「中学生から日本拳法をやってきたので筋肉は元々それなりについていたのですが、生活の不規則さで体型の維持が難しくなってきたことと、格闘技の技術向上に繋げたいという思いでウエイトトレーニングと食事管理を始めました」
現在、格闘技の大会とボディコンテストの二刀流で活躍する塔本大生(とうもと・ひろき/34)さんは、ボディメイク開始前の食事を「朝昼を抜いて夜中にラーメンなどかなり荒れたものだった」と振り返った。明らかな肥満体型ではないものの体脂肪率は20%と高く、当時のトレーニングはスパーリングと自重での懸垂のみだったため、さらに身体機能を上げるためにウエイトを取り入れたのがきっかけだった。
「僕のトレーニングは、ほぼマシンとケーブルです。心肺機能と敏捷性の向上がメインなので、重量を追いすぎず回数でボリュームを増やし、身体感覚を研ぎ澄ますイメージでやっています。2時間から2時間半、胸と腕・肩・脚・背中と4分割でオフはないです。もうルーティン化しすぎて、やらないほうが気持ちが悪くなっちゃいましたね。夜勤もある24時間体制の仕事に就いているので、早朝に時間をとって30分の有酸素とセットでやるようにしています」
食事管理は、家族の分も含めてすべて塔本さんが行っているという。
「PFCと栄養素の管理をし始めてから、妻と子どもにもなるべく健康な食事を取ってほしいという思いが強くなりました。自分で全員分を僕がやればいくらでもこだわれるし、妻に余計な負担を増やす必要もないので。栄養管理の一環として栄養素診断検査を受け、足りないものはサプリメントで補うこともしています。日々の献立を考えるのは大変ですが、月で2万5000円程度に抑えられるようになど家計の管理も上手くなりましたね。無理してやってるわけではなく、何事にも凝り性なんです(笑)」
奔放な生活からすっかり「健康オタク」となった塔本さんの身体はみるみる引き締まり、筋肉量も増えていった。そしてトレーニング6年目となる今、体重が2.5kgの減に対して体脂肪率は5%と体組成が一変、「周りから別人として扱われるようになった」と語るほどの変化を遂げた。
※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。
「見た目のことも嬉しいですが、想定通りに競技のパフォーマンスがあがりました。踏み込みの力や俊敏さ、バランス性が向上し、今年は西日本社会人団体戦で優勝、全国大会でも準優勝することができました。頑張ってきた自分に対して自信がついて、昨年からボディコンテストにも出るようになり、今年はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の奈良県選手権大会でメンズフィジーク身長別3位を獲りました。ただ、この結果は自分としてはかなり悔しくてさらに闘志が湧きましたね」
今後はさらにトレーニングと食事管理の質を高めて、順位を上げていきたいと熱意を見せる。
「ボディメイクでも格闘技でも、個人競技に取り組むことはメンタルコントロールの訓練にもなります。成果を出すためには、いきなり全てを完璧にしようとするのではなく、少しずつ段階を踏んで長期的に習慣化するのが大切だなと学びました。今まで自分がしてきたことを無駄にしないためにも努力し続けます!」
取材:にしかわ花 写真提供:塔本大生