「もともと肥満で、お腹のお肉だけ取りたかったんです」
鶴岡淳子(つるおか・じゅんこ/50)さんは、4年前からトレーニングを始めた。
自己流トレーニングで体重は落ちたが……
「当時、身長156cmで体重は59kg。宅トレを1年間がむしゃらにやって、何も変わらなければやめようと思っていましたが、半年で見た目も細くなり、体重も54kgくらいまで落ちたんです。でもしぼんでただ細いだけになってしまい、体重は減ったのに体脂肪が増えていました。独学で食事について調べ、見直したのですが、半年ほど経過すると食欲が止まらなくなり、3kg、4kgと増え始めました」
2年ほど宅トレを続けた鶴岡さんは、望まない見た目や、リバウンドを経験したことで、「正しい知識を付けたい」と、パーソナルジムに行くことを決断したそうだ。
パーソナルトレーニングでの変化
「パーソナルトレーニングは月2回。トレーニングのフォームを直していただき、食事は少し見直しただけでしたが、3カ月後には見た目が大きく変わりました。トレーニングできちんと筋肉を使っているというのがわかるようになり、体重は2、3kgしか変わらなかったのですが、全体的にすっきりしてバランスが良くなり、お尻の形が丸くなりました。パーソナルトレーニングを受けたことで、トレーニングへの意識が変わり、ボディメイクに挑戦したくなりました」
関節リウマチの発症
トレーニングも継続し、食事にも気をつけていた鶴岡さんだったが、昨年3月、病気が発覚する。
「昨年2月、当時勤めていた会社のマラソン大会に参加したあと、足が激痛。ストレッチ、ほか何をしても痛みが取れなくなっていたものの、いずれ治るだろうと過ごしていたところ、私の手や身体の動きを見た娘に『お母さん、それリウマチじゃない?』と言われて病院に行くと、やはりリウマチと診断されました。症状の進行が早くて他の病気も疑われ、シェーグレン症候群(※)も発症していることがわかりました」
※自己免疫疾患の一種。ドライアイ、ドライマウスなどの症状が現れる。
「私の場合、症状が重く、全身の関節という関節が炎症を起こして激痛でした。スマホの充電コードも、痛みとともに力も全く入れることができなくなったため抜けないし、羽毛布団を除けるだけで身体に激痛が走るんです。歩くことも難しく、一歩一歩がゴツゴツした石の上を裸足で歩かされているような状態でした。遺伝的な要素はなく、運動もしていて食事も問題なかったので、ストレスが原因だったと思います。思い返すと発症する前後は転職したばかりで、家庭の問題もあって一気にストレスがかかっていました」
トレーニング再開
「会社に行ってもまともに仕事はできず、症状も悪化の一途でした。『身体を守らないと』と思い、退職を決めると症状が落ち着きはじめ、回復が進みました。発症直後は、パーソナルトレーニングをお休みして、トレーナーさんに相談しながら自分でできる運動だけ続けていましたが、すぐに独りで運動することが難しくなり、私からトレーナーさんにサポートをお願いしました。幸い、快く引き受けてくださったので、発症から1カ月半ほどでパーソナルトレーニングを可能な範囲で再開しています。トレーニング前後だけ、不思議と痛みも落ち着くのに、翌日には、また痛みの生活に戻ってしまう状態でした」
フィットネス業界で働いて回復へ
症状が回復してきた鶴岡さんは「やりたいことをやろう」と思った。
「フィットネス業界に入りたくて、アルバイト先にフィットネスクラブを探し、働いてどんどん回復していきました。今は週5~6日、1時間半から2時間トレーニングしています。今も治療中ですが、ほぼ支障なく生活できています。動けるようになってから重量も上がるようになり、毎日生きるのが楽しいです」
鶴岡さんは言う。
「お客様の笑顔を見ると張り合いが出ます。『トレーニングのおかげで、苦しい時期を乗り越えて身体も楽になった』、とお話しすると、お客様に『私もがんばろう』と言われることが私にとって幸せです。これからトレーナーとして、経験を活かして、たくさんのお客様に笑顔になってもらうのが、今の私の夢です」
取材:あまのともこ 写真提供:鶴岡淳子
主に『FITNESS LOVE』で執筆中。自身もボディコンテストに出場している。JBBF京都府オープン大会ビキニフィットネス(身長別)3位。マッスルゲート四国大会ビキニフィットネス2位。