「ずっとバトミントン部に所属していたこともあり、中・高はガリガリでした。でも食べるのが元々大好きで、大学になってから体質も変わったのか食べたら食べた分太るようになってしまい、どんどんポチャポチャになっていきました。食べ放題5人前とか、皆とご飯に行くと残ったもの全部もらうとかしてたので当たり前かもしれないんですが、海に行ったときに1人だけヤバいビキニ姿になってしまい、これは本当にまずいと思いました」
暴食のツケはバイト先であるスポーツクラブでのインストラクターの運動量でもカバーできなかった、とまるさん(19)は当時を振り返る。そのころのまるさんは身長161.4cmで55kg。明らかな肥満というほどではないが、痩せていたころとの落差に落ち込んだという。
「勤務先のジムのスタジオで軽いウエイトトレーニングなどをしたんですが、動いたら逆にお腹が空いてしまって余計太っていきました。それを知ったフィジークの大会に出場している先輩が、“ちゃんとウエイトがやれるジムに移籍した方がいい”とアドバイスをくれて、24時間ジムで本格的にトレーニングを始めたのがボディメイクのきっかけです。筋トレには元々興味があり、よく観ていた筋トレYouTuberの方々が大会に参加する姿を見て憧れがあったので、どうせなら大会出場を目標にした身体づくりにしようと決意しました」
「そこからは、自分でも驚くほど筋トレにハマりました。ジムに通うのが楽しくて楽しくて、通学前に欠かさず行くのが習慣になりました。まいティさん、ダンシーあずささん、さくらさん、Ekoさんなど、女性向けトレーニングを発信し続けているYouTubeを参考にトレーニングメニューを組み、最初はバーがやっとだったスクワットもみるみる上達し、今は60kgを担げますし、ラットプルは40kg以上です。今では鍛えたい部位ごとにお気に入りのジムを巡るほどになりました(笑)」
その間、実に6カ月。あっという間に運動好きからトレーニーへと成長したまるさんの身体は、みるみる筋肉を蓄えていった。大会出場経験のある先輩との交流が増えたことで、減量の仕方も習得していく。
「まず最初は揚げ物をやめて、主のタンパク質を自家製の鶏ハムや魚類に変えました。お弁当も毎日自作するようになり、鶏肉をつかったオムライスやチャーハンなど工夫できる範囲で食事を楽しめるようにしました。それでも最初の方は1500kcalしか摂っていないにも関わらず、ほぼ体重が落ちなかったんです。風邪も引きやすくなり、トレーニングの質も徐々に下がっていきました」
「それを相談したところ、“運動量に対しての摂取が少なすぎると代謝が下がって逆に落ちないことがある”という衝撃の事実を知り、おそるおそる言われたとおりに炭水化物を増やして2000kcalまで上げたところいきなり体重も体脂肪率も落ち始めて、重量もまた記録が上がるようになり、こんなことがあるのかとびっくりしました」
こうして、健康的な食生活とトレーニングの獲得により体脂肪率は8カ月目にして29.8%から21%に。はみ出たお肉は消え、ほどよく筋肉をまとったすっきりとしたボディラインへと変化し、憧れの大会へと臨んだ。
「初めての大会出場はやっぱりまだ未熟で思うような結果は出せなかったのですが、すごく学ぶことが多く、なにより目標があるとボディメイクが捗るので今後も挑戦していきます。今度は、来年の3月にある『マッスルゲート』とセントラルスポーツ主催の『WELLNESS STYLE CHALLENGE』に向けて、さらに身体を作っています。将来的にはトレーナーになりたいという夢があるのですが、最近アルバイト先のスポーツジムで最近スタジオレッスンのクラスのコーチを受け持つようになれました。これを第一歩目に、大会でもいい成績を残して夢を叶えていきたいと思います」
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取材:にしかわ花 写真提供:まる(Instagram◼︎@myumyu_fit)