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脂質は敵じゃない?様々な不調を招く脂質不足!管理栄養士が解説する「女性がボディメイクする際に考えるべき脂質」とは【自分を愛するボディメイク⑧】

一般競技者からトップアスリートまで、さまざまな選手の栄養サポートを行う管理栄養士・健康運動指導士のTejinが、「女性がボディメイクする際に考えるべき脂質」について解説します。

バルクアップのための食事では何が大切?(基礎知識編)

脂質は「太る原因」として敬遠されがちですが、実際には女性の身体づくりにおいて非常に重要な栄養素です。糖質がエネルギー源であるのに対し、脂質は「ホルモンと細胞を支える栄養素」と言えます。

脂質が女性に必要な理由

①女性ホルモンの材料になる

エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、コレステロールを原料として合成されます。脂質摂取が極端に少ない状態が続くと、ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があります。

ボディメイク中に脂質を過度に削ると、

・月経不順
・肌の調子の低下
・疲労感の増大

などが起こるケースもあります。

②細胞膜と肌の健康を支える

脂質は細胞膜の主要構成成分です。特に必須脂肪酸(n-6系、n-3系脂肪酸)は体内で合成できないため、食事からの摂取が不可欠です。不足すると皮膚の乾燥や炎症傾向につながることがあります。

③脂溶性ビタミンの吸収を助ける

ビタミンA・D・E・Kは脂溶性ビタミンであり、脂質と一緒に摂取することで吸収率が高まります。脂質を極端に制限すると、これらの栄養素の利用効率が低下する可能性があります。

1日に必要な脂質量

日本人の食事摂取基準では、脂質は総エネルギーの20~30%が目安とされています。

減量を目的とする場合でも、20%未満に極端に下げることは推奨されません。脂質を削りすぎると、ホルモン・肌・コンディションに影響が出る可能性があります。

ボディメイクで意識したい脂質の「質」

脂質は量だけでなく、質が非常に重要です。

バルクアップのための食事では何が大切?(基礎知識編)

控えたい脂質

トランス脂肪酸
マーガリン、ショートニング、菓子類、加工食品に多く含まれます。心血管疾患リスクとの関連が示されており、できるだけ控えることが望ましいとされています。

酸化した油
揚げ物を長時間放置したものや、繰り返し加熱された油は酸化が進みやすくなります。酸化脂質は体内で炎症反応を促す可能性があります。

また揚げ物は調理過程で油を吸収するため脂質量が増えやすいという特徴があります。特に衣が厚いものや油温が低い状態で揚げられたものは吸油率が高くなります。

例えば、かき揚げやナスの天ぷらは水分量と表面積が大きいため、見た目以上に脂質量が多くなることがあります。健康的な選択のつもりでも、調理法によって脂質量は大きく変わる点に注意が必要です。

野菜は生や蒸し調理で取り入れ、脂質はオリーブオイルやナッツなど質の良い油から補う方法も有効です。

詳しくは以前解説した記事も参考にしてみてください。

取りすぎに注意したい脂質

飽和脂肪酸
肉の脂身やバターなどに多く含まれます。適量であれば問題ありませんが、過剰摂取は血中脂質異常につながる可能性があります。

積極的に取りたい脂質

不飽和脂肪酸
特にn-3系脂肪酸(EPA・DHA、α-リノレン酸)は抗炎症作用があり、トレーニング後の回復や肌の健康維持に役立つと考えられています。

多く含む食品
青魚、亜麻仁油、えごま油、ナッツ類、アボカド、オリーブオイル

実践的な行動目標

女性がボディメイクを行う際の脂質設計のポイントは次の通りです。

・揚げ物や菓子類の頻度を減らす
・魚を週2~3回取り入れる
・サラダにナッツやオリーブオイルを加える
・極端に脂質を抜かない

脂質は「減らす」よりも「選ぶ」ことが重要です。

まとめ

女性のボディメイクにおいて脂質は「敵」ではありません。

・ホルモンの材料になる
・細胞と肌を支える
・脂溶性ビタミンの吸収を助ける

という重要な役割を持っています。
極端に削るのではなく、適量を保ちつつ、質の良い脂質を選ぶことが、美しさと健康を両立させる鍵になります。

■著者プロフィール

申泰鎮(シン・テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・身体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。

Web構成:中村聡美

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