元Yoga&Fitness編集部がインドで本格的にヨガ・アーユルヴェーダを学ぶため１カ月間の「ヨガ修行」を開始。ヨガ初心者、英語もうまく話せない、海外一人旅もしたことないような私ですが、「インド」で学んだことを何話かに分けて伝えていきます。
美しい自然に囲まれた環境でのヨガ、自然由来で美味しい食事、規則正しい生活。インドのヨガ(&アーユルヴェーダ)修行にも慣れてきて、ここにいたいと感じるようになってきた一方で、ちょっとした悩みがありました。
インドで虫刺され……全身あざだらけに
虫刺されであざだらけに
それは「虫刺され問題」。10月の南インド(ケララ)はまだまだ暑くて、蚊もいる時期。自然に囲まれていることが裏目に出て、日が沈むと大量の蚊が汗をかいた身体にくっついてくるのです。さらに、施設では野良犬を３匹ほど飼っていました。私はダニのアレルギーを持っているので、写真のように全身があざだらけになってしまいました。
私は「傷は思い出」程度に感じていましたが、見た目が大袈裟なだけに周りが心配していたため、アーユルヴェーダの先生に相談することにしました。すると先生は施設内の森の中を歩き回り、薬になる植物を探しに。クミンを引っこ抜き、その場ですぐに薬を作ってくれました。クミンは、カレーに使われるスパイスですが、実は抗菌作用があるようです。クミンを全身に塗ると、たしかに痒みもおさまっていき、数日間で傷も薄くなってきたように感じました。
アーユルヴェーダでは薬にならない植物はないと言われています。また、生活している土地にできるだけ近いものから摂取することも勧めています。
「病気になったら薬」が当たり前な環境にいたため、こんなに身近な場所から薬を作れることに可能性のような希望のようなものを感じました。このような「おばあちゃんの知恵袋」みたいなものは本来、文明の発達がなければ当たり前なことだったのかもしれません。
私は、生きる上で大切な「健康」は、自然の生活から離れれば離れるほど手に入れることができない気がしました。人間が生み出した便利なものに頼りすぎず、自分の身近にあるものからできることを探すことが健康の第一歩だと思います。
松本実奈美（まつもと・みなみ） 元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了
取材・写真：松本実奈美
