2月18日(土)、19日(日)の両日、神奈川・カルッツかわさきで『マッスルゲート神奈川』が開催された。2017年江ノ島からスタートしたマッスルゲートは新人選手が出場しやすいことから、ボディコンテストの登竜門として知られており、初日の18日にはウーマンズレギンス年齢別、メンズタンクトップ、ボディビル新人の部、ドリームモデル、メンズフィジーク新人の部の各カテゴリーが行われた。
ボディビル、メンズフィジークは新人の部のみの開催となったが、特に17名がエントリーしたボディビルは新人らしからぬハイレベルな戦いに。激闘を制した須藤大地選手(33)は、ボディコンテスト初挑戦ながらダブルエントリーしたメンズフィジーク新人の部でも168cm以下級で2位となるなど大健闘だった。
自転車競技を題材にした漫画『シャカリキ!』の影響で、高校、大学時代は自転車のトラック競技に打ち込んでいた須藤選手。ボディビルに興味を持ったのも、この頃だった。
「大学時代にボディビルダーの鈴木雅さんのDVDを見て凄いなと思っていて。ちょうど地元福島の郡山でセミナーがあったので実物を見に行ったんですが『人間じゃない。自分もこんな身体になりたい』と」
しかし、大学卒業後は自衛隊に入隊。多忙な日々が続いたことから本格的なビルドアップの機会はおのずと遠のいた。
「やっぱりボディビルに挑戦したい、時間を見つけながらやってみようと思い立ったのが3年前のことです。幸いなことに、職場でも理解を得られましたし、何より妻にサポートしてもらったことは大きいです。貴重な休みの日に家族との時間を大切にしなくちゃいけないところを、『ボディビル頑張っていいよ』と言ってもらい、気兼ねなくトレーニングに打ち込むことができました」
周囲への感謝を表すために、初挑戦といえども結果を残したい。その思いがステージ上での迫力のポージングにつながった。
現在は海上自衛隊で水上艦艇を仕事場とするが、ボディビル競技が仕事に活かされることも多いのだという。
「特に自己管理能力がついたことは大きいです。船乗りに一番必要なのが、どんな過酷な状況下にあっても自分の職務をあきらめないこと。それは、あと1レップをあきらめずに完遂するトレーニングとリンクするところがあると思います」
今年の目標は来年の神奈川クラス別選手権と定めた。新鋭ボディビルダーは焦らず、あきらめず、学生時代からの夢を一途に追う。
取材:藤村幸代 撮影:中島康介
執筆者:藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住