「お腹が出ている」「脚が太い」など体型に関するコンプレックスを抱えている人は少なくはないだろう。ベストボディ・ジャパンで活躍する石田梨緒(いしだ・りお)さんは「お尻が大きいこと」がコンプレックスだったというが、筋トレ、そしてコンテスト出場によって、今では「お尻は一番好きな部位です」と語るほどになったという。
モデル時代は危険なダイエットを経験
10代でモデルを始めたことでダイエットを始めた石田さんだったが、「そのときは危険なダイエット」だったと当時を振り返る。
「当時は雑誌などで先輩のモデルさんたちが紹介するダイエット法を真似していました。1カ月で10kg落とすようなカロリー制限ダイエットなどです。モデルの世界はとにかく細いことが求められていたので、私も無理してダイエットをしていました」
しかしジムに入会して筋トレを始めるようになるとその価値観は一転。
「筋トレで引き締まる自分の身体をみて、ただ痩せることよりも自分の理想に近いと思うようになりました。それに加えて食事制限でのダイエットをしていた頃は精神面が不安定だったのですが、筋トレをしてバランスの良い食生活をすると精神的にも安定したんです」
ボディメイクにすっかり夢中になっていった石田さんはトレーナースクールに通ったり、栄養学の勉強をするなど知識を付けていく。
「勉強をしていくと同時にベストボディ・ジャパンに出場するようになりました。初戦では初出場でグランプリを獲得したものの日本大会では予選敗退。悔しくて挑んだ2年目はTOP10止まりでした」
2年目の挑戦で石田さんは心と身体は表裏一体だということに気がついたという。
「2年目の挑戦ではとにかく勝つことだけを頭に入れて1年間を過ごしてしまい、ボディメイクやステージを楽しめていない自分がいました。それでは本来の目的である健康美にはなれないと立ち返ることができました」
3年目となった昨年は“楽しむこと”を意識してボディメイクにもコンテストにも取り組んだ石田さん。
「日本大会は3位。悔しいという気持ちよりも、“楽しかった”、“やりきった”という感覚がまさっていました。私の中で価値ある1年になったと心から思っています」
石田さんはコンテスト出場を通して学んだことを軸にメンタル心理カウンセラー兼パーソナルトレーナーとして、クライアントのボディメイクとメンタルケアを行う。
「自分自身が体験したことをお伝えするようにしています。心と身体は繋がっているので、身体を健康にすれば心も健康になると思いますし、心を健康にすることが身体を良くすることにつながると思います」
コンプレックスは大きいお尻と太い脚だった
ボディメイクを始める前はお尻と太ももが大きいことがコンプレックスだったという石田さん。
「ずっと大きいお尻と太い脚が嫌でした。でも正しいトレーニング法で鍛えていくとお尻も上がっていき、筋肉もついて太ももも引き締まっていきました。すると周りから『梨緒さんのお尻のようになりたいです』と言われるなど、褒められることが多くなりました。今ではお尻が一番の強みであり、好きな部位です」
ヒップアップのコツはトレーニング中の意識にあった。
「お尻のトレーニングは正しいフォームで行うことがまずは大事です。その上でお尻に負荷をきちんと乗せられているのかを意識します。負荷が乗らない人は骨盤が正しい位置にあるのかなどに気を配ってみてください」
コンプレックスを解消して人生が好転している石田さんはフィットネスを広めたいという思いを語ってくれた。
「身体にコンプレックスを抱えている人は少なくはないはずです。私のようにトレーニングでその悩みを解消できる人が増えたらうれしいです。自分の身体を好きって思えることは素敵なことだと思います」
取材:FITNESS LOVE編集部 写真提供:石田梨緒