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【筋トレ ビフォーアフター】肝臓移植した男性が筋肉ボディに。寝たきり生活を乗り越え「身体障害者でもやれるんだ」

肝臓移植から奇跡の復活!渡邊寛宜さんのビフォーアフター「体調が優れない日が続きながらも仕事に打ち込んでいました。今思えば、危険のサインは出ていましたが当時は気づいていませんでした」。こう話すのは、2017年に原因不明の「急性肝不全」を患った渡邊寛宜さん(37)。病院での1カ月以上の寝たきり生活で、体重も減少し身体は衰弱——そんな危機的状況を乗り越え、元気に、そしてムキムキな身体に復活した現在の渡邊さんを紹介。当時の心境を振り返った。

【アフター写真あり】肝臓移植翌日とムキムキになった渡邊寛宜さん

「検査の結果を受けて即入院が決まりました。肝臓の数値が基準値600倍と言われ、1週間様子を見ましたが数値は下がらず、だんだんと食欲がなくなり、ニオイだけでも気持ち悪く食事を取ることが辛くなっていました。体重は落ち、歩くのは病室のトイレの行き来がやっと。1カ月以上寝たきり状態で、天井を見る時間が長くなりました。この時にはもう歩くこともできなくなっていました」

入院と同時に「最悪の場合、肝臓移植もあり得る」と、医師から伝えられていた渡邊さんだったが、このときまさか本当に肝臓移植をするとは想像していなかったと、突然の出来事を受け入れられなかったようだ。

「1カ月が過ぎても数値は変わらず、移植の話が本格的になってきたある日、意識障害があるとのことで転院することに。同時に『脳死肝移植』が受けられる登録がされ、その後早い段階で脳死肝移植に適合するドナーが見つかり手術を受けることができました。ドナーと適合する肝臓の順番がおそらく全国で一番だったので、私に最初に声がかかったんだと思います。当時はそれだけ生死にかかわっていたと思います」

肝臓移植後 2017年7月 身長170cm 体重57kg 体脂肪率不明 「歯磨きをするにしても、何もかもが新鮮で動けることがビックリするくらいでした」約10時間の手術は無事成功。九死に一生を得た。
「目が覚めた時はICUの中、生き返ったかのように清々しい気持ちでした。術後に食べた小さな氷、一生忘れることのない味です。術後の病院食を食べ、生きている喜びを感じました。いろんな人の支えと想いがあって生かされていることに、感謝の思いでいっぱいでした」

70kgあった体重も減少し、別人なくらいガリガリに痩せ細ってしまった渡邊さんだったが、術後の回復は予想以上に早かったという。
「運動不足を解消して失った筋肉を取り戻すために、2019年からジムに通い始めました。仲良くなったスタッフに教えてもらいながら合トレするようになると筋量も増えていきました。その後、大会に興味を持ち、出場を決めてトレーニングは週6回、朝と夜に有酸素運動も取り入れました」

身体はすっかり元気を取り戻したようにも思えたが、術後も入退院を年に何回か繰り返しており、トレーニングができない時期もあった。それでも、目標の「大会出場」は達成させた。
「私は、見た目は健常者の方達と変わりませんが、身体障害者に変わりありません。薬を毎日飲まないと生きていけないですし、急に体調が悪くなることもあります。でも、身体障害者でもやれるんだって気持ちと、同じ病気や同じような方々に少しでも、元気や勇気、きっかけを作れたらいいなと思い大会に臨みました。Summer Style Award福岡大会に出場し、結果は2位でした。優勝はできなかったけど、出せる力は出せたので悔いはありませんでした。日本大会では予選敗退になりましたが、同じ病気の方々からも嬉しいメッセージをいただき、挑戦したことが身になったと感じました」

病気の経験から筋肉の必要性を強く感じている渡邊さん。現在は週3〜4回でトレーニングを継続。“楽しく”、マイペースに今後も続けていきたいと語った。

「病気で身体のエネルギーを使い果たしましたが、先生が筋肉があるお陰だと言っていました。何事にも筋肉はあった方が良いというシンプルな答えと、10年、20年と健康で長く生きていけるように、そしてまたいつか大会に出られるよう、これからも楽しいトレーニングを続けていきたいです」

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取材:FITNESSLOVE編集部

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