ボディコンテストに出場する若年層が増え続けるなか、「若いころからトレーニングや減量をしても、身体や心に負担はないのか?」と心配する声もある。そこで、工夫を凝らして心身ともに健康に活躍している23歳の前川七海(まえかわ・ななみ)さんに、トレーニングや減量の工夫とその魅力を聞いた。前川さんは2024年に『サマースタイルアワード』でコンテストデビュー。太陽のような笑顔と瑞々しいボディで、『東海帝王予選&ROOKIE CHALLENGE CUP東海帝王予選』のビューティーフィットネスモデル部門新人戦での優勝実績を持つ。
減量で変わった生活 栄養管理を学んだことで痩せられた
前川さんは大会に向けて5カ月で11kgの減量に成功したが、厳しい節制のなかに“適度なゆるみ”を作ったという。
「栄養が足りなくなるとメンタルが落ち込むので、気をつけました。1日4食のうち、1食は好きなものを食べるチートミールにしました」
チートミールでは、ハンバーガーなどカロリーの高いものは避け、大好きなお寿司を中心に楽しんだ。お菓子も完全にやめるのではなく、たまにのご褒美として継続。オートミールのスコーンや米粉のパウンドケーキを自作した。
「ポージングの先生にレシピを教えてもらったんですが、作るのも楽しくて、原材料が全て分かるので食べ過ぎてもストレスが少ないんです」
極端にストイックな食事ではなく、味や栄養バランスを大切にしているという。
「鶏胸肉をただ蒸すだけのような減量食ではなく、無水カレーや親子丼にアレンジしました。脂質も減らしすぎないように気をつけました」
減量が停滞したときは、まずはカロリーを減らすのではなく、白米を玄米やさつまいもに変えて対応。
「血糖値が急に上がらない、GI値の低い食品を選ぶことで、脂肪がつきにくい食事を意識しました」
減量を楽しく続ける工夫も明かす。
「友だちと外食が難しい分、ピクニックを提案して、一緒にお弁当を楽しむようにしました。外で食べるのは新鮮で、気分も上がりました」
トレーニングで変わった生活: 目覚めがスッキリ、仲間がたくさん増えた
トレーニングを通じて一番変わったのは、毎日の生活リズムだ。
「以前は昼まで寝ていることが多かったけど、減量を始めてから朝がスッキリ起きられるようになりました。身体が軽くなり、毎日元気にスタートできるようになりました」
また、ジム通いがしたくなる動機をつくることで、自然と義務感なく習慣になった。
「ジムに行くときは、趣味の合う友だちを作りに行く気持ちで通いました。レディースエリアで仲良くなった友だちと朝の散歩をしたり、一緒にトレーニングしたり、ヨガにも通うようになりました」
こうした仲間とのつながりは、ジム通いやコンテスト出場の大きな魅力だ。同じ目標を持ち、努力を分かち合える環境は、多くの選手にとって大きな支えになっている。
フィットネスを趣味として楽しむ 新たな挑戦
現在、前川さんは前職のトレーナーから全く別の職業に転職し、フィットネスを仕事ではなく趣味として楽しんでいる。
「仕事となると、『してあげたい』という気持ちが『絶対にしてあげなきゃ』というプレッシャーになってしまって。フィットネスを趣味にすることで、ストレスなく楽しめるようになりました」
今年は出場せず、厚意で出場選手のサポートやコーチにスキルを生かしている。来年は再び選手として大会に戻るために、ライフスタイルを整えて出場に集中できる環境づくりの最中だ。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代 写真提供:前川七海
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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