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#6 心が動くとき【旅からみえた体質改善 ─カラダを見立てる東洋医学─】

「体質改善」。よく耳にする言葉だが、一体どのようにして改善するのか?何をもって改善と言うのか?元Yoga&Fitness編集部員が、世間が決めた健康像や当たり前を疑い、体質改善を東洋医学の観点から深掘りしていく新シリーズ。読めば自分の身体に対する考えが180度変わるかもしれない。

「せっかちで一つのことに集中できない」「職場の部下にイライラしてしまう」「やらないといけないとわかっているのにやる気が起きない」。その悩みの裏には“大人なのに”、“上司なのに”、“母親なのに”といった理想の自分が隠れているのかもしれない。また、「これが自分だから」と決めつけてしまう人もいるだろう。“あるべき姿”はときどき、苦しくなってしまうことがある。そういうとき、ヨガやアーユルヴェーダの視点で見ていくと、そのような悩みも少しは軽くなるかもしれない。

旅をしていると自然の流れと身体が調和していると感じる瞬間がある。山に囲まれた場所では天気がとてもコロコロ変わりやすかった。さっきまで雲ひとつなかったのに、ポツポツと雨が降ってきたと思ったら5秒後には滝のような雨になる。

また、小さな島では風の強さ、波の揺れの変化を感じられる。そのような自然が近くにあるところに長く滞在していると、不思議なことに私の身体にも変化が起こっているのがわかる。毎月、満月の前日になると頭が痛くなったり、いつもよりも眠気が強かったり、雨の日には身体も重たくなる。たくさんの人が集まるところに行けば、心臓がいつもよりも早くなっていて、なんだか落ち着かなかったり。長く都会に住んでいた私にとって、それまで自分が刺激にどれだけ鈍感だったかを感じる瞬間であった。

そして、それは身体だけではなく、「自分らしさ」に対する感覚も同じだった。初めて会った人に「フレンドリーだね」と言われることがある。でも、ある場面では「人見知り?」と聞かれたこともあった。「あなたらしいね」と言われるポイントは他人次第で、固定されたものではない。「性格」は感情の傾向ではあると思うが、内側から出る表現の一部分に過ぎないのだと気づいた。

環境の変化によって、身体の中のバランスが変わると、心の揺れ方も変わる。風が強い日は、なんだか気持ちが落ち着かないし、暑さが続けばイライラする。雨が続くと何もしたくなくなる。季節や月の周期、一日の時間、環境によって、身体の状態は常に変わり続けている。

ヨガでも心の波を表す言葉(チッタ・ヴリッティ)がある。心を海に捉えているのだが、何か強い刺激が起きれば波も大きくなる。水がずっと同じ形ではいられないように心も身体も、見えないところでも小さく揺れ続けている。雲がかかっていて濁って見える日もあるが、水そのものが壊れているわけではないのだと思う。

この揺れ自体は、本来とても自然なことなのに、以前の私は「整う」ということを、「ずっと安定している状態」だと思っていた。今は、ブレないことよりも「戻ってこられること」の方が大切だと感じている。心が動くからワクワクできる。集中できない、怒りっぽい、やる気がない、これは性格なのではなくて、内側からのメッセージなのかもしれない。

ワンポイントアドバイス:ストレスに強くなるポイント
・よく休む
・身体に意識を向ける(ヨガのアーサナを取り入れる、散歩をする)
・瞑想や呼吸法によって「無」の時間を取り入れる
(無邪気/わすれてもよい、無判断/決めつけない、無拘束/こだわりを持たない)
・加工食品を減らす

松本みなみ

執筆:松本奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インドで生活し、『WORLD PEACE YOGA SCHOOL 200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了。現地でアーユルヴェーダや自然療法に触れる。
インド体験記やインド医師への取材によるナチュロパシー(自然療法)特集、インドネシアのモリンガ特集などを執筆。
2024年より体質改善分野の執筆・制作に携わり、2025年からは体質改善講師としても活動を開始。東洋医学(アーユルヴェーダや中医学)の視点をもとに、「自分に戻るための体質改善」をテーマに活動を行っている

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