トレーニング mens

世界王者鈴木雅が解説「背中のトレーニングで大事になるグリップの握り方」

数あるトレーニングマシンの中でも背中のマシンはラット系、ロウイング系など種類が豊富。だからこそ、マシンの意図をしっかりと読み解いて適切な使い方をしなければ、例えば「広背筋下部を狙いたいのに大円筋に効いてしまう」なんてことにもなりかねない。ポイントは「軌道」「グリップ」「シート」「足の位置」。今回から、背中のトレーニングにおける最大限の効果を得るための方法を鈴木雅が解説する。

取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

世界王者・鈴木雅選手の背中

オーバーグリップ、アンダーグリップ、パラレルグリップなど、背中のマシンにはさまざまなグリップが存在する。また、手幅の設定も大切で、そこではマシンのストロークを把握しておくことが必要になる。なお、アタッチメントによるグリップの違いについては雑誌『IRONMAN』2019年8月号「トレーニングアップデート術」で詳しく解説しているので、そちらも参照するとより理解を深められるだろう。

オーバーグリップ(順手)

ラットプルダウンでのオーバーグリップは肩甲骨を下げにくく、広背筋上部、大円筋に効かせやすい。

アンダーグリップ(逆手)

ラットプルダウンのアンダーグリップは肩甲骨下げやすく、広背筋中部、下部に効かせやすい。

ハンマーストレングのハイロウ

ハンマーストレングのハイロウのマシンはオーバーグリップでしか握れない設計で、軌道も直線的。肩甲骨の「開く→閉じる」の動きをしやすく、肩甲骨の内側、大円筋、広背筋上部などに効かせやすい。

初心者でも確実に効果が得られる「ダイバージング機能」とは

PRIME(STRIVE)のラットマシンなどに搭載されている「ダイバージング機能」。肩甲骨を寄せると自然と腕が開くため、その動きに合わせたストロークになっている。適した手幅でハンドルを握ると肩甲骨を動かしやすい。広さはストレッチポジションと収縮ポジションとでは違ってくるため、ストレッチポジションで手幅を狭く設定すると収縮ポジションでは窮屈になり、逆に広すぎると引き切れずに収縮ができない。こうしたストロークのマシンは収縮ポジションで手幅を設定するのがオススメ。これはロウイングのマシンでも同様。なお、PRIME のこのマシンは上下の動きになるため広背筋上部、大円筋を鍛えるのに適している。

手幅が狭すぎると、収縮ポジションで肩が窮屈になる。また、逆に手幅が広すぎるとフィニッシュまでしっかりと引き切れない。


鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

◀トップページに戻る


-トレーニング, mens
-, , ,