いまだ終息の見えないコロナ禍。ジムが休館したことでトレーニングの場が失われ、‟筋トレ難民” となったトレーニーも多い。この状況下で、トップビルダーはいかなる考え方でトレーニングと向き合っているのか。日本のトップオブボディビルダー・須山翔太郎選手に聞いた。(IRONMAN2020年6月号より修正引用)
取材:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩
須山翔太郎選手が実践するチューブトレーニング・腕
➀プレスダウン
ゴムチューブをフックなどにかけ、麺棒と組み合わせることでプレスダウンが可能になる。他にもオーバーヘッドエクステンションやキックバックなど、上腕三頭筋の種目はチューブでもかなりできる。
②バイセップスカール
チューブトレーニングも麺棒一本あればバリエーションはかなり広がる。バイセップスカールもそのひとつ。
③ハンマーカール
チューブの巻き方にコツがある。手の上から巻くようにすると、はずれにくくなる。これはオーバーヘッドエクステンションなども同様。
須山翔太郎選手が実践するチューブトレーグ・胸、背中
➀プッシュアップ(自重)
代表的な自重種目であるプッシュアップにも手の握りにコツが。「拳立て」ではなく、拳をつぶした状態で行う。手の向きは「ハ」の字。手幅は下したときに前腕が床に対しておおよそ垂直になる幅。従来のフォームで手のひらを床につけると肩に刺激が入りやすくなる。また、ベンチプレスではそこまで手首を寝かしてバーを持つことはない。プッシュアップでもベンチプレスと同様な状態を保てるよう、手首は寝かさずに、拳をつぶして親指を床につけた状態で行う。「拳立て」では拳が痛くなるが、つぶして親指で支えることで動作しやすくなる。
②ラットプルダウン
フックにチューブをかけて行う。フックを用いることで「上から引く」種目も可能になる。
③ベントオーバーロウイング
家トレでは難しい背中のトレーニング。チューブと麺棒があればベントオーバーロウイングもできる。ゴムをしっかりと踏んで固定し、麺棒を握って行う。
須山翔太郎選手が実践するチューブトレーグ・肩
➀サイドレイズ
サイドレイズはチューブを握るのではなく、手の甲にチューブをかけて行う。そうすることで肘でリードしやすくなる。
②リアレイズ
リアレイズは屈んだ状態で行うためスタートではチューブが弛みがち。弛まないようにすると、今度は上体が起き上がってしまう。ポイントとしては、実施する反対側の足(左手で行う場合は右足)でチューブを踏むこと。そうすることで可動域が取れるようになる。
次回は➤下半身のチューブトレーニングを紹介!
すやま・しょうたろう
1981年9月26日生まれ、東京都出身。身長172㎝、体重77kg(オン)78.5㎏(オフ)
10代のころからボディビル大会に出場し、日本ジュニア選手権で優勝。22歳で出場した東京ボディビル選手権では当時歴代最年少で優勝を成し遂げた。日本選手権には2007年から出場。
主な戦績:
1999年日本ジュニア選手権優勝、2004年東京選手権優勝、2015年 本クラス別選手権80kg以下級優勝、2016年世界選手権75kg以下級3位、2017・2019年日本選手権2位、2021年日本選手権3位
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。