
ボリュームのある下半身をトレードマークに「ギャップ筋肉女子」として注目を集め、下半身重視の新競技・ウェルネスでもさらなる活躍が期待されるブラマジ田中さんが女性のためのトレーニング&スポーツ専門誌『Woman'sSHAPE(ウーマンズシェイプ)』初登場!かつて「痩せ」に執着し、他人軸で生きていた彼女が、筋トレを通して自分を愛し、無敵になるまでのストーリーとは。
[初出:Woman'sSHAPE vol.31]【写真】ブラマジ田中さんの極太の脚と細いウエストのメリハリ(大会写真5枚&カッコイイウェア写真3枚)
依存体質からの脱却
筋肉がくれた「折れない芯」
━━身体を鍛えることで、内面にはどのような変化がありましたか?
田中 一言で言うと、自分軸で生きられるようになりました。実は私、筋トレを始める前までは、本当にすごい依存体質だったんです。
━━依存体質……誰かの存在なしにはいられないような?
田中 うーん、特に恋愛依存ですね。昔から明るい感じではあったんですけど、相手に頼られたりすることで、自分の価値を感じるタイプだったんです。「人が思っている自分でいたい」という気持ちが強くて、パートナーに頼られたくて色々なことをしていました。でも、それだとパートナーがいなくなったときに、自分の価値観が空っぽになっちゃうんですよ。そういう人生はマジで良くないなって、筋トレを始めてから気づきました。
- 「筋肉の上に脂肪も乗っているパツパツの脚と、迫力のあるお尻の持ち主。その女性が本当にかっこよくて、筋肉の美しさ、芸術性にそこで気づいたんだと思います」(ブラマジさん)
━━以前は周囲の評価に振り回されることも多かった?
田中 もう、振り回されっぱなしでした。友達だったりパートナーだったりがどう言ったかで、自分という人間を形成していたんです。学校生活でも誰より目立ちたくて、絶対にリーダーをやるタイプ。でも、実はみんなの顔色も伺っていて、嫌われないように、それでもやっぱり自分が成功したい……みたいな。
━━複雑で繊細なメンタリティ。
田中 本当に高校生くらいからずっとそうで、依存されることでしか自分の価値を見出せなかったんです。自分には突出したものが何もないからこそ、誰かに頼られることに価値を感じたのかなと思います。
━━そんな「他人軸」を変えたきっかけが筋トレだった。
田中 完全に筋トレですね。私、ずっと自分に自信がなかったんです。今までの人生、何一つ継続できたことがなかったから。部活はバスケ部でしたが、たいして頑張ってきたわけでもないし。そんな中で唯一筋トレだけは継続できるようになって。初めて自分がやることに自信が生まれたというのが他人軸を卒業するきっかけだったのかなと思います。
━━ご自身の経験があるからこそ、様々なメディアを通じて、そのことを伝えているのですね。
田中 そういう気持ちが一番かもしれません。今の若い女性たちって、栄養バランスとか栄養不足で代謝が下がることとか知らない方も多いですよね。私自身、以前の食べないダイエットをしていた頃は精神的にも不安定なのが普通だと思っていたんですけど、栄養をしっかり摂って運動していると、心も身体も本当に楽なんです。そういうことも含め、トレーニングがきっかけで自分の強い芯が作れてよかったなって。

━━でも自分の今の身体を受け入れ、自信を持つって本当に難しいです。
田中 分かりすぎます。私はずっと、自分の脚とお尻がコンプレックスでした。でも、脂肪で太いんじゃなくて、ちゃんと筋肉をつけて、メリハリのある身体にしてあげる。変えられないところはそのまま許容してあげて、それ以外を自分の理想にする。「コンプレックスを武器にするのが、一歩先に行けることなんだ」って、トレーニングと出合ってからやっと思えるようになりましたね。
━━下半身のボリュームを重視するボディコンテスト競技「ウェルネス」が始まってからは、まさにコンプレックスが武器そのものに。
田中 はい!下半身がコンプレックスという女性は多いので、その意味でも革新的なカテゴリーですよね。私、今まで勝負事から逃げてきた人生だったんです。部活でも、失敗するくらいなら挑戦しないほうがいいとか。でも、大会を経験して、「挑戦することって楽しいんだな」って生まれて初めて気づきました。
アイコンとして世界一のフィジークを目指す
━━現在、SNSの総フォロワー数は35万人を超えています。ブラマジさんの発信に勇気をもらっている方も多いのでは?
田中 頑張っている私を見て「自分も頑張ろう」と思ってほしいという気持ちでSNSを始めたので。今は若い人だけじゃなくて、年配の方からも「出会えてよかった」「脚が太くていいんだ」と言っていただけることがあって、本当にうれしいです。

━━「痩せたい」という既成概念が根強い日本で、そのメッセージを届けるのは大変なことですよね。
田中 すごく難しいと思います。だからこそ、自分がアイコンになるしかないと思っています。私が昔、韓国アイドルに憧れて「あの身体になりたい」と思ったように、誰かがアイコンにならないと価値観は変わらないと思うから。
━━選手としての目標も、驚くほど明確に定まっていますね。
田中 はい。「世界一」が目標です。そのために、大谷美咲選手に勝つ。だって、日本一の大谷さんに勝てば、その先に世界があるって分かっているんですよ。「挑戦しない」はないですよね。
━━たしかに、大谷選手はウェルネスで2年連続世界2位ですからね。
田中 本当は「誰かに勝ちたい」という気持ちでフィットネスをやるのは良くないって言われるんですけど……やっぱり勝ちたいっす(笑)。大谷さんって全てがきれいなパーフェクトフィジーク。だからこそ、そこをぶち抜いて勝ちたい。骨格的にはなれるポテンシャルはあると思っているので、5年以内には世界一になりたいと思っています。
━━その高い目標に向かって自分を追い込む中で、大切にしている考え方はありますか?
田中 いい加減でいいですよ、ということです。
━━え、いい加減でいいんですか。
田中 私、楽できるなら楽したい性格なので、やりすぎることはないんです(笑)。でも、クライアントさんの中にはすごく真面目な方もいて、全部完璧にやらなきゃって追い詰められて、1回できなくなると「私ってなんでこんなにダメなんだ」って爆食しちゃうこともある。でも、爆食したとしても、また戻せばいいだけなんです。
━━その意味での「いい加減」。
田中 私も減量中にどうしても食パンが食べたくなってコーチに泣きつくこともあります。そうすると「いいよ。明日から戻そうか」と言ってもらえて、また頑張れる。自分の心がどれだけ追い詰められているか見つめてあげて、自分をちゃんと許してあげる。病みがちになっちゃうときには、それが必要だと思います。
━━最後に、読者の女性たちへメッセージをお願いします。
田中 やっぱり一番は、他人軸で生きないでほしい。そのためには自分の脚で歩き、頭で考えないとだし、そのためには、やっぱり「栄養」なんです。間違った情報に振り回されず、しっかり栄養を摂ってほしいし、今どれくらい栄養を摂れているかをアプリなどで知ってほしい。栄養が足りないと肌も髪も元気がなくなるし、精神的にも安定しません。栄養を摂って、なりたい自分を明確にする。そうすれば、自分の中に一本の強い軸ができます。
━━自分軸があれば……。田中人生変わります。今のありのままの自分を「素敵」と言われても、昔の私は全力で否定しちゃっていました。でも、栄養を摂って健康的な身体になった上で自分なりに努力するようになってくると、努力している自分のことはもちろん、努力していないときの自分も愛せるようになるんです。自分の内側を愛せるようになると、もう無敵ですよ。
ぶらまじ・たなか(たなか・みお)
1994年生まれ、愛知県出身。パーソナルトレーナーとしての指導&インフルエンサーとしてSNS発信を行っている。自身も2024年からウェルネス競技者としてステージに立ち、2025年JBBF Wellni SPORTECCUPで優勝。同年9月に自身初の著書『一番好きな自分になろう』を上梓した。
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取材・文:藤村幸代 撮影: AP,inc. 、中原義史(大会写真)写真提供:ブラマジ田中(田中美緒) Web構成:中村聡美
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