12月10日(日)、埼玉・三郷市文化会館で開催されたボディコンテスト『Super Body Contest(SBC)2023 FINAL』は、2023年シーズンに各地区大会で上位に入賞した選手たちの熱いトップ争いが一番の見どころ。だが、トップクラスの選手たち、それぞれの1年の成長・進化を確認できるのも嬉しい。
SBCの基幹部門である「SBC部門」と、より細身のボディラインが審査される「SBC TREND部門」にダブルエントリーした中村綾(なかむら・あや/34)さんも、昨年からの“伸びしろ”をもっとも感じさせてくれた選手の一人部門とも予選敗退に終わったが、今大会ではSBC部門で5位、TREND部門で4位と、トップ3に迫る順位となった。
「去年はずっと『細身だからTREND部門に向いているよね』と言われてきましたが、せっかくSBCのコンテストに出ているからには、やっぱりSBC部門で勝ちたい。なので、まずは華奢だと指摘された肩をほぼ毎日トレーニングしました。その上で『細い』という強みを活かして、ウエストラインはその細さを残しつつ、SBCでも戦えるようなアウトラインを作っていきました」
注力した肩のトレーニングは「部位への意識」を徹底したそう。
「ダンベルトレーニングの場合、肩を構成する一個、一個の筋肉のパーツを意識して、それぞれに効くトレーニングを一部位につき20回×数セットという感じで数種類。また、筋肉が熱を持っているかどうかで、その部位に効いているかを判断したり、鏡を見ながら行い、『ちょっと盛り上がってきたな』と確認したり。自分の感覚器と見栄えの両方で変化を感じられるまで、毎日トレーニングしていました」
努力の甲斐あり、ファイナル直前の10月9日に開催された愛知大会では、SBCとTRENDの両部門でクラス優勝。そして今回の大健闘へとつながった。1年間の集大成であるファイナルを終え、しばしの休息かと思いきや……。
「この会場を出たら、まっすぐジムに行きたい!それくらいトレーニングが大好きなんです。もともと食べるのが好きで、どれだけ食べても大丈夫なようにとトレーニングを始めましたが、今では完全に生活の一部になっています。ボディコンテストに出たのも、その大好きなトレーニングにもう少し意味を持たせたいなと思ったことがきっかけの一つです」
好きな英語のスキルアップのため、学生時代は米国・ニューヨークに語学留学していた。10㎏、20㎏増量は当たり前というのが“米国留学あるある”だが、中村さんには当てはまらなかった。
「現地でもジムに通っていましたから。勉強してジムに行って、そこから日本料理店でアルバイト。留学中はこのルーティンをずっと続けていた感じですね」
現在は英語力を活かしてインターナショナルスクールの中でもネイティブの子どもたちに対応する保育士として働いている。自分の中の「好き」に対して誤魔化さず正直に、誠実に向き合う。中村さんのステージングが楽しく、輝いて見えたのは、そんな生き方が映し出されていたからかもしれない。
取材:藤村幸代 撮影:上村倫代
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