10月29日〜11月2日(現地時間)、スペイン・サンタスサンナで開催されている『2026 IFBB世界選手権(IFBB World Men's & Women's Championships)』で、日本代表の大谷美咲(おおたに・みさき/39)選手が、ウェルネス158cm以下級、マスターズ35〜39歳級、マスターズオーバーオールの3冠を獲得。世界選手権の舞台で日本人初となるウェルネスカテゴリー優勝を手にした。

2024年、2025年と世界選手権で2年連続銀メダルを獲得していた大谷選手。3度目の挑戦で見事頂点に立った。また大谷選手は2024年にウェルネスカテゴリーに転向する前、ボディフィットネスカテゴリーで2023年に世界選手権で同じく3冠を獲得している。ウェルネス優勝に加え、2つの異なるカテゴリーでの世界選手権優勝は日本人初の快挙だ。
ボディフィットネス世界女王から、新たな挑戦
ウェルネスは、発達した太ももやヒップなど、下半身のボリュームが特徴のフィットネス競技。筋肉の大きさに加え、くびれたウエストとのバランスや、全身のシルエットも求められる。
大谷選手がボディフィットネスからの転向にあたって取り組んだのが、下半身をさらに大きくするためのトレーニングの見直し。過去の取材では、種目を大幅に変えるのではなく、脚を鍛える頻度や組み方を調整したと明かしている。種目についても、スクワットやランジなど基本的な種目を精度高く行っていると以前の取材では話していた。
太ももの前側を鍛える日と、裏側・お尻を鍛える日を組み合わせ、下半身に刺激が入る間隔を短縮。その分、1回あたりのトレーニング量を調整し、身体の疲労や発達の状態を見ながら取り組んできた。ボディビル元世界王者の鈴木雅さんからコンディショニングを学び、それまで気づいていなかった身体の使い方にも目を向けていた。
世界2位でも感じた海外勢との「厚み」の差
ボディフィットネスからウェルネス転向初年度の2024年に世界選手権で2位。翌2025年も一般の身長別で2位。一見順調そうに見える成績だが、大谷選手自身は世界の強豪との差を感じていた。
2025年の世界選手権を振り返った取材では、「海外選手の身体の厚みや、一つひとつの筋肉の大きさに衝撃を受けた」と語っている。優勝者との点差はわずか1ポイント。それでも、本人は数字以上の差を感じていたという。
特に課題として挙げたのは、下半身の丸みや厚み、そして柔軟性だった。メダル獲得だけで満足せず、世界の選手を間近で見ることで、自らが目指すウェルネスの姿をより明確にしていた。
そして迎えた2026年の世界選手権。2年続けて獲得してきた一般の部の銀メダルを、ついに金メダルへと変えた。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史










