大会結果 コンテスト

尿検査を実施する「ナチュラルボディビル」の国際大会 ナチュラルオリンピアを目指す選手たちが東京に集結

9月22日、23日の2日間、東京芸術センター・天空劇場で「INBA/PNBA INTERNATIONAL GRAND PRIX OF ASIA NATURAL CHAMPIONSHIPS TOKYO」が開催された。

22日はアマチュア戦、23日はプロ戦を実施。大会の大きな特徴は、アンチドーピングを掲げたナチュラルボディビルディングの大会であること、そしてその先に米国・ラスベガスで行われる「Natural Olympia」という舞台があることだ。

◯ドーピング検査を行う「ナチュラル」のコンテスト

INBAはナチュラルボディビルディングを掲げる団体で、そのプロ組織がPNBA(Professional Natural Bodybuilding Association)となる。

大会初日の22日、INBA GLOBAL JAPANプレジデントの足立健さんは、選手たちに世界で競技する機会を作りたいという思いから、日本での活動をスタートしたと説明した。

「日本の小さい枠に収まらず、世界に出て活躍してほしいと思っています。日本の選手はもっともっと世界で活躍できると信じています」

足立さんが大会の特徴として特に強調したのが、アンチドーピングだった。

INBAでは大会ごとにWADAの基準に準じたドーピング検査を実施しているといい、今大会でも選手を対象に尿検査が行われた。

「残念ながらボディビルディングという世界は、クリーンな部分ばかりではございません。でも私は、このクリーンなボディビルディングがいつか主流になると信じて毎日やっております」

23日のプロ戦でも足立さんは、選手側の負担は小さくないとしながら、薬物使用の有無を検査によって確認することの重要性を説明した。

単に「ナチュラル」を名称として掲げるのではなく、検査を競技システムの中に組み込んでいることが、この大会の大きな特徴の一つとなっている。

また22日の開会式では、ヘッドジャッジを務めたダイアン・ジュジュさんが選手たちへメッセージを送った。

「ボディビルディングという競技に必要とされる規律、犠牲、継続性、そして献身は、ごく少数の人にしか理解していただけないものだと思います。今日は順位にかかわらず、このステージに立つこと自体が一つの偉業だと思ってほしい」

長期間にわたって身体づくりを続けてきた選手たちの努力を称える言葉とともに、2日間のコンテストが行われた。

◯Natural Olympiaへ 世界で戦うために必要なものとは

この大会のもう一つの特徴が、その先に「Natural Olympia」があることだ。

Natural Olympiaは毎年ラスベガスで開催されており、日本からも選手が挑戦している。

23日のプロ戦では、競技の合間にダイアンさん、足立さん、海外大会を経験したプロ選手らによるトークショーも行われた。

テーマの一つとなったのは、「日本人選手が世界で戦うために必要なもの」だった。

足立さんから「日本人の選手は世界に通用しますか?」と聞かれたダイアンさんは、この2日間で選手たちを見た印象として、十分に世界で戦える可能性があると話した。

その一方で、さらに上を目指すための課題も挙げた。

女性選手については、まずコンディショニング、つまり絞り。そしてボディビルディング競技である以上、十分な筋量も必要になるという。

特に臀部からハムストリングにかけての発達や肩の筋量、さらにビキニではXフレームを作るための広背筋などが重要になると説明した。

もう一つ、繰り返し語られたのがポージングだった。

鍛えた身体をステージでどう見せるか。ダイアンさんは、ポージング次第で順位が変わることもあるとして、トレーニングと同様に練習する必要性を訴えた。

海外大会を経験した日本人選手からも、Natural Olympiaでは日本国内以上に筋量や絞りのレベルを求められたという声が上がった。

その一方で、日本人選手の「ポージングの精度」は海外でも武器になるのではないかという意見もあった。

足立さんも、海外選手との体格差がある中で世界を目指すには、コンディショニングとポージングの精度が一つの鍵になると話した。

◯「ナチュラルボディビルはライフスタイル」

トークショーでは、「ナチュラルボディビルディングとは何か」というテーマにも話が及んだ。

ダイアンさんの答えは「ライフスタイル」だった。

薬物によるエンハンスメントに頼らず身体をつくるからこそ、トレーニングだけではない。何を食べるか、どのように休むか、どう回復させるのか。日々の小さな選択が競技結果につながるという。

「オフシーズンと言っても、本当の意味でのオフではありません。毎日の選択が大切です」

自身については、競技を始めたのは47歳だったことも紹介した。

「ナチュラルだからこそ、始めるのに遅すぎることはありません」

年齢を問わず取り組むことができることも、ナチュラルボディビルディングの魅力の一つとして語った。

◯プロ戦の男女MVPが決定

23日のプロ戦では各カテゴリーで審査が行われ、女性MVPにはビキニディーバ・オープンを制したASAKI SATO、男性MVPにはメンズフィジーク・オープン優勝のLEI TAOが選ばれた。

今大会では、規定の出場人数を満たしたカテゴリーのみ賞金が設定され、対象となったのはメンズフィジーク・オープンだった。

優勝のLEI TAOに10万円、2位のDAISUKE NITTAに5万円、3位のISAKA TAKAHIROに3万円が贈られた。

結果は以下の通り。

* スポーツモデル・マスターズ 優勝 HIROSHI IWAI
* スポーツモデル・オープン 優勝 KENTO MASUDA
* ウィメンズスポーツモデル・オープン 優勝 MURATA AYU/2位 MORIYA YUKA
* メンズフィジーク・マスターズ 優勝 HIROO NAGAI
* メンズフィジーク・オープン 優勝 LEI TAO/2位 DAISUKE NITTA/3位 ISAKA TAKAHIRO
* ビキニディーバ・グランドマスターズ 優勝 NAMI KAWAGUCHI/2位 YORIKO MIYAGI
* ビキニディーバ・オープン 優勝 ASAKI SATO/2位 NAMI KAWAGUCHI
* メンズクラシックフィジーク・オープン 優勝 SEIYA YAJIMA
* エンジェル・オープン 優勝 IIDA MAYU/2位 NAHO ARAI
* メンズボディビルディング・オープン 優勝 SOMA TANAKA

アンチドーピングを掲げ、Natural Olympiaという海外の舞台を目指す選手たちが集まった今回の東京大会。

競技人口や大会規模だけではなく、「薬物に頼らず身体をつくり、その成果を競う」という明確な考え方をどう日本で広げていくのか。

そして、この東京のステージからNatural Olympiaへ挑戦する選手がどのような結果を残していこくのか。今後の展開にも注目したい。

文・写真:FITNESS LOVE編集部

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