内側から、巡り、満ちる。「自然治癒」の心地よさ
よもぎ蒸し・ハーブ蒸しサロンの魅力
冷えやストレスによる不調を抱える現代人が増える中、植物の力で心身を整える自然療法に注目が集まっています。自身の体調不良をきっかけに国内外でヨガや漢方を学んできた浅香智世さんに、本格的な「よもぎ蒸し」とヨガを組み合わせたアプローチや、人間が本来持っている自然治癒力を引き出すための体調管理のヒントを伺いました。
取材・文:藤村幸代 撮影:田中郁衣 撮影協力:Komomo Web構成:中村聡美
サロン誕生の原点は20代で経験した体調不良


━━都会のサロンとは思えないくらい木々や緑に囲まれた、とても穏やかで素敵な空間ですね。
浅香 ありがとうございます。私もサロンのお庭から緑越しに空を見上げたときなどは、力がふっと抜けるような感じでとても癒されます。
━━こちらでよもぎ蒸し・ハーブ蒸しサロンを始めるまでの経緯をぜひ教えてください。
浅香 やりたいと思うようになったのは、もう10年以上前からです。もともと、ヨガは20代の初めから始めていたのですが、23歳くらいのときに体調を崩しまして。そこから自分の身体を治すために、食事や生活習慣をすべて見直し始めました。メディカルハーブや薬膳、漢方を勉強したり、ヨガの指導者養成コースで学んだり。インドではヨガやアーユルヴェーダも体験しました。
━━そうした経験が今の活動の土台になっているのですね。
浅香 そうですね。もともとは自分の身体を少しでも良くしたいという思いから始めましたが、気づいたらそれ以上になっていたというか。インドにいたとき、アーユルヴェーダの治療院の先生に「あなたは限りなくトリドーシャに近いですね」と言われたんです。
━━アーユルヴェーダでいう「ドーシャ(体質)」の3要素が、理想的なバランスで安定している状態のことですね。
浅香 カパ(土・水)、ヴァータ(風・空)、ピッタ(火・水)という3つの生命エネルギーは、たいていはどれかに偏っているのですが、そのバランスが完璧に近いと。自分は不健康だと思って必死にやっていたのが、いつの間にか通常より元気になっている。その気づきを得たときに、「これはアウトプットしていかないと」と思いました。今は食生活にしても、添加物など色々なものに気を配らなければならない環境もあり、身体の不調を抱えている方が多いと感じます。そうした中で、皆さんの身体の根本的な底上げをしたいという思いがだんだん大きくなっていき、サロンという夢につながっていきました。
━━その夢が駒込というこの場所で形になったのですね。
浅香 でも実をいうと、最初は港区の路面店を探していたんです(苦笑)。路面店なら手作りの健康ドリンクをテイクアウトしていただけるかなと。でも、なかなか物件が見つからず、夢自体を諦めかけていたとき、知人の方を通じてこちらのオーナーさんに「うちでやれば」とお声がけいただきました。
━━初めてこちらの中をご覧になったときの印象はいかがでしたか。浅香土地勘のある場所なのに、来てみてびっくりしました。「こんなに自然があるんだ」と。スリランカのアーユルヴェーダ治療院は、海や緑など豊かな自然の中で本格的なデトックスができる滞在型リゾート施設なんですね。そのようなイメージで、心地よくて本格的なケアができる環境だなと思いました。
━━窓の外に深い緑を感じながらのヨガクラスも、とても気持ちよさそうですね。
浅香 ヨガクラスを増やしていきたいというのも、サロン設立を目指したときから考えていたことです。私自身が養成スクールに通って感じたことですが、ヨガの先生は身体の外側のことだけではなく、内側や心の面にもアプローチするとても大事なお仕事をされていますよね。そんな先生方が活躍できる場を作りたい、また、養成スクール時代に出会った仲間の皆さんにも活用してもらえるようなスタジオを作りたいという思いもありました。

外の大木や緑が見え、自然が感じられるのもこのサロンならでは
━━浅香さんご自身がこれまで学んでこられた知識や経験も、サロンでは存分に活かされそうですね。
浅香 そうですね。完全プライベートサロンというシステムもあり、お客様のお悩みをじっくり伺う時間もあります。たとえば食のアドバイスを通じて内側から整えていく大切さをお伝えするなど、「トータル健康サロン」として少しずつ形になってきているかなと思います。
こだわりの空間五感から癒す本物のケア
━━改めて、浅香さんがよもぎ蒸しやハーブ蒸しに注目されたのは、どういった理由からでしょうか。
浅香 やはり、お薬ではなく薬草の力、植物の力で整えていくという「自然治癒」の考え方が根本にあります。たとえば、私たちの身体は体温を1度上げるだけでも免疫力がアップすると言われるほど、温めることは大切です。よもぎ蒸しを通じて内側から温めることで、本来持っている健やかな状態へと導くお手伝いができればと考えています。また、よもぎ蒸しは経皮吸収という点も、やはり大きな特徴だと思います。

実際に水素吸入をする際は仕切りがあり、外の緑を感じながら周りの目を気にせずに利用できる
━━皮膚を通じて成分を直接取り入れるということですよね。
浅香 その通りで、人の身体の中でも陰部は経皮吸収率が非常に高いと言われています。アーユルヴェーダでも、温かい薬草オイルを額のチャクラの部分にたらすシロダーラという治療法がありますよね。よもぎ蒸しも、ただ汗をかいてデトックスするだけでなく、厳選した薬草の力をダイレクトに身体へ届けることを大切にしています。

ハーブ蒸しの施術風景。施術中には水素吸入も取り入れている
━━具体的に、どのような薬草を使われているのですか。
浅香 よもぎは、無農薬の飲めるお茶としても流通している高品質なものを使っています。この漢方よもぎ蒸しをベースに、その日のお客様の気分や体調に合わせてローズやカモミール、不調が強い方には薬草などをブレンドしています。また、微小な生命体と言われ、本来持っている健やかさにポジティブに働きかけるとされるソマチットの力を宿したお水を取り入れています。

よもぎは、無農薬の飲めるお茶としても流通している高品質なものを使用
━━よもぎ蒸しの個室もお洒落なだけでなく、かなり本格的な作りですよね。ここにもこだわりが?
浅香 実は、ご縁があった住職の方に作っていただいたお部屋で、建具は松の木でできています。よもぎ蒸しの椅子はヒノキを使用し、マットなどもできる限り化学性有害物質が使われていないものを選びました。よもぎ蒸しに入りながら瞑想ルームとしてリラックスしていただける空間を目指しています。

よもぎ蒸しの個室にもこだわりがあり、建具は松の木、よもぎ蒸しの椅子はヒノキ、マットなどもできる限り化学性有害物質が使われていないものを選んでいる
━━よもぎ蒸しをしながら瞑想するというのは、こちらのサロンならではのスタイルですね。
浅香 私がお勧めしている座り方は、椅子の上であぐらをかいていただく姿勢です。足の末端まで全部温まりますし、ヨガでは「気が入りやすい」と言われている、瞑想に適したポーズです。経皮吸収と瞑想を掛け合わせて、心身を全部活性化していただきたいなと思っています。
━━完全個室とのことですが、2つの個室でお友達と一緒に施術を受けることも可能ですか。
浅香 もちろん可能ですし、ペア割もご提供しています。男性については、お一人様のみのご利用はご遠慮いただいているのですが、ペアに限り受け付けていて、ご夫婦で来られる方もいらっしゃいますね。男性向けには、汗のニオイを抑えてリフレッシュできるようなハーブをブレンドするなど、柔軟に対応しています。
━━本当に細部まで徹底されていますね。
浅香 もう一ついいですか(笑)。よもぎ蒸しの間にお出ししているお茶も、私が5、6種類をブレンドした薬草茶をお出ししています。内側からしっかり、いいものをとっていただきたいので。

よもぎ蒸しの間には、浅香さんが5、6種類をブレンドした薬草茶を提供している
ここだからできる交流で心身を活性化してもらいたい
━━実際にこちらのサロンに通われている方からは、どのような反響がありますか。
浅香 おかげさまでリピーターの方がとても多いのですが、みなさんしっかりと体感を得てくださっているようです。こだわりのお水と薬草に、自然のトリートメント効果を感じるからか、寝つきやお肌の調子がよくなったというお声や、「身体の内側からの温かさが2日間くらい持続する」というお話も伺います。
━━やはり「温める」ことは私たちの身体にとって大切なのですね。
浅香 巡りが良くなることで、冷えからくる身体の重だるさや日々の違和感に悩まされていた方の中には「ここに来て温めたら、すごく身体が楽になった」と言ってくださるお客様もいらっしゃるんですよ。
━━よもぎ蒸しやハーブ蒸しの後にいただけるアフタードリンクも人気だそうですね。
浅香 高い還元力がある手作りドリンクで、お身体を整えていただこうと。また、施術中には水素吸入も取り入れています。水素は分子が非常に小さいため、身体の隅々まで行き渡るのが特徴です。使っていただいた方は「翌朝の目覚めがスッキリする」「深くリラックスできた」といった体感の変化を感じていただけているようです。

よもぎ蒸しやハーブ蒸しの後のアフタードリンクは、高い還元力がある手作りドリンクを提供。ゆったりとしたソファで外の景色を見ながらくつろげる
━━サロン内にあるグランドピアノも気になります。
浅香 もともと、こちらに置いてあったものを「演奏会をしたいので置いておいてください」とお願いしました。音治療ではないですが、生演奏の振動を五感で楽しんでいただきたくて。私自身、健康をストイックに追求するだけでなく、楽しむ心も大切にしたいと考えています。この場所が誰もが気軽に集える交流の場となれば、それも心身の活性化につながるのではないかと。

サロン内にあるグランドピアノを活用し、生演奏会も定期的に実施。「生演奏の振動を五感で楽しんでいただきたくて」
━━健康と楽しさを両立できる場所……いいですね。今後のワークショップなどのご予定はいかがですか?
浅香 現在はメディカルアロマの資格を持つ先生と「アロマヨガクラス」のワークショップを行っています。ヨガのレッスンだけでなく、ハーブティーを楽しんでいただいたり、先生特製ブレンドのアロマクリームとアロマスプレー、私からはよもぎ蒸しの入浴剤をプレゼントさせていただいたりもしています。今後は、産後の方がお子さん連れで来られるクラスや、ヨガとピラティスを組み合わせたヨガティス、またヨガの後にそのままよもぎ蒸しに入っていただけるようなセットプランも定着させていきたいですね。
- メディカルアロマ資格を持つ先生と「アロマヨガクラス」のワークショップを行っている
━━ヨガとよもぎ蒸しのセットも、自分の身体が喜んでくれそうです。
浅香 そう、ヨガでしっかり身体を動かして、血液やリンパの巡りが良くなった状態でよもぎ蒸しに入ると、より温まりますし、薬草成分の吸収もさらに良くなるなど相乗効果が期待できそうです。
━━最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
浅香 身体をケアしたい、健康意識を高めたいという方にこそ、ぜひ自然に包まれた空間でリラックスしながら、このサロンならではの細部へのこだわりを体感していただきたいと思います。私も、皆さんがより健康に、より美しくなるお手伝いができるのを楽しみにしています。このサロンを、ヨガをしている方たちが自然と集まれる場所に、そして内側から心も身体も満たされ、本来の輝きを取り戻せるような場所にしていきたいですね。
Verite(ヴェリテ)駒込
東京都豊島区駒込1-9-2樹林館1F
Instagram:@verite.naturel.ssalon
オーナー/スペシャルアドバイザー
浅香智世
あさか・ともよ
1985年7月19日、東京都出身。20代前半で体調を崩したことがきっかけとなり、名門ヨガスタジオ、ロータスエイトの指導者養成講座を始め、メディカルハーブや漢方をスクールで学び資格を取得。インドなどでアーユルヴェーダも学ぶ。2025年3月、東京・駒込に漢方よもぎ蒸しやハーブ蒸し、ヨガクラスなどを提供するサロン「Verite(ヴェリテ)駒込」をオープン。













