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丸々とした肩とバキバキの腹筋!新ジュニア日本王者が涙ながらに語る“師との約束”

石山 檀さん嬉し泣きなのか、それとも悔しさのあらわれなのか、第三者の視点からは判別がつかないほど、試合後のバックステージで涙で顔をくしゃくしゃにする男がいた。7月30日、石川県金沢市・文教会館で開催された、23歳以下のフィットネス競技者の頂点を決するオールジャパン・ジュニアフィットネス・チャンピオンシップス 2023。そのメンズフィジーク172cm超級の覇者、石山 檀(いしやま・だん/21)選手である。

【写真】石山 檀さんの丸々とした肩とバキバキの腹筋

「今回の大会には、いろんな思いを持って臨みました」

学生ボディビルの名門、日本体育大学ボディビル部の3回生。競技者としては、他の部員たちの先頭に立って闘わなければならない立場にある。ところが——。

「僕はこれまで、6回も2位になっているんです」

ボディビルやメンズフィジークなどのコンテスト競技では、順位発表の際、下位の選手からゼッケン番号と選手名がアナウンスされていく。そこで最後に残った2選手。どちらかが優勝で、どちらかが2位。この緊迫した局面で、石山選手はある種のトラウマを植え付けられた。

「そこで僕はいつも優勝者の隣に立ち、先に名前を呼ばれるということが続いていました。今回もまた、僕の名前が呼ばれるんじゃないかって……」

日体大ボディビル部の顧問、“バズーカ”岡田隆先生は、何度優勝を逃そうと、これまでずっと石山選手を励まし続けてきた。現在、岡田先生はイスラエルに滞在中。今年の世界ジュニア選手権大会の開催地はスペイン。このオールジャパン・ジュニアフィットネス・チャンピオンシップスは、世界ジュニア選手権大会への切符が懸った重要な一戦だった。戦前、石山選手が岡田先生から受け取ったメッセージ。そこには「お前を世界大会の会場で待っているからな」と綴られていた。

「先生は大会があるたびに、その日の朝にメッセージをくれるんです。その期待に応えられない自分が嫌だったんですが、今回やっと応えることができました」

これが人生初で初めて獲得した金メダルだという。試合後、両目からこぼれてきたのは安堵の嬉し涙。この秋、石山選手は胸を張って約束の地に向かう。

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取材:藤本かずまさ  撮影:中島康介 

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