9月10日(日)に開催された「サマー・スタイル・アワード(以下、サマスタ)東海帝王」のビキニモデルマスターズ(37歳以上)部門で優勝した小児科医の海賀千波(かいが・ちなみ/38)さん。ステージでは、肩からくびれ、腰にかけてのアウトライン、背筋の美しさと「芯のある強さ」をイメージしたポージングで一際目を引いた。
「他部門での優勝も狙っていたので、正直、不完全燃焼ではあります。自分の中でベストの状態にもってこれなかった悔しさはありますが、1部門でも優勝できたことは、前向きに嬉しいこととして捉えています」
海賀さんは、大会を振り返って、そうコメントしたが、ベティ部門での結果には悔しさを滲ませる。
「今年はベティ部門への挑戦を考えて、トレーニングや、コンディショニング、ポージングなど全てを見直して挑んだので、嬉しいより悔しい気持ちが強いかもしれません」(ベティ部門では3位)
海賀さんは、普段、小児科医として医療を支えている。「元々、趣味は仕事というくらいの仕事人間で、患者さんからいつ寝ているのと心配されるような状態」からボディメイクを始めた。
「人を健康にするための仕事なのに自分が不健康なのはどうなんだろう、という疑問がトレーニングのきっかけです。大会というものの存在も知らなくて、担当してもらったパーソナルトレーナーに出場を勧められて知りました」
「素晴らしくキラキラとした世界で、ここに立ってみたいなという憧れが湧きました。本当は人前に出るのは得意ではなくて躊躇していたんですが、思い切ってチャレンジしてみようと。そうしたら、ボディメイクによって自身の変化が進むにつれて周囲の人たちから『自分も始めてみる』と多く反響をもらうようになって、こういう環境への変化もあるんだと驚きました」
最初は、「何を目指しているの」という意見が多かったが、次第に理解され、共感、協力へと変わっていったという。その過程で、目標ができたと語る。
「コロナがきっかけで、小児の肥満がとても増えました。実は、大会の結果だけが目標ではなく、自身の成果を通して、皆さんがボディメイクの楽しさや身体を動かすことのきっかけになれたらと思っています。広告塔と言ったら言い過ぎかもしれませんが、運動習慣はいいものなんだな、というモデルケースになれればという気持ちでやっています。そのために結果を残したい、というのが根底にあるので頑張っていきたいです」
さまざまな未来を見据えた挑戦、さまざまな想いで臨む大会。いつか彼女に憧れて、ステージに立つ人も現れるであろう。
次ページ:海賀千波さんがみせた肩からくびれ、腰にかけてのアウトライン、背筋の美しさ
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
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