9月9日(土)に開催されたJBBFオールジャパンマスターズフィットネスチャンピオンシップス・ビキニフィットネス 40歳以上160cm以下級でハイレベルな戦いの中、4位を獲得した小竿愛子(こさお・あいこ/41)選手。昨年から一つ順位を上げた小竿さんは、大会後に悔しさと嬉しさがこみあげていた。
「今年は3位以内のメダルを獲り、グランドチャンピオンシップスに出場したかったですが、4位だったので大変悔しい思いをしました。ゆっくりではありますが、毎年着実に順位は上げられているので、やってきたことは間違いじゃなかった、とも思えて嬉しいです」
今大会に向けて、ビキニフィットネスというカテゴリーに求められる審美性、トータルパッケージを研究したという小竿選手。
「地方に住む私ができることを考え、JBBF3級審査員資格を取得したり、ヘアメイクの研究、トレーニングメニューの見直し、休息を多めにとったり、食事の改善、ポージングの強化など、考えられることやできることはしてきました。まだどの点も足りていないので、もっと学んでいきたいです」
小竿選手は「ビキニフィットネスの世界観を演じきること」を意識してステージングをしているという。客席からみてもステージを楽しむ姿が印象的だった。
「美しく力強いビキニの世界観と私の性格には乖離(かいり)があると思っているので、そこは切り替えて演じています。今は差がありますが、将来は理想と現実の差をなくし、美しく力強い女性になって、ステージに立ちたいです。また、ステージに立つのは本当に楽しく、一年の努力をカタチにして観てもらえる最高の瞬間です。その喜びと、その場に立たせてもらえる周りの方へ、感謝の気持ちが溢れるステージにしたいです」
痩せやすい体質で、オフの増量中に食べ続けることに苦戦している小竿選手。身体づくりに必要な栄養だけでなく、トレーニングも試行錯誤して身体を進化させてきた。
「身体づくりに食事のPFC計算は必ず要るので、基本は食材から、(私は生野菜が嫌いなので、肉とお米がメインです)足りないときはサプリメント(マルチビタミン)・プロテインを飲んでいます。また、トレーニングも身体の仕組みなどを何も分からないまま始めたので、筋肉や骨の動き、どこのための種目なのかをやってみて、人に聞いたり本で調べてたりして、またやって、の繰り返しで何とか覚えてきました。今は『ケーボディデザイン』のパーソナルトレーナー佐藤さんについてもらい、教えてもらっています」
小竿選手は会社員で、週末休みのときに2時間しっかりトレーニング時間を確保している。平日は仕事の後、家で晩御飯を用意して、近くのジムへ1時間行っているという。小竿さんにトレーニング内容を伺った。
「トレーニングは週4~5日、1回1~2時間です。基本5分割(お尻、脚、胸、背中、肩)ですが、週5回できないときは上半身、下半身を交互に行っています。ネガティブ(動作)のときにゆっくり耐えることを意識してトレーニングをしています。また、対象筋はどこで、それはポージングのときにどんな形をしているところなのかを考えながら、身体を動かしています。もちろん考える余裕がないくらい重いものを無心で扱うこともありますが、常に意識はしています」
脚を褒めてもらうことが多いという小竿選手。しかし、今シーズンに向けたオフの間、脚を負傷していたため、3カ月程脚のトレーニングが全くできなかったという。
「やせ細っていく脚とお尻に落ち込みましたが、シーズンに入ってからは、やれることに励みました。また、脚のカットも褒めてもらうことがありますが、ZUMBAというスタジオのダンスプログラムで有酸素を思い切りすることでイキイキとした筋肉でいられるのだと思います」
日々研究し、ビキニフィットネスへの思いをたやさない小竿選手。来年のオールジャパンマスターズに向けた準備は始まっている。
「(目標は)来年のJBBFオールジャパンマスターズフィットネスチャンピオンシップス2024・ビキニフィットネス40歳以上160cm以下級で優勝することです。高い壁だと思いますが、それを目標にあと300日近くの毎日を思い切りやり切ってみます」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介