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圧倒的な逆三角形でジュニアメンズフィジークを制した21歳が考える「逆三角形のカラダの作りかた」

浦川天聖選手(撮影:中島康介)細いウエストから広がる背中で、見事なまでの逆三角形を作り上げた浦川天聖(うらかわ・てん/21)選手。2023年7月30日(日)に開催されたオールジャパンジュニアフィットネスチャンピオンシップスのメンズフィジーク172㎝以下級において、昨年のIFBB世界男子選手権のメンズフィジーク173㎝以下級で4位入賞の実績を持つ優勝候補筆頭・川中健介選手を破っての優勝、その勢いのままにオーバーオール優勝にも輝いた。日本のメンズフィジーク選手の中でも有数のプロポーションの良さを武器に戦う浦川選手が、「ただドスンとしたデカい身体」にならないためにトレーニングで意識しているポイントに迫った。

【写真】浦川天聖選手の細いウエストから広がるザ・逆三角形の肉体

――浦川選手が筋トレを始めたきっかけとは?

「中学3年生の時に、友人宅にアブローラーがあって、やろうとしたらできなかったんです。それが悔しくて、アブローラーをできるようになりたいと思ったことがきっかけです」

――その中で、大会に出始めたきっかけは何だったのでしょうか?

「2017年にYouTubeで見た、オールジャパンの時の湯浅幸大さんに魅せられて、オールジャパンを目指し始めました。当時は『6~10年後に出場できればいいな』と思っていました」

――昨年からオールジャパンに出場されているので、予定より早めの出場となりました。

「そうなんです。理由は、SNSが思ったよりも伸びて注目度が上がり、早めに出ておかなければいけないような空気感を感じてしまったためです(笑)」

――浦川選手といえば、何といってもそのザ・逆三角形の身体です。特にウエストはかなり細いと思いますが、ウエスト周りをタイトに保つ工夫はされているのでしょうか?

「正直に言うと、この部分に関しては骨格によるものが大きいので、遺伝だと思います(笑)。ただ、ポージングでの呼吸の仕方を工夫し、腹筋をコントロールすることでより細く見えるようにはしています」

――具体的にその方法とは?

「8割ほど息を吐きながら白線に向かって腹筋を集め、最後にその集めた腹直筋をクランチの初動の要領で横に引き伸ばして形を整えるイメージです。大会前日に見つけた方法なのでまだ言語化が下手ですが(笑)」
(白線:カラダの正中線上にあり、腹直筋を左右に区切っている腱のこと)

――浦川選手にとっての「メンズフィジーク」らしい体型とは?

「広い肩幅で、丸い腕と肩、細いウエスト、広い背中、ほどよく発達した僧帽筋上部、顔幅程度の太さの首、綺麗な腹筋、面積の広い胸を併せ持った身体です。加えて、雰囲気の爽やかさも非常に重要だと思います」

――その理想の身体に近づくために、トレーニング中に意識されていることはございますか?

「基本的にどの部位に関してもPOF法をベースにメニューを組んでいます。ただドスンとデカいだけの筋肉を目指しているワケではないので、高重量を振り回すだけでなく、バランスよく様々な局面で筋肉への負荷を与えることは意識しています。なので、その局面によって、狙うレップ数もバラバラです。丁寧に動作する種目もあれば、チーティングを使って高重量を扱うような種目も取り入れています。加えて、ネガティブで気を抜かず、筋肉への刺激に集中することはかなり意識しています」
(POF法:ポジション オブ フレクション法の略称。トレーニング動作時、ストレッチ地点、中間地点、収縮地点で得られる負荷の大きさは種目によって異なるが、その3地点それぞれで最大負荷がかかる種目を選択し、組み合わせるトレーニング方法)

――浦川選手のような綺麗な逆三角形の身体を作りたいと考えている方々へ向けたアドバイスはございますか?

「より筋肉の表面積を大きくするイメージを持ち、広い可動域で行うよう意識した方がいいと思います。あとは、怪我をしてしまっては元も子もないので、そこの意識だけは忘れないようにしてください」

――最後に、今後の競技での目標をお聞かせ下さい。

「まず今年の世界ジュニアで優勝したいです。そして1~2年以内にオールジャパンとグラチャンで優勝し、正真正銘の日本一になることが目標です。その目標の達成のために、これまで継続して行ってきたことは続けつつ、他者の意見も柔軟に取り入れながら、よりメンズフィジークらしい身体、考え方を作っていこうと思っています」

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取材:FITNESSLOVE編集部 撮影:中島康介

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