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会社員でも輝ける舞台──初挑戦の「HYROX」と「達成感」【HYROX WARRIORS no.6】

世界的に話題のフィットネスレース「HYROX(※)」で活躍する選手に迫るコーナー。第6回は、普段は会社員として働きながら、『人生初のスポーツ大会』に挑戦した佐藤恵梨奈(さとう・えりな/36)さんを紹介する。

※「HYROX(ハイロックス)」とは、ランニングとフィットネス種目を組み合わせた新しいスタイルの競技。1kmのランニングと、8種目のファンクショナルトレーニング(機能的全身運動)を交互に繰り返すことで、筋力や持久力だけではなく、さまざまなフィットネスに関する能力が問われる。

【写真】パートナーと手を取り合ってゴールを駆け抜ける佐藤さん
佐藤恵梨奈さん

楽しむことを大前提に

スポーツの大会など、これまで全く無縁だった佐藤さん。挑戦のきっかけはフィットネス界でも影響力をもつフィットネスプロデューサー・AYA氏からの一言だった。

「日本開催が発表されたとき、ジム内でもHYROXが話題になり、AYAさんから『チャレンジしてみたら?』と声をかけられたことがきっかけでした」

2年前くらいに運動不足を感じてAYA氏が経営するジム『Feelin’ Good虎ノ門』に入会。当時はトレーニングメニューについていくのがやっとだったというが、今では体力もつき、通うことが日々のルーティンとなっている。

「ランニングは正直苦手でしたし、大人になってからスポーツ大会に出るなんて、右も左もわからない状態でした。でもせっかく出場するなら誰かと一緒に楽しみたいと思い、『ダブルスで完走!』をパートナーと目標にしました」

未知の舞台に飛び込む不安はあったものの、それ以上に新しい挑戦へのワクワク感が背中を押してくれた。

走り込み不足を痛感しながらも掴んだ達成感

普段は週3〜4回ジムに通い、HYROX前にはトレーニング後の皇居ランも積極的に取り入れていた。

「真夏の厳しい暑さで、ランニングの練習は思うようにできませんでした。その影響で走り込み不足を痛感し、特にパワーを必要とするスレッド種目を終えた直後のランニングは、身体も心も悲鳴を上げるほどきつかったです」

それでも会場内の応援や熱気はすさまじく、苦しさを忘れるほど楽しかったと振り返る佐藤さん。ゴールの瞬間は達成感で満たされ、挑戦して良かったと心から思えた。

仲間と挑んだからこそ完走できた

佐藤恵梨奈さん

レースを支えてくれたのは、ジムで仲良くなり出場を決めたパートナーの存在だった。

「正直、1人だったら途中で心が折れていたと思います。何度も挫折しそうになりましたが、パートナーと励まし合いながらゴールを目指せたのが大きかったですね」

ジム全体でHYROX挑戦の熱気が広がっており、情報交換や応援の輪が自然と広がった。大会当日も仲間と会場で顔を合わせることが多く、観戦や応援を通じて特別な時間を共有できた。

「パートナーの足を引っ張らないように必死でした(笑)。一人で挑むのとは違い、ペアでの挑戦は安心感と責任感が同時に生まれて良い刺激になりました」

仲間と一つのゴールに向かう挑戦は仕事にも通じる学びとなった。汗を流しながら味わう達成感は、会社員として積み重ねる日常をより一層輝かせてくれる。

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文:林健太 写真提供:佐藤恵梨奈

執筆者:林健太
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。HYROX横浜はシングルプロで出場。

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