新たなカテゴリで結果を残すのは、歴代チャンピオンという“目標値”がないだけに、難しい挑戦。でも、「前例がないからこそ、この部門にエントリーした」という選手も中にはいる。TrendのMONARCHクラス(女子・40歳~無制限)で500点満点を叩き出し優勝、Trend部門の女子総合優勝にあたる「Champion of the show Ladies」も獲得した森尾真己選手(40)が、その一人だ。
「エンターテイメント性の高い演出のなか、鍛えられた肉体美、美しく磨かれた健康美を競う」をコンセプトとするボディコンテスト『Super Body Contest(SBC)』が3年目の今年、新カテゴリの「SBC Trend(Trend)」をスタートさせた。
男子はトータルバランス、女子は健康的なスタイルが審査ポイントになるのは、これまでのSBC部門と同じだが、Trend部門はSBC部門より細身のボディも対象となる。初心者でも出場可能な新部門の設置には、「より多くの人に大会に参加してもらい、安心して楽しんでもらいたい」との主催者の願いが込められている。
3月20日(土・祝)、埼玉県・所沢市民文化センターミューズマーキーホールで開催された2021年の開幕戦『Super Body Contest SAITAMA00』では男子24名、女子26名が4クラスに分かれ、Trend初代チャンピオンの座を競った。
「一昨年、SBCに出たときから、このTrendという部門を心待ちにしていました」
初代女王に輝いた森尾真己選手に大会後のバックステージでお話を聞いた。ステージで観客を魅了した長い手足や、8頭身、いや8.5頭身にも見えるプロポーションは、至近距離でもオーラを放つ。
「私が好きなのは、インナーマッスルは鍛えられていながら表面は柔らかい、女性らしい身体です。Trend部門の基準は、まさに私にとっての理想の体型でした。今回が初めての開催で、過去の選手はいない。だからこそ、何としても自分が思い描いている“Trendの体型”で優勝したいと思いました」
理想の身体づくりのポイントは2つ。重量をあげる筋トレより身体のアライメントを整えるピラティスを重視したエクササイズ、そして毎日の“食”だ。
「基本的に減量はいっさいせず、血糖値コントロールをしたり身体の機能に合わせたメニューにしたりなど、バランスの整った食事を続けています。極端に食べたり、食事を制限したりというオン・オフはつけないようにしていて、普通に糖質もとりますし、昨日の夕方もロールケーキを美味しくいただきました(笑)」
地元の福岡県で17歳からモデルを始めたが、体型へのコンプレックスからダイエットとリバウンドを繰り返した時期もあった。そんな自身の経験や反省を活かし、現在はモデル業と並行してピラティスやウォーキング、食事などの指導も行っている。
「ボディコンテストでも、大会前に過剰な減量をしてしまったり、栄養バランスが取れなくなったりするのは個人的にお勧めできません。健康のためにふだんから心身を整えた状態で、無理のない身体づくりをする。Trendというカテゴリーだからこそ、そういうことも発信できるのかなと思います」
しなやかで強いスレンダーボディはもちろんのこと、「心身ともに健康で美しく」という生き方そのものも、Trend部門を目指す選手たちの“目標値”となるか。
取材・文:藤村幸代 写真:FITNESSLOVE編集部
執筆者:藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住。
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