「呼吸」は赤ちゃんが外の世界に出てきた瞬間から、生きるために誰に教わることなく自然にできてしまうもの。
しかし現代人は、長時間のPCやスマホ使用や日々のストレスなどが原因で、呼吸が浅くなりがちです。誰にでもできる呼吸は、本来、誰かが教えるものではないからこそ、今の自分の「呼吸の質」を自覚し、質の良いものに変えることが意識が必要です。
今回は、マスタートレーナー菅原順二さんから、「呼吸がしやすくなるプログラム」をShiecaさんと一緒に学んでいきましょう!
呼吸がしやすくなるプログラム
① 最初の腹式呼吸、胸式呼吸でお腹や肋骨の硬さを確認。
② 1~4を順番に行う
③ 最後にもう一度、腹式呼吸、胸式呼吸を行う。
★1回目と2回目の腹式呼吸と胸式呼吸の違いをしっかり感じましょう。
鼻から吸って口から吐くことを基本とし、回数などは気にせず、心地よいと感じるまで行いましょう。現状把握のためにも毎日行なうのがベスト。
腹式呼吸
1 息をゆっくり吸いこみ、肋骨の下から骨盤、さらに脇や背中と腹部全体を360度、まんべんなく膨らませる。
2 お腹がぺしゃんこになるまで、ゆっくり息を吐き切る。
ポイント 膨らみづらい部分に手を添えると意識を向けやすくなる。
胸式呼吸
1 息をゆっくり吸いこみ、肋骨を広げるイメージで胸部、脇、背中を膨らませる。
2肋骨をまっすぐ下げていくイメージで息を吐き切る。
ポイント 肋骨を両手で押し、それを押し戻すように膨らませていくと肋骨をコントロールする感覚がつかめる。
1.肋骨ほぐし
正座の姿勢で座り、やや前傾姿勢をとったら、両手の指を左右それぞれの肋骨に差し入れ「ハ」の字に沿ってプッシュしていく。
肋骨まわりの筋肉表面をゆるめるイメージで。ムリに差し入れないこと。
2.ニースウェー
仰向けになり両膝を曲げる。
両腕は手のひらを下にして体の両脇に置き、ゆっくり息を吸う息を吐きながら肋骨をひねるようにして両膝を右に倒していく。
息を吸いながら1に戻ったら、再び息を吐きながら両膝を左に倒していく。
3.ライオンドリンキング
1 四つん這いで両手をやや内向きにして床につく。
息を吐きながら胸郭を閉じつつ、肩甲骨を開くようにして背中を丸めていく。
2 息を吸いながら肘を曲げていき、肩甲骨を寄せつつ胸郭を大きく開く。
4.シーテッドマーメイド
1 あぐらをかき、右腕を真上に、左腕を斜め下にのばす。
息を吸いながら、背骨を上に引き上げるイメージで上半身を伸ばしていく。
2 息を吐きながら、右腕を遠くへ伸ばすイメージで右の体側を気持ちよく伸ばしていく。目線は下に。
★1~4まで行ったらもう一度、腹式呼吸と胸式呼吸に戻って、ビフォーアフターの身体の違い(肋骨の硬さ)をチェックしましょう!
菅原順二
1978 年10月28日、東京都出身。
全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)/Body Element Pilates マスタートレーナー/トレーニングスタジオ アランチャ代表。
法政大学ラグビー部でプレー後、単身ニュージーランドへ渡りNZISに入学、トレーニング学などを学ぶ。帰国後ピラティスと出会い、マスタートレーナーの資格を取得。
パーソナルトレーナーとしてラグビー選手、プロ野球選手などトップアスリートを指導するかたわら、全国を回りピラティス、マスターストレッチ、ボディキー、呼吸法などをレクチャーしている。
パーソナルトレーニングスタジオ アランチャ公式サイト http://www.arancia78.jp/
シエカ
1979 年生まれ。フィットネストレーナー/ReebokONEアンバサダー。運動経験ゼロであったが、体型の崩れをきっかけに2007年、27歳で筋力トレー
ニングを開始。
JBBFボディフィットネスに出場し、東京・関東(初代)・東日本(初代) 大会チャンピオンとなる。
2010年に全日本大会準優勝、11年東アジア選手権代表に選出。実体験も交えながら、トレーニングや食事など日々のケアを提案する活動を展開中。
取材・文 藤村幸代
撮影 中原義史
Yoga&Fitness vol.05 掲載
-コンディショニング, フィットネス
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