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筋線維が見えるほど絞り込まれた殿筋!会場に異様な盛り上がりを起こした44歳の想い「フィットネスはもっと開かれた世界であるべき」

竹内謙治さん怒涛の歓声、会場に異様な盛り上がりを起こした一人の出場者がいた。「サマー・スタイル・アワード(以下、サマスタ)東海帝王」スポーツモデル部門マスターズクラス(37歳以上)で優勝に輝いた竹内謙治(たけうち・けんじ/44)さんだ。

【写真】竹内謙治さんの筋線維が見えるほど絞り込まれた殿筋

「僕、嘘言いたくないので正直に言うんですが、今回は個人としての成績に興味ないし、元々出るつもりもなかったんですよ。今回も、僕がパーソナルトレーナーとして面倒を見させてもらってる子たちのサポートとして来てて、控え室でも普通にずっと準備を手伝ってました」

「だから、出場することも皆にも言ってなくて、ステージに出て初めて『出るの!?』ってなるサプライズショー的な意味と、『ステージってこうやって戦うんだぜ』という姿を見せること、あとは同じ舞台に立って競うことで応援したくて出ました」

大会後の取材にそう答えた竹内さんは、さらに大会に対しての思いを語った。

「僕は昨年、2週間に1回のペースでほぼ一年を通して色んな団体の主催する大会に出ました。それは、去年は勝負を賭けてステージに立つと決めていたこともあるし、僕が最終的な目標としている、『団体の壁』を壊したかったからです。どこの大会に出たらここには出られないとか、こっちで評価されたからあっちでは評価が下がるとか、そういう不安を若い子たちは持ってる。でもそんなことないんだぞ、と」

「僕は競技を8年やってきて、他団体でPROの資格も持ってるけど、実際に今回はサマスタで優勝した。規約で厳密に禁止されていなければ、どんな大会に出たっていいし、フィットネスはもっと開かれた世界であるべきだと思う。自分の活躍を通して、若いチャレンジャーたちが活躍する場を増やしたい。その一念だけでやってます」

淡々と、しかし芯から情熱の籠もった声。今回の大会を振り返って一番嬉しかったこと、という質問にもその芯が揺らぐことはなかった。

「僕の優勝はどうでもいいです。オーバーオールで競った堂前勇太(どうまえ・ゆうた)くんも僕の教え子なんですが、彼は初出場で総合優勝なんですよ。僕のときは、台風による中止でそれが叶わなかったから、彼にその夢を託してた。だから、本当は壇上で叫びたいほど嬉しかったです。終わってすぐ抱き合って喜びました」

「これから大会に出る人たちに向けて、他者からの目線は評価を受ける上ではすごく大事だけど、それだけじゃつまらなくなると思います。勝ち負けは結果論で、自分自身の納得できる努力や、戦い方が出来たかを重視したほうがきっと楽しい。審査員とだけにらめっこしてて楽しいですか?それより観客席に向かって全力で沸かせて、盛り上げるほうが最高に僕は楽しい。もちろん、一緒にステージに並びたい選手がいるからステージに上がる、楽しいからステージにあがる……目的は人それぞれ、様々でいいと思います。大会は楽しいぞということだけ伝われば」

そして、最後に「コーチングを担当してくれたブラックジム代表の西澤伊織さんにもお礼を言いたい。いつも無茶苦茶な注文もちゃんと対応してくれる、僕の中で日本一のトレーナーさんなんです」と締めた。

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取材:にしかわ花 撮影:上村倫代

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佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手