両論があるかと思いますが「デカければいい」わけでもないですし、全ての部位を鍛えているのに、サーフパンツを着用してステージに上がるので、全てを出し切れません。それを、ボディビルのポージングを練習し始めてから感じ、昨年の10月くらいには「こっち(ボディビル)の方が楽しい」と思ったんです。なので、メンズフィジークはすでにクオリファイを持っているので、オールジャパン選手権だけは出るつもりですが、それ以外の地方選手権やオープンはクラシックフィジークとボディビルで出場したいと考えています。
今は、ジャパンオープン選手権のクラシックフィジークで優勝することを目標に取り組んでいきます。また、最近はアメフト時代にケガをしてあまり取り組んでいなかった課題の脚を、近所の24時間ジムに通って多くトレーニングするようにしています。そこをしっかり成長させて、今年のボディビル関東選手権や神奈川県選手権でも結果を出したいと思っています。

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