5月24日、パピヨン24ガスホールで『マッスルゲート博多大会』が開催された。ビキニフィットネス一般の部で見事、優勝を手にしたのは、赤井夕莉亜(あかい・ゆりあ/25)さん。大会に向けてのトレーニング内容や減量法、そしてこれまでの歩みについて話を伺った。
過去には、「顔が饅頭みたいやな」と当時の彼氏に言われ、深く傷ついた経験もあったという。そんな赤井さんが大会出場を決意したきっかけをこう語ってくれた。
「初めて観に行ったJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)の大会で、ビキニフィットネス部門で優勝された方のティアラを見たとき、『あのティアラが欲しい!かわいい!』と思ったんです。それが始まりでした」
純粋な憧れから始まったボディメイク。しかしその想いはやがて本格的な挑戦へと変わっていった。今回の大会へ向け、どのようなトレーニングを積んできたのか。
「週5で1〜2時間、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)を取り入れてしっかりトレーニングしました。体幹を強くするためにピラティスも始めました。特にブルガリアンスクワットはお気に入りで、フォームを安定させるためにも身体のケアを大切にしていました」
マシンだけに頼らず、フリーウエイトも積極的に取り入れ、基礎を大切にするスタイル。そして赤井さんの強みは、トレーニングだけではない。身体のケアにも細やかな配慮をしていたのだ。
「ケアは筋膜リリース、ストレッチ、4Dストレッチマシンなどセルフケアを中心に行っています。実家が鍼灸整骨院なので、そこでもメンテナンスを受けながら、セルフケアと外部のサポートをバランスよく取り入れていました。睡眠も大切にしていて、最低でも7時間、長いときは10時間以上。睡眠の質も意識していて、足りない日は仮眠も取り入れています」
また、食事に関しても柔軟な考え方があった。
「好きなものは我慢しないようにしています。減量中でも、内容に気をつけながら外食も楽しんでいました」
ボディメイクと向き合う中で、もっとも大切にしているのは“心の在り方”だったという。
「トレーニングは毎日でもしたいほど大好きです。だからこそ、心と身体の声に耳を傾けて、必要なときはしっかりオフを取るようにしています」
「ダイエットを始めたばかりのころは、知識がなかったので“とにかく痩せなきゃ”という思いで、空腹状態でランニングと筋トレをしてガリガリになってしまいました。でも、今はボディメイクについて勉強したおかげで、オフの時期でも、どんな身体でも自分のことが好きでいられるようになりました。楽しく続けることが一番大切だと思っています」
そして、今後の目標についてこう語ってくれた。
「選手として挑戦を続けながら、私に関心を持ってくれる人が増えたらうれしいし、『話してみたい』と思ってもらえる存在を目指しています!」
かつての悔しい言葉を糧に、自分自身と向き合い、心と身体を磨き続けてきた赤井さん。これからも自分の信じる道を歩み、多くの人に勇気と希望を与えてくれるに違いない。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究中。
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取材:佐藤佑樹 写真提供:赤井夕莉亜