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「大胸筋が歩いてる!」ボディビル1年目にして2部門を制覇した超新人!トレーナーは日本王者・相澤隼人

井野洋介選手(撮影:北岡一浩)大会初出場で2部門優勝。8月20日(日)に開催されたマッスルゲート東京ベイ大会にてボディビル新人の部と75kg以下級で1位を獲得し、「こんな新人がいてもいいのか」と会場を沸かせた井野洋介(いの・ようすけ/44)選手。感想に一言、「やりきった」と答えた。

【写真】井野選手のバルク・ストリエーション共に半端ない大胸筋

「筋トレ歴は20年と長いのですが、学生時代にハンドボールをやっていた関係で、『当たり負けしないように』とウエイトを始めたのがきっかけです。市営ジムでの見よう見まねの完全な我流トレからはじめ、他のジムに移籍してもなかなか大きくならず、『本気の人達に揉まれよう』とゴールドジムに飛び込んで本格的にトレーニングをしましたが、そこでも『ジムによくいるちょっとデカい人』くらいでした」

そんな井野選手が劇的な変化を遂げたのは一年前に遡る。

「現日本王者・相澤隼人選手のセミナーを受けて、初めて生のボディビルダーを見て圧倒され、気づいたらパーソナルトレーニングを申し込んでいました(笑)。メニュー作りからフォーム修正、重心、腹圧、呼吸、握り、弱点の克服、食事、ポージングに至るまですべてを指導していただきました。その中でも、私は柔軟性がなくて、可動域がとても狭かったので、サンクトバンド(身体の歪みを矯正したり、動きをよくするゴムバンド・テープ)を用いたコンディショニングは特に効果があり、動きがスムーズになったことで、今まで効かせることができなかった部位にも入るようになり、筋肉のつき方が変わり、自分でも驚くほど身体が変わりました。怪我の心配も減り、トレーニングが継続できたのも大きかったと思います」

また、井野選手のトレーニングは非常に長時間に及ぶことが特徴である。

「長すぎても逆効果というデータもありますが、全く気にせず一日3時間、週5日。相澤選手のメニューに加えて自分で試したいメニューもやるので、特に弱点である脚などは10種目はやります。『集中力もつの?』と聞かれますが、元々運動が好きで身体を動かさないと気持ち悪いくらいなので、むしろ楽しくやっていますし、しっかり結果も出ています。」

「あと、相澤選手と同様にお世話になった方で、ゴールドジム横道馬車店の藤原健一さんが週1回、自身の時間を割いてくださり、つきっきりでポージングを教えてくださいました。全日本クラス別の55kg級などに出場している現役ボディビルダーであり、JBBF一級審査員の資格を持つ方からの指導は、審査員目線でどう見られているのかを知る上で、非常に勉強になりました。現役ボディビルダーのトップである相澤選手、審査のプロである藤原さん、両者からの支援なしでは、今回の成果は考えられません。本当に感謝しています」

今後の目標については、意外な回答が返ってきた。

「今年の大会出場は今のところ考えていません。普通ならジャパンカップなどに向けてと意気込むのかもしれませんが、自分はまず休んで、食事もトレーニングも楽しみたいです。その延長線上でまた大会に出たいなと思えたら、来シーズンくらいにチャレンジしたいなと思います」

「僕には子どもが2人いて、トレーニングに費やす時間が長くなるほど妻に負担がかかってしまいます。今回の出場に際して、妻や家族にはいっぱい迷惑をかけてしまったので、『ボディビルの前に父親』という意識を忘れないで、今後はもっとトレーニングの効率性の向上も図っていきたいです。当面のというか、最終的な目標は弱点のない肉体をつくるということです。一部位特化ではなく、トータルとして評価されるように理想像を追い求めていきたいです」

最後にトレーニングしている人に向けて、「大会に出たことで得たものとマッスルゲートの魅力」を伺った。

「ずっと一人でやっていたので、大会出場を決めた後、共に励まし合う方々との出会いを経て、応援していただけたりして、最後減量期は苦しかったですが、ひとふんばりが効きました。ゴールドジム横浜馬車道店の塚本トレーナーは、私がスクワットを始めると、レップの後半で逃げないように、いつも後ろで監視してくれました(笑)。皆に支えられて優勝できたことを感じられたことが、何よりもうれしかったです。マッスルゲートは、舞台裏が殺伐としておらず、和気あいあいとして、パンプアップを一緒に手伝いあったり、一緒に頑張ろう!という空気なので、特に登竜門としてチャレンジするにはベストな環境が整っているのでおすすめしたいです」

ストイックでひたむきな努力を続ける井野選手。また来年、さらに進化を遂げた姿をステージで見られる日に胸を躍らせて待ちたい。

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取材:FITNESS LOVE編集部 文:にしかわ花 撮影:北岡一浩

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