「体型のコンプレックスを洋服やヒールの高い靴でごまかしてきたけれど、もう限界でした」
森川真帆(もりかわ・まほ/29)さんは4年ほど前からトレーニングを始めた。
「お尻を鍛えると、脚自体は伸びなくても、スタイルよく見えることに気づきました。また、SNSでかっこいい身体を見るようになって、私もなりたい、と思ったんです」
【写真】森川真帆さんが強化した背中の広がり&お尻のビフォーアフター
ジムに入会しても何をしたらいいのかわからないところからのスタート。パーソナルトレーニングに週1、2回通ったが、すぐには自身に合うトレーナーに出会わなかったという。
「住んでいる山梨と、実家のある東京でいろいろなトレーナーさんに見てもらいましたが、あまり効果を感じることができませんでした。諦めかけていたとき、今のトレーナーさんに出会いました。わかりにくいところを徹底的にやってくれるんです。筋肉がないところの感覚がなかなかつかめなかったのですが、効かせる場所を触ってもらうと意識がそこにいくので上達が早かったです」
お尻と肩、背中の広がりなど、目に見える変化は通って2カ月くらいで現れた。「もっとこれから」というところで妊娠がわかり、ボディメイクではなく気分転換のトレーニングになったという。
「妊娠でいったん中断。でも、こうやれば変わるんだっていうのがわかって自信が持てたので、妊婦になったときも不安はありませんでした。逆に、産後のダイエットとボディメイクが楽しみで、出産後、『最短で変わってやろう』というモチベーションになりました」
そして産後1カ月半でトレーニングを再開。
「気持ちはすぐに強度を上げたかったのですが、想像以上に出産のダメージを感じました。怪我や不調につながってはいけないので、自重から始めて徐々に重さをつけていきました」
コンテストには妊娠前からあこがれがあったという森川さんは、2022年にスポルテックカップを見に行った。
「ボディメイクするなら結果がほしいと思っていました。スポルテックカップで初めてビキニフィットネスの選手を見たとき、『私もあの舞台に立って優勝してアーノルド(※)に行く!』と心に誓いました。まずは着実に目の前の大会で結果を出すことですが、『世界の舞台に行く!』という思いでいつもトレーニングしています」
(※)IFBBアーノルドクラシックヨーロッパ・・・アーノルド シュワルツェネガーが始めた国際大会で、スポルテックカップをはじめとするJBBF主催大会の成績により出場権が得られる。
「産後のボディメイクでどこまでいけるか試したかった」と、出産後1年8カ月で大会に初出場。
「東京選手権、関東選手権、東日本選手権で入賞し、オールジャパン出場までいくことができたので、初年度にしては良かったのかなと思っています」
トレーニングのコツをつかみ、現在は自分でトレーニングメニューを考えているという森川さん。
「子育てがあり、長時間のトレーニングができないので、今は週5、6回、1時間~1時間半くらいです。脚とお尻、背中、肩、胸と腕の4分割のトレーニング。海外のビキニ選手を見て、サイドから見たときにセパレートがあったほうがいいのかな、と思ったので腕のトレーニングを今年から入れています」
「食事は1日4食で、基本的には1年中同じものを食べ、量を調整しています。ベースは1食目が全卵3つ、ご飯120g、2~4食目が鶏胸肉120g、ご飯120g、お味噌汁。4食目は魚に変えることもあります。子どもには別のメニューを作っているのですが、子どもはママと同じものを食べたいと思うみたいで、ブロッコリーや鶏胸肉を一緒に食べています。カレーを作っても鶏胸肉を欲しがるんです」
体型のコンプレックスは解消され、なりたい身体が変わってきて今は理想の身体に向けてがんばっているそうだ。
「トレーニングを始めて、メンタルの変化が一番大きかったです。スクワットをしていて『これよりつらいことがあるのか?』と思うと、日常生活の小さな悩みがあまり気にならなくなりました」
そんな森川さんはアナウンサーで、ラジオDJの仕事もしている。
「ありがたいことに、番組で私のトレーニングの話や減量・大会の話を聞いて、筋トレを始めるきっかけにしてくださる方や、モチベーションにしてくださる方がいらっしゃって、そういった方たちの期待に応えたい、結果を出して成長している姿を見せたいという思いがあります。アナウンサー界で一番筋肉のある美ボディな人になりたいです!」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材:あまのともこ 撮影:中島康介 写真提供:森川真帆