コンテスト

2年間で筋肉を8㎏も増加させた!?話題の豆タンク杉中とは

まず、結論を言うと、日本ボディビル界で活躍する選手の中に柔道経験者は多い。そして、現日本王者である相澤隼人選手もまた、神奈川県の強化選手にも指定された柔道出身の一人である。また、2001~04年で日本選手権を優勝した田代誠選手もその一人。今名を挙げたのは2人にとどまるが、まだまだ数多くいる。バックボーンで柔道を行ってきた選手は才能が早くから開花するものが多く、今回紹介する21年の東海ボディビル選手権王者・杉中一輝選手も若手でありながら、重厚感あふれる重い筋肉と強大なパワーを持つ。では、その杉中選手とはいったいどんな人物で、どのようにしてその肉体にまでたどりついてきたのかを取材した。(月刊ボディビルディング2021年11月号から引用修正)

取材:月刊ボディビルディング編集部 写真:中島康介

▶短期間で作った重厚感あふれる肉体を持つ杉中選手とは【フォトギャラリー】

杉中一輝選手の肉体

「木澤大祐選手にいろいろ教わっていく中で強度が上がり、どんどん筋肉が成長していきました」

柔道を3歳から18歳までしてきて、高校1年生のときの補強で初めてベンチプレスに触れました。周りは90~120㎏上げる選手ばかりの中、自分は最初マックス40㎏しか持てなくて、とても貧弱な身体をしていました。それが悔しくて、練習終わりにベンチプレスを365日続け、高校を卒業する頃には167・5㎏まで挙げることができ、自分の高校で1番になれました。当時道場の隣がウエイトリフティング部で、そこに1つ下の後輩である岡玲治選手がいて、ボディビルを目指してトレーニングをしており、自分もいろいろ教わりながらトレーニングをしていった感じです。それからトレーニングの楽しさを知り、柔道を引退した後、自宅の近所にあるフィットネスジム通うことにしました。そのときのトレーニング内容は胸と腕だけで、とにかく自分の見えるところだけをやればいいという考えでした。今の強みの脚はボディビルに出ると決めるまでは一度もしていませんでした。柔道の補強のバーピージャンプくらいだったと思います。

杉中一輝選手

今現在の分割は6分割で行っており、月曜から脚前・脚裏・胸・背中・肩・腕・日曜がオフという形でトレーニングしています。こだわりとしては、とにかく毎週重さ、回数を1レップでも1㎏でも重くできるようにしています。特に最初の2~3種目まではとにかく重さを重視しています。その最初の3種目がメインというイメージで4~5セットずつ行い、最 初の1~3セットは同じ重さで行い、4~5セット目は少し重さを下げて行います。例えば8レップ狙いの種目なら1セット目8レップ、2セット目7~8レップ、3セット目6~7レップと下がっていくので、4~5セット目は少しだけ重さを下げてまた8レップ目で限界が来るようにして、少し効きも良くなる感覚で行います。そして最初の3種目以降の種目は2~3セットしかやりません。仕事で時間がないときは最初の3種目で終わるときもあります。
昔はノートも取っておらず、毎日やりたい種目でダブルスプリットでやっていましたが、全く成長を感じませんでした。2019年から木澤選手のジムで働けることが決まり、いろいろ教わっていく中で1部位週1回になり頻度が減りましたが、強度が上がりどんどん筋肉が成長していきました。仕上がり体重も木澤選手と出会う前の東海大会時は約67㎏だったのが、今年は74~75㎏ぐらいで、約8㎏も重くなっていて驚きました。なので木澤選手には本当に感謝しています。

杉中一輝選手

減量期間は、増減が10㎏を超えていることもあり、8月の大会前の半年前の2月から減量に入ってじわじわ落としていった感じです。自分の場合、何個も大会に出るって決めると、後の大会のために出だしが緩めになり、気疲れして大会に出るにつれてカロリーを落としていっても、疲れのせいかスイッチが入らないため、どんどん甘くなってしまいました。合戸選手や谷野選手にも「もう少し仕上がれば全然上に行けるのに」と同じことを言ってもらえたので、まずは仕上げることですね。次からは出ても2大会ぐらいにして、1つの大会に集中して減量していこうと考えています。
今後は、まずはジャパンオープンで上位に入ることが目標です。昨年は木澤選手に勧められて出て、結果12人に残ることができました。今後はジャパンオープンをメインに、今年より更にサイズをつけてハードに仕上げて出たら、もっと上の順位を狙えると思うので、今後のトレーニングにかかっていますね。また、その先の目標は、日本選手権でファイナリストになることです。できれば木澤選手が引退される前にファイナルに残って、同じステージでポーズをとることが今の夢でもあります。そのためには、まずはジャパンオープンや日本クラス別で成績を残さないと、日本選手権のファイナリストになるのは難しいことだと思うので、その2つのタイトルを獲ることが目標です。

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佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手