「お気に入りだったジーンズが太ももで止まってしまったんです。服が入らなくなって“身体が変わってしまった”と実感しました」
結婚を機に生活スタイルが大きく変化し、運動不足から半年で10㎏増。そんな自身の身体の変化をきっかけに、ジム通いを始めた中田那穂子(なかだ・なほこ/29)さん。6月7日(土)に愛媛県・新居浜市市民文化センターで開催された『マッスルゲート四国大会』に出場し、ビキニフィットネス一般の部で3位入賞を果たした。
もともとイルカトレーナーとしてアクティブな日々を送っていたが、入籍後に転職した事務職で、身体を動かす機会が激減。運動不足によるストレスも感じていたという。
過去の自分も「ぷくぷくして可愛い」と思えるように
ストレス発散と結婚式に向けたボディメイクを目的にジムに通い始めた中田さん。特にコンプレックスだったのは下半身。くびれはあったものの、太ももやお尻が大きくなり、セルライトも気になっていたという。
しかし、トレーニングを重ねるうちに身体は大きく変化。最も太っていた時期から約10kgの減量に成功した。
「結婚式のときはマイナス5kgの状態で、それでも十分満足していたんですが、そこからさらにボディメイクをしたことで、自分自身をもっと好きになれました。昔の写真を見ても『ぷくぷくしてて可愛いな』って思えるほど、マインドが大きく変わりました」
ボディメイクに本格的に取り組む転機となったのは、昨年の夏に観戦したボディコンテスト。美しく仕上げられたビキニ選手たちの姿に魅了され、「私も挑戦してみたい」と思うようになったという。
これを機に、それまで通っていた24時間ジムから、BIG3やフリーウエイト中心のトレーニングができるジムへと移籍。環境が変わることで、身体だけでなくマインドにも変化があったと振り返る。
「スタッフさんや会員さんのレベルが高くて刺激になりました。最初はスミスマシンでしかできなかったスクワットも、今ではフリーウエイトで60〜70kgを担いでいます。まさか自分がこんなに重たいものを扱えるようになるとは思っていませんでした(笑)」
ジャンクから減量食になり、イライラが減った
また、食事に対する考え方も大きく変わった。以前はジャンクフードが中心で、夜ご飯がアイスとポテチという日も珍しくなかったという。だが、減量食を取り入れてからは気持ちが穏やかになり、イライラしにくくなったと語る。
「減量中ってイライラするイメージがあったんですが、むしろ心が安定したんです。クリーンな食事の効果を実感しました」
減量中の主な食材は、鮭・鶏胸肉・卵などの高タンパク食材。朝はオートミール、昼は白米、夜は根菜類から炭水化物を摂取している。
最後に、これからボディメイクに取り組む人へアドバイスを尋ねると、「“食べないダイエット”はおすすめしません」ときっぱり。
「私も昔は食べないことが正解だと思っていたけど、気持ちも代謝も下がってしまうし、どこかで反動が来ると思うんです。だからこそ、食事は自分にとって続けやすいやり方から始めてみてほしい。たとえば減塩してみるとか、ご飯の量を普通盛りにしてみるとか。無理なく継続することで良い影響が表れるはずです」
筋トレやボディメイクを通じて、過去の自分も好きになれる。中田さんの経験はボディメイクをする人たちの指針、そして励みになるだろう。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:小笠拡子 大会写真:北岡一浩
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。