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最年長61歳がステージで魅了。東京クラス別覇者が今大会にかけた想いとは

林智砂選手6月24日(土)、『JBBF第37回東京クラス別ボディビル選手権大会』の女子フィジーク158cm以下級で林智砂(はやし・ちさ/61)選手が栄冠に輝いた。今大会に出場した女子選手の中で最年長とは61歳とは思えない若々しさが持ち味。決勝審査でのフリーポーズでは、脚の屈強さとつま先まで洗練された細やかな動きの対比が絶妙だった。人柄の明るさが印象的な林選手だが、途中苦難も経験したようだ。

【写真】林選手の細部まで洗練された動き

「減量開始から2ヶ月経っても体重が変わらず、どうしようかと思っていた。また、代謝の低下に伴って浮腫みの課題もあった」

そんな時に支えになったのが周囲の選手仲間だった。同じ女子フィジーク選手たちのアドバイスを得て食事を見直し、白米と牛赤身肉に変更した途端、絞りが進んだという。“自分にあった食材”を見つけることの重要性がわかるエピソードである。

「みんなとは仲良くしていて、『今度は私が勝つ番よ』って(思いながら大会に出た)」

女子フィジーク選手の数は他のカテゴリと比べると多い方ではない。同じ少数精鋭の仲間がいることは心強いということか。

さらに、今回の大会には特別な想いがあった。実は、林選手らが家族ぐるみで親しくしていた知人が先日亡くなり、ちょうどクラス別当日に通夜が執り行われることになったのだ。

「お通夜には参列できないけれど、天国で見ていてね、という気持ちで舞台に立った。あの子も喜んでくれていると嬉しい」

奇遇にも今年5月には東京ボディビル・フィットネス連盟理事長だった宮畑豊氏が亡くなり、クラス別大会冒頭には黙祷が捧げられた。身近な人を亡くしてもやり切ると決めたことを貫き、それをもって故人への哀悼の意を示す。インタビューで見せた笑顔に、林選手の芯の強さが垣間見えた。

林智砂選手の大会シーズンは始まったばかり。今後の活躍にも注目がかかる。

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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

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